再読。冒頭のヒロの母と織田の、お互い丁寧なのに何も噛み合わない会話を見て理解したよな。ああ、魔王と勇者ってホント相容れないんだなって。今回の話と2巻の話と合わせても、魔王にも同情するほど優しい勇者のヒロ、優しすぎて魔王として劣等生のリュウナがどれだけ異端で、運命的に噛み合った出会いなのかがよくわかる。

夏緑先生は基本コメディ作家でコレもコメディだから、あまりに重く踏み込んだりとかはしないんだが、周りが敵だらけの中、応援できる異端であるヒロとリュウナの恋がどれだけ美しいのかを今巻ので思い知らされた。作者公認のバカらしい話でそんな感想抱く私もバカなのかもしれないが……。やっぱ読んでて結構コメディながら怖い部分がある。

そしてやっぱりこの、コメディに惑わされずよく見ると結構切なさ切実さのある美しい異種族(異民族?)恋愛だなぁと感じる恋と勇者物語はグルグルに近いものがある。流石同期というか。両者ともそこを敢えて深く切り込まないで、ギャグと少年少女の微笑ましさに留めるから、ホントそこわかりにくいんだよな。あと、1巻再読時ドン引きしたペルチェの心の成長が愛おしい。


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2024/08/30(金) 17:04 作品感想 PERMALINK COM(0)
グルグルのゲソックの森読み返してたが普通に怖い。普通、幻想世界からの帰還が難しい、という流れは幻想世界が現実より楽しい文脈だけど、ゲソックの森は誰が見てもクソゲーだから、ここから出られないのは誰の視点でも普通にホラーだ。っていうかこの話、地の王の娘のクルジェが助けてくれなかったら詰みだったよな……レイドも、あのキタキタおやじすらも取り込まれてるしやっぱり半分ホラーだわコレ。衛藤先生はサラッとやる怖さのが怖さのフォローないから怖いわ。無印1絶望的なドンカマー戦も、アレはギップルいるからまだ怖くない。ニケが一人でクソゲーに突っ込まれるゲソックの森と、2のはよ終われグルグルが個人的2大ホラー。

真面目にゲソックの森は子どもの時も、読んでて笑うより怖かった気がする(こんなクソゲーから出れないって……)

考えてみると衛藤先生は誰よりもファンタジーを愛しつつ、幻想の方が現実よりも良いよ、とはならないんだなぁ。

楽しかったアラハビカミュージカルもクソゲーのゲソックの森も、ククリいわく「時々どっちが夢か分からなくなるほど」楽しい現実の冒険に帰っていく。とても優しい文脈過ぎて、ギャグに隠れすぎてわかりにくいのだが、やっぱり大人にも通じるような童話文脈になっていると思う。普通は現実のが辛いけど、それでもいつか回帰しなきゃいけない文脈だが、心から現実のが楽しいと帰っていくのがネアカ作家の美しさよなぁ。コレを素直に信じたくなる感覚は、グルグルでしか味わえないな……。

まあそりゃ現実はニケククの大冒険みたいに楽しいとはいかないだろうが、そういう事ではなくてね。
2024/08/30(金) 08:36 グルグル考察 PERMALINK COM(0)
献身的な男キャラが好きって言ったけどさー、そういう文脈でシリアスも、「こんなヒロイン(受)なら人生捧げるよな……」が出てないとむしろクソ嫌いって最近気づいた。BLのこういう主従的な愛ってどうもそこまで受に魅力感じねえんだよな。多分私が、そこまで頑なな男の心をほどくみたいな文脈に女子のケースみたいに萌えられないってのがデカいんだろうが(BLのがデフォ型で辛い……)

グルグルのククリちゃんとか2409回目の彼女の詩音ちゃんみたいなのはいいんだよ、彼女らなら私が王子様ポジションにいたって救ってやりたいって思うさ。なんかアレくらいの魅力が足らんというか、まず尽くされる側の態度が悪いんだよなあ、大抵。

なんでそんな性格ブスなのに尽くされたりヤンデレ執着されんの?彼氏君も異常者だからいけないんだが、まず物件探しからコケてねえか?ヤベー男なの知らず優しさを見せて執着される、みたいな描写出てるとおおっ!ってなるがそこも描けてないのが多いから、大抵萌える前に疑問が出て困る。ライブ会場で自分だけ盛り上がれないような疎外感だ。みんな「その献身、キチ○イです!?」が説明不足なのがいかんのや(どっかの賞を思い出す言い回し)

ほんっとーに一方的に尽くす愛、二次元でも普通に異常者なのに「彼氏側がすごい変な人」って描写、女性向けだと説明が大体欠如しがちだからキツいんだよな。

スレイヤーズすぺしゃるの使用人×お嬢様もマゾ男とS女のSM変態カップルでほとんどギャグ版春琴抄の域だし、引き合いに出した春琴抄も当然、変態のSMだし、きのう何食べた?のジルベールと彼氏も筧さん達に笑われる変なカップルだし……。感動文脈でも狂四郎の親友みたいな、ディストピア世界の異常者やろあんなん。

クソッやっぱり天然物の作者を探すしかないっ!

