恥知らずのパープルヘイズがジョジョ大好きな人が最大限原作をリスペクトしつつ丁寧に描いたスキマ産業的ノベライズなら(まあこれも嫌だと言う人はいるだろうけど)、こっちのジョージ・ジョースターは「俺は原作付きのまともなノベライズをやめるぞジョジョ―!!!」って感じの作品だった。元ネタも1~7部までと広範囲で、長いジョジョシリーズ網羅してて二次創作的なものが楽しめる人で、かつ癖のある文章750ページ以上読める人という前提条件が付く時点でもう人にオススメ出来るシロモノじゃあないな。序盤はまあいいとしても終盤の話の複雑さは流石についていけなかった。

原作ジョジョも6部7部までいくと情報量複雑すぎて理解がおっつかないところは多々あるんだけど、あっちは漫画だからフィーリングで読めるのが、小説それも舞城先生の文章だと結構舞城先生の作品好きな私でも辛かったです。なんかどっちかっていうとハーメルンとかに載ってるやりたいほうだいの二次みたいなノリっていうか……。二次創作としても異質。九十九十九(舞城先生の作品の主人公)まで物語の舞台装置的扱いとはいえ出て来ちゃってるし。九十九十九は舞城先生のオリキャラじゃないってどっかで聞いた気がするけど、それにしたってなあ。

原作キャラが割と出て来てもスタンドは違ったりするし。ナランチャのエアロスミスが潜水艦を出すU・ボートってやつになってたりとか。Uボートもまあまあカッコいいんだけど、エアロスミスはジョジョだと一番デザイン気に入ってるスタンドだからちょっと残念だなー。ジョージ・ジョースターが飛行機乗りだったから、なんとなくモチーフ似てたこっちも敢えて変えたのかしら。

原作と設定違うのはあんま気にならなかったけど、話がややっこしすぎて最後の大団円とリサリサとジョージが仲良しカップルだったことと、露伴先生と鈴美姉ちゃんがパラレルワールドで仲良くしてたこと以外はあんまり面白いとは思えなかったかな……。うーん、舞城もジョジョも好きだから行けると思ったんだけど。単純に長過ぎてきついし、舞城もジョジョも真性レベルの信者です、って人以外は読まなくていいと思う。結構好き程度では辛い部分が多かった。
2018/03/16(金) 22:35 雑記 PERMALINK COM(0)