やきにく亭
～キャベツを添えて～

今日の明け方にほざいた話の続きだけど、ニケはもしククリを最終決戦前に亡くしてもキチンと魔王を倒すか封印はすると思う。でも村に帰ってからどこか空虚に過ごすと思う。

表面上はネアカ全然変わらないんだけど、気づかった親やククリのオババが見合い話とか持って来ても「結婚なんてやだよ、世界を救った勇者の名声でたくさんの綺麗なお姉さんにチヤホヤされながらハーレムな生涯を過ごすんだー！」とか言いつつ手出された女の話を誰も聞かないの。

そんで夢を見るようになるわけ。アラハビカでプリンセスククリに大好きです、ククリをお嫁さんにしてください。って言ってもらった夢と、チョコレートの木をプラナノに作ってもらって嬉しそうなククリの夢を。夢から覚めるたび、どうして自分も大好きだよって返事をしてあげなかったのか悩みながら、嫌いだった甘いもの、特にチョコレートがますます大嫌いになっていくんだ。

そんな話を冗談交じりに遊びに来てくれたトマに溢したら、トマが「夢に誰かが出てくる時は、出て来た相手が自分を思ってくれてるんだそうです」って教えてくれるんだよ。それでニケは少しずつ、いつも見る夢への嫌悪が無くなっていくんだ。

それから王様からもらったお金を使って、遠くの街で小さな庭付きの一軒家を買って、冒険に出たばかりの頃、ククリに贈った思い出のリコの花を育てながらひっそりと過ごすんだ。最初は枯らしていた園芸も少しずつ上手くなっていって、やがて小さな一軒家の庭にたくさんのリコの花が咲き誇るようになって、火の王に教えてもらった炒飯しか出来なかったお料理も、ククリみたいに上手になっていくんだよ。

それから何十年も経って、老人になったニケが、リコの花咲く庭で、揺り椅子に揺られながら、ウトウト微睡んでいたらすごく空が真っ青で綺麗だったんだ。ククリと旅立った日もこんな青空だったな。って懐かしく思い出していたら、１枚の白い羽が落ちてきて、それから、あの頃の天使みたいな姿のままのククリが、天使の羽をはためかせ、ニケに手を差し出してるんだ。

「迎えに来たよ、勇者様！」
「ククリ……」

ニケが思い出の少女の手を取ると、自分の前姿も少年の頃の姿に戻っているのに気付くんだ。そんで二人の旅立ちを祝福するかのように、リコの花が散って、花吹雪を作るんだ。

「あのさ、ククリ」
「なあに、勇者様？」
「大好きだ。オレの、お嫁さんになってください──」

◯

ギップル「クッサ！！！この本書いた作者のネチネチしたしみったれた性癖がクッサ！！！」
ククリ「吟遊詩人のカミエさんが、あたし達の冒険は尾ひれがついてるって言ってたけど……」
ニケ「勝手に人を殺すな！！！」



２でニケククの冒険って各地で色々好き放題誇張されてるらしいんで、実際こんなような陰湿解釈のサーガどっかにありそう。つまりニケククの可能性は無限大。男女差別で申し訳ないが、ククリちゃんが取り残される逆バージョンはやりたくないや、２だとちょっとニケと離れ離れになっただけで結構メンタルガッタガタで見てられないし……。ニケは幸せ大往生ルートでもなんでも、絶対にククリちゃん看取ってから死んでくれや。

無印ターちゃんをやっと読み進めているのだが、妻のヂェーンが恐妻で夫の実家ターちゃんが尻に敷かれる構図のギャグ漫画なせいで、おまけ漫画の作者と奥さんの日常を描く１ｐ漫画、「おもろい夫婦」のが甘い（甘く描いてないのに、甘い）という奇妙な現象が起きてしまっている。なんだコレ。ターちゃんもなんだかんだ仲良い文脈はわかるんだが、それにしたって作者のリアルのが自然に甘いのなんだコレ。普通逆だろ。っていうか５巻に雑感ってタイトルで載ってる、父になりかけの旦那兼作家として割と真面目な文章はなんなんだよ！！作者の方が濃くて、本編のバカみたいなちんこホーケーせんずりギャグとか吹き飛んで何も頭に入って来ねえよ！！どっからツッコミ入れればいいんだコレ。

