「ネコ発見! 捕獲なのだー」
「ニャー! 捕まっちゃったッスー♪」

 色ボケデレデレなトレジャーハンターにネコミミ少年はハントされた。ベッドに座ったアルジェンの膝の上で、アオイはゴロゴロいいながら頭をなでなでされている。

「あにきにギューってされるの、ポカポカあったかニャーニャーッス」
「捕獲したにゃんこを堪能するのだー」
「キャー! ニャー! ニャオスニャオスニャオス……」

 体を腕で押さえつけられ頬を頬で摩擦されるという極刑を受け、ネコは叫び狂う。
 アオイも極刑のお返しに頬を頬で摩擦し返しながら、ついでに広い肩をカプカプかじる。
 降参と顔に押し付けられた、あにきの大きなお手手もはむはむする。

「ところでなんでボクは捕獲されたのだろう」
「ネコの日だからネコの手を借りようと思ってな」
「ニャニャニャもとい2月22日でネコの日ッスね」
「もうすこし数字っぽく」
「ニニニもといネコの日」
「可愛いのだ」
「ニーニー、アルジェン兄(にい)」
「……ぐっ! その呼び方は禁止」
「にゃー?」

 急に心臓を抑えたアルジェンの顔を覗き込むと、なんだか照れているようだった。

「昔の人はこうやってネコを抱っこして暖を取ったそうなのだ」
「へー! 昔の人とあにきはすごいッスねー!」
「ネコもすごい、あったかモフモフにゃんにゃん坊だ」
「ニャンニャン♪ ボー……」
「どうしたボーッとして」
「あにきの端正なお顔に見とれておりましたッス」
「ぼ、ボーっとするのも禁止なのだ! このっこのっ」
「ミャー♪ 背中ナデナデはゴロゴロ言っちゃうー♪」

 ベッドの上で逃げるネコを追いかけて捕まえてはモフモフという茶番を繰り返すことしばし。
 騒ぎが収まったころ、くたびれた子ネコと青年がグテっと横たわっていた。

「なーんかやけに疲れたのだ」
「おにゃじく」
「……あったかいのだ」
「……んにゃー、ホント、あにきのふところは、あったか、ニャー……」

 お互い抱きつきあったまま、子ネコと青年は眠りについた。
 ネコは暖房作用だけでなく、睡眠効果もあるらしい。