自分で作れって?なんか毎回やろうとして失敗してるというか……。全部救うのが無意識にヒロインの方になるというか……。悩む時点で向いてないんだろうなぁ。というか思いついた時点の構想からしてそういう、受、ヒロインが救う構成になってしまっている事がほとんどで、彼氏側が彼女を救うみたいなネタはエターなるか失敗している事に気づいた……。本当に無意識の話作りの癖って気付けないなあ。多分重い男はそいつが気圧されるくらいの彼女か受じゃないとダメだと思っているな?

それはそれでいいんだがやっぱり彼氏側が毒にも薬にもならんようなやつになりやすいのが……ニケククカップルみたいな、どっちも両率で好きになる濃いのが作りたいんじゃ。
2024/08/30(金) 07:55 雑記 PERMALINK COM(0)
好きな作家を結婚相手ごと推すみたいな推し方、最高かと思いきや夫婦には色々あって破局とかもあるのでむしろ結婚で発狂よりデリケートかもなと最近思う。夫婦エッセイは特に、価値観がモロに出て来るからなんでも楽しいかというとそうでもないという……。

破局して行った夫婦エッセイ系を思い返すと、やっぱり傲慢さが見える。愛されて当然などという事は決してないのに、そんな感じに寄りかかって最終的に潰してしまうようなアレが見える。っていうか二次元ですらよっぽどの献身文脈じゃないとギブアンドテイクでないとカップリングとして歪なのにどうしてそういう事になるのか?喪女から見ても不思議である。

曽山先生の妻の好きなところ50挙げるやつも、Kindle版だけかどうかは確認してないが、とにかくKindleで読んでないぶん纏めて読んだ時「コレ、離婚したら黒歴史です!」って言ってるが多分それを言えてるなら大丈夫じゃない?と思う。(そもそも既に熟年夫婦の領域だしなぁ)というか福満しげゆきも仕事が軌道に乗るまでちゃんと「妻のヒモをしてるクソ野郎」文脈で描いてるからなんかそういう謙虚さって大事だな。

やっぱりどう見ても愛妻家くさいのに一生それが見れなさそう、くらいでちょうどいいのかもしれないな。夫婦エッセイとして切り売りは相当な何かがないと最終的に破綻するような気がする。それをエサの一つにしてるオタクがいうのもなんだけど、正直破局されてまで見たかないよなって。

なんつーか「売れるんだけどそもそも売っちゃいけないようなジャンル」な気がして来たな?感覚として内臓を売るのと変わらないような気がして来た。物騒な例えだが。
2024/08/30(金) 06:28 雑記 PERMALINK COM(0)
オラァあれだな、ニケだの2409回目の初恋の周くんだの神ないのアリスだの狂四郎だのカッコいいの男のラインだったらやっぱ、等身大さも見える献身的な愛が見たいのかなぁ。己の意志で人生ごと捧げてしまうようなアレが見たいんだよなみたいな。なんだその微妙にハードルが高い奴。神坂一せんせーとかも何気に上手いやつ。

ちょうど昨日22周年迎えたらしいEver17とか、主人公カッコイイっていうけどそういう等身大さというか人間らしさがホント欠けてんだよな、アレ……。仕掛けがスゴイはまだしも(まああの作品の何が面白いのか、私には全く分からないタイプのミステリー?だけど)アレがイケメン主人公で挙がるの納得いかねぇ~。アレ系はヘタレよりダメかもしれない、ただ挙動だけが一応イケメンみたいな……。中身が伴わな過ぎ。

ONE2の主人公好きなの多分私がああいう男が好み過ぎるってだけなんだよなぁ……知ってた。

赤松先生の著作も同じ現象が起きてるというか、一番カッコいいと描かれていない(彼に惚れているヒロイン勢すらカッコイイなどとはほとんど言わない)AI止まのひとしくんのが時々カッコイイし泣かせるとかいうアレ。ネギまのネギとか、どんどんそこら辺の描き方が滑った男子ドリームで見ていられなくなっていったからな……。

いやあ当時20巻くらいはそこそこ楽しんだ覚えがあるが、今思うと10歳の少年に中学生女子、それ以上の年齢が次々ドキィ♡とかホラーだなぁ。同じショタコン女から見てもホラーだなぁ。いや雪広あやかみたいなショタコンならわかるが……。ネギくんこそAIとまひとしくんみたいな文脈で描くべきショタだったと思うんだけど……。なんかよりによってネギにカッコイイ男にドキドキミ☆みたいな文脈突っ込むから「この世界みんなショタコンかよ?」みたいな変な事になってたよな中盤以降……。いやギャグなら全然いいんだけどそうでもなくなっていったから余計に……。

例によって私だけが言ってるのかもしれないけど、今見てもひとしくんの等身大の男の子っぷりってハーレム主人公として良いと思うけどな……。至らない点含めて時々ステキって思うし……。

なんかカッコいい、も天才同様ハードルが上がりやすい気がする……。このカッコイイ概念すらギャグにしてしまった衛藤ヒロユキ先生はやっぱり天才で奇才なんだな……。

意外と女性向けの定番にないよな、等身大の男の献身的な愛みたいなアレ……。やっぱ男性向けの天然ものを探すしか……クソっ見つかりにくい!