私好みの愛妻家旦那作家全員、妻との日常をエッセイや漫画として発表して私に提出しないといけない法律を今すぐ作ってほしいよな。（なんでよ？）

いいことなんだろうけど、良い感じの旦那作家が男子描いちゃうとなんか……旦那じゃなくても男子の挙動が旦那系になりがちだし、なんなら実際に旦那男ばっか出すよね。ああいうのって多分半分アレが普通だと思ってんだろうな……って思うと天然にどうしたら描写の発想で勝てるんだ……と頭を抱える。

アニメグルグル、出会いの改変どころか、ＯＰ１のアニメーションが伏線というか、最終回のエピローグと繋がっていて、果てはＯＰ２まで、手を引いてククリを連れ出す王子様で勇者様っていうニケの役割をすごく強調した構成なのにやっと気づくやつ。マジで光の勇者じゃねーか……。アニメのもろもろの解釈というか、原作で隠れてしまってわかりにくい綺麗な部分の引っ張り出し方マジで上手いな……過剰な美化とかじゃなくて素朴で、ちゃんとグルグルらしいし……。ＥＤ２のマジカルサークルもド直球でククリちゃんを歌った曲らしいのだが、そういう部分も好き。

グルグルを語る時ってどうしてもギャグばかりになりがちで（まあそれも仕方ないくらいの破壊力なんだが）、作品の美しい部分ってあんま話題になりにくくて（なんならそこら辺のメルヘンな部分って賛否両論で）、心のどこかでモヤモヤしていた自分が昇華されるような解釈というか……。ここら辺の解釈的な意味では、尺がないのは良かったのかもなあ……取捨選択するならボーイミーツガール部分に集中するよねって事で。

マジでここ一ヶ月、リアル女児だった時より心が女児に戻ってしまっていて、うっかりアニメ見るんじゃなかったな……ってなってる。軽い息抜きのつもりだったのに。

元々私、ネットとかない子供の頃は好きな漫画とか読み返しまくる生活してたから戻っただけといえばそうなんだが……。

眠れんからもう一本書くんだけど、ニケの職業適性が盗賊なのって、もしかして勇者がタンスとかツボ漁るところからの連想ゲームだったりするんだろうか？ 実際職業適性が明かされてから、そこら辺のタンスやツボを漁る描写をちょいちょいやってるし。

もしそうだとすると、結構上手い解釈のような気がするな……。確かにアレ、盗賊の挙動。タンスとツボ漁るのってドロボーじゃん！！みたいなギャグはみんなやるが、そっから「職業適性がそっち(盗賊)」って繋げるの意外と出来ない発想のような。

でもタンスとツボデフォで漁れるＲＰＧって、ドラクエを除くとあんまりないような気がするな。テイルズオブデスティニー１だとタンスから勝手に金とか杖とか持ってくギャグがあったし、２だと家の中漁れたような気がするが。言うほど私もＲＰＧ詳しいわけじゃないけど……。

勇者が称号じゃなくて職業だったり、タンスとツボ漁れたりってよく考えると変な現象が、オタクのデフォルト概念として固まってるの、いかにドラクエが強いタイトルなのかよくわかるな。ハーメルンもグルグルも「勇者は職業ではないよ（生業は他にあったりするよ）」ってのは共通してるけど、言われるまで案外気づかなかったバカは私。そこがプロと素人の着眼点の違いなんだろうけど……。

やっぱりファンタジー創作で「勇者って何？」ほどやらせて面白い（楽しい）お題ってあんまない気がする。

ダイ大→勇気があればみんな勇者だよ、いっぱいいるよ、でも別枠の真の勇者的なもんは良くも悪くも特別で孤高だよ
グルグル→大体一つの時代に一人って感じだけど、そもそも職業じゃないよ
ハーメルン→勇者らしく人とか国とか町救ったりはあるが、普段は旅芸人みたいなこともするよ、ＲＰＧ的職業としては補助魔法使い、吟遊詩人って感じだよ
moon→国家規模の陰謀で犠牲者だよ
魔王学校に俺だけ勇者→勇者の学校があるよ、魔王の学校もあるよ、学生のうちからそうやって勉強する職業だよ


パッと思いつくだけで全部全然違うもんな。自分がパッと浮かぶ奴で一番おぞましいと思うのやっぱmoonだな。でもmoonの解釈ってある意味ホントにそうっていうか、勇者の役割って、呪いみたいなもんかもしれないな。こう、泣いても逃げても壊れても、宿命から逃れられないみたいな？

ハーメルンのもう一個の側面、勇者＝魔王ってのも結構面白い発想だよね。オチでそーなるとか、そういう反転もありうるじゃなくて最初から魔王っつーのが。最初から魔王兼業してる感じの勇者はハーメルンくらいじゃない？ 他にもある？お姫様と魔王兼業なら魔王学校のメインヒロインがやってたけど……。竜宮城の一人娘だから、ホントに王女、姫なんだよな……攫われ、守られ属性もあるし……。

グルグルアニメ２３話見てたら、すぐにケロッとしてアホみたいなギャグかましてるが、ホントにククリが死んじゃったらニケってどうなるんだろうな。とかやもめ男性癖が最悪の想像をしたくなってきてしまったな。いやんなもん見たくないんだけど……見たい（矛盾塊）（寝ろや）

ククリが反転したらエライ事になっちゃったのはアラハビカ編でやったけど、ニケがガチめに堕ちちゃったら一体全体どうなるのか……いちおうそこら辺のifはちょっとだけグルグル２でも語られなくもないんだが、アレはアラハビカ編のデビルククリと違ってギャグだし。

カヤとの魔法合戦直後もニケって衝動的な行動には走ってなくて冷静というか、とりあえずまずは前向きな提案をしてみせてるからやっぱコイツ陽キャだよな……。

結構グルグル２ってなんでもアリだし、ifを覗く感じで壊れた勇者編、やる予定ないですかね？衛藤先生……。色々安定しない嫁を精神的に支える役割が固まっているからそういう方向には行かないかな……。

でも衛藤先生多分意識的にというか、キャラの死とかをなんでもアリ魔法でひっくり返すみたいな感じは多分ギャグでもやった事ないよな……。バトーハの塔に伝わるカップルの話も、ブリの照り焼きとかのギャグで誤魔化してるけど、結構救いのない結末で終わっちゃってるし……。読み返し過ぎて当時気づかなかった、多分ギャグでも弄らないようにしてるな？みたいなラインに気づき始めてしまったやつ……。

なんかやっぱグルグルって結構恐ろしい魔法だな？好きな人を些細な事で封印しちゃったり、失敗通り越して悪魔になっちゃったり。２だと更にエライ事起きまくりだし。心が恐ろしいってのは、結構無印から真面目に取り扱ってる事ではあると思うんだけど……。デリダさんは悪魔になる事も実は問題ではない、それも心の姿だからって言うけどやっぱ結構ヤバくない？？？

っていうか２でニケと離れ離れにされちゃった直後のククリ、感情グチャグチャでこらアカン、という気にさせられる。旦那と引き離したらヤバイ。無印のシュギ村の修行の時も半年の間別れるってなったら泣いてたが……あの時点でもう勇者様なしではいられない身体にされてしまっていたんだな（誤解を招く表現）。

グルグル２で「昔からマヌケな勇者をミグミグ族が支えていた」みたいな話があるが、どうも無印も２も、ニケが精神的に頼りになる男過ぎて、ククリがそんな彼に結構精神的に依存してて、あんまギャグとして成立してない気がするな……。確かにククリが支える、頑張るくだりもあるんだが、それ以上にニケがククリの光過ぎる。なのにニケは、自分じゃなくてククリが世界を救う天使だって思ってたらしいが……。

読めば読むほど、彼氏側の束縛やヒロインのデフォルトヤンデレみたいな安直展開しないでここまで精神的に依存させるの、すげぇな？って気がしてきた。微笑ましい感じの、ククリちゃん頑張れ！くらいの空気ではあるが……ニケって罪な男だなぁ……。まあ私もニケみたいな奴がいたら、心の支えの大黒柱にしちゃうのも無理はないと納得するが……。

ニケって本当、精神が勇者に向いてるよなぁ。コンビもので、あなたがいれば大丈夫、怖くないってのはよく聞く台詞だが、ニケ相手にククリちゃんが言ってると確かに……としか言いようがない。基本どんな時でも普段の調子崩れないしな……。流石に２序盤は葛藤が見えるが、ククリちゃんが言うように、ニケの素敵なところ強いところは、単純な戦闘力とかの話じゃないんだよなぁ。