ヘタレ男だとひとし君が理想かもしれないけど多分かなり理想値が高いやつだな?(専門分野だとカッコいいし……)しかしパソコンもスマホも普及した今だと、ひとし君のカッコよさはやや伝わりにくいかもなぁ……いやひとしくんがやってるプログラミングまで行くとそら今でも専門分野だが……。やっぱりコレを1994~1997年辺りに描いてた赤松先生はすごいと思う。
2024/08/30(金) 05:51 作品感想 PERMALINK COM(0)
カプ萌えを拗らせるたび「ラブラブ和姦ならええやろ」精神でスケベを書き続けて来た私もニケククだけはなかなか汚す踏ん切りがつかない。別に私はショタコンでロリコンも併発してるというか今時のマッチョ、おっさんブームがイマイチ興味出ないレベルだからなんかそういう抵抗じゃない(っていうかそういう抵抗があったら9歳差のおにショタなんぞ手間暇かけて作らない)


なんかもっとこう……あまりに純過ぎて妄想でもやりづらいみたいな何かが……。

やっぱニケがスケベ心描かれる割にそういう空気がなさ過ぎなのかな……。似た系統の魔王学校のヒロとかAIとまのひとしでももう少しなんか……自分から彼女をどうにかしたいみたいなアレとか抱きしめるようなアレとかあるよな……。直球でスケベなニケのが、同作者のシュウ君とかイービィよりなんか手を出すようなアレが想像しにくいのがすごい不思議なんだけど……。

ニケ→ククリはちゃんと作中で描かれてるんだけど、別に両想いなら普通に描かれるような自分からの接触願望すら何故かほとんど描かれないからなぁニケ。グルグル2でお姫様抱っこするのも突き詰めて考えるとククリの命令的なアレで、しかも正気じゃない竜モードだけだし……。

衝動的に抱きしめるとか守るために抱きしめるみたいなアレすら記憶にない(アニメでも緊急時に突き飛ばす程度)だからなぁ……。どうもこの距離感はアニメでもかなり厳密に守られているくさいんだよな……。

衛藤作品のピュアッピュア範囲とはいえ、シュウ君とイービィが割と男の子の触りたい願望やら好きな子をどうにかしたい願望やらを表現出来て、ニケが出来ないのはまぁなんか……わかるんだけど。

多分シュウ君とイービィ範囲でも描かれてたら、ニケはきっとククリの理想の王子様や、読者の楽しいギャグヒーローでいられない。(言うてシュウ君とイービィだって両想い相手に手つなぎたいとかチューしたい程度なんだが……)勇者って辛いねぇ……控えめ過ぎるニケって呼んで願望も、2で結局達成されてないし……。

まあシナリオ展開的に恋人は引っ張るのはしゃーないにしても、もうちょっと名前呼びは掘り下げて頑張って欲しかった感はあるな。ククリとニケのキャラクター性にも関わるからココをいじるのが難しいのもわかるが……。単純にククリの勇者様呼び可愛すぎて弄れねぇのもわかる。

ニケの「勇者なんてほんとは嫌だけどククリの為なら勇者していい」みたいな感じと、ククリの「ニケを勇者様と盲目的に信じているけれど、それは誰でも良いわけじゃなくてニケだから」みたいな感じなんとなく一生噛み合っていないような感覚があるんだよなぁ……。

グルグル2の1巻のおしゃべりなアサガオ回で多少かみ合わせ良くなった印象もあるが、でも考えてみるとアレもはっきり心を通じ合わせたわけじゃない。ククリの方は、能力がなくなってもニケを勇者様と思ってる事が伝わったという事を知らない……。2の名言通り、好きな人でも半分はわからないままでいいとは思うのだが、なんというか一度は心が100%120%重なり合ったような瞬間を目撃してぇよなぁ……。

ニケククほど、瞬間、心が完全に重なった感覚がないカップルを知らない……。悲恋でもそうそうない。だからこんなに発狂するんだね。似た系統の魔王学校に俺だけ勇者でも、アレは周り全員敵のコミカルなロミジュリなので、二人の心はなんだかんだと通じ合っているし……。

よくよく突き詰めるとニケククは無印の告白すらなんかすれ違ってるわけなんだよなぁ、うんこギャグでそんな事言ってるの私だけだろうが……。結構真面目な話で、無印の告白時点で、ククリうんこ!って言える感じのカップルだったら私も安心できたとこある。2ではうんこうんこ言いまくってククリの前で屁こきまくってるのはやっぱ成長描写なのか?

ニケこそウサギテレビでやってた「キモイとこを嫁の前で読み上げ」とかいう羞恥プレイが欲しい(アレすごい個人的な性癖に刺さった)けど多分ニケの心は一生全部はわからないんだろうな……。
2024/08/30(金) 01:30 グルグル考察 PERMALINK COM(0)