多分私、恋愛物読んだ時「愛だねぇ……」ってしみじみするのが好きというか、なんかそこら辺がよその恋愛物好きと合わないのかなという気がして来た。ギャグ作品とかでやったりするからなおの事通じないし。いやでも勇者ニケと勇者ヒロの生き様は愛としか言いようがないんだがなぁ……。

ハッキリ説明が入るわけじゃねぇから通じねえんだろうな、あの状況下でこの二人が進んで勇者する理由って愛する女以外にないって。

やっぱり絶望を煽り、その中で二人の愛を示さないと伝わらないのかな。私そういうのばっかだったら疲れるけどな……。ロミジュリ書いたシェイクスピアさんがすごいのもわかるけど(面白いかはさておき、アレの意味がわからない、って人はいないだろうからな)

創作って難しいな、私も簡単な事書いたはずなのにわからん言われたりするし……。無駄に読解力がある方(間違っている事もあるだろうが、読みづらくても意図を掴もうとする方)なのも作る側の時は足を引っ張ってるような気がする。

考えてみるとヒロもニケも好きな女に直接言わないもんな、お前の為にこんな世界で勇者やってるなんて。その押しつけがましさのないとこがいいんだけど、わかんない人はわかんないんだよな言わない場合。まあこの二作が大好きなら大好きなほど真似しない方がいいってよくわかった。

もーっとコテコテの恋愛ヒロイックでさ、主人公が剣を掲げてヒロインに向かって「僕が君を守ると誓うよ」みたいな事やるじゃん。むかーし見たアニメのRAVEがたしかそんな最終回だったと思うんだけどさ。つまりアレは好きな女へのアピール兼読者へのアピールなわけだな。オレはこういうキャラですよ!!!!!こういう男ですよ!!!認識してくださいね!!!!みたいな。

愛する女への心を内に秘め、行動で示すヒロとニケが大好きでしょうがない反面、まあ↑みたいにアピールというか有言実行した方がいいに決まってるな、って納得しちゃうの悲しいな。

それでも私は、良く読まないとわからない愛でしみじみしたい……。

っていうか今更RAVEはRAVEでちゃんと読みたくなって来たな。コレもかなりコテコテのヒロイック恋愛だから元ネタの人より刺さりそうな気配ある……。しかし嗅覚だけで万単位出すのちょっと勇気要るな……。

しかし私ホント女の子が戦闘面で大活躍みたいなの興味ねぇんだなぁ……。(いや一応挙げたやつ全部、戦闘能力多少~かなりあるヒロインではあるけど)一体どこからこのコテコテヒロイックの癖がついてしまったのか?子どもの頃見ていたセーラームーンもバトル以外は実はこのくらいコテコテ恋愛ではあるが、それにしたってこの刷り込みレベルの性癖は謎過ぎる。

なんか戦えない、でなくても古典的ヒロインって足を引っ張りやすくてぶっ叩かれる事多いから、深層心理ですらあんま好きって言えなかっただけなのかな……。そして別に私はそういう攫われ姫みたいなのそんな嫌いじゃないいというか、なんならグルグル無印みたいに、何度でも王子様が助けに来て愛を示す方が泣けるって最近気づいた(もっとシリアスな作品でやってたらアホだとは思うかもしれんが)

しかしもはや↑みたいなのは少女向け小説でも絶滅危惧種なのである……ざっと見てもいねえなぁ!?直球のお姫様ヒロイン!!!
2024/08/31(土) 06:20 雑記 PERMALINK COM(0)
なんかグラブルがとうとう異種族同士で子が望めないみたいな設定ハッキリ明言されたらしいが(でも以前と設定がブレてもいるらしい)、魔法陣グルグルとか魔王学校に俺だけ勇者とか、アホギャグに反してまぁまぁシナリオ背景というか異民族、異種族恋愛に関してシリアスなわけだが、あの辺のミグミグ族と光の者とか、魔王と勇者の間で結婚したら諸々どうなるのだろうか?別に子どもが作れんみたいな事は特にないし、親は歓迎みたいなムードだが……。

両者とも親が歓迎してるので過剰な弾圧まではなさそうなんだが、やっぱよく読むとそこにあるのは異種族問題とかゆるいロミジュリとかそういう空気だからなぁ……。

反発し合う感じの性質を子がどういう方向に受け継ぐのかとかちょっとそこら辺が気になるアレ。魔王学校は「更生申請書」を互いのギルドに出せば魔王や勇者を辞められるみたいだが、性質まで消えるわけではないよな?とかそういうアレ。

しかし両者とも今読み返すと思いっきりメインカップルの恋が反対されてる描写があるのになんで当時読んだ時気にならなかったの?って思うけど、当の二人に異種族間葛藤とか全くないコメディだとここまでスルーしてしまうものなんだな……。

よーく見るとお互い「君が僕の(私の)光」みたいな構図になってるのに当時全く気付かなかったよね……。女子側が光として勇者を好いてる件はわかりやすいんだが、勇者側がこんな状況下で勇者する理由も大切な女の子以外に理由がないっていうな。

魔王学校、やってる事はつまり異種族恋愛とか敵対組織同士の恋が周囲に反対されるみたいなアレなんだが、周囲の反対理由が個人的な理由(横恋慕、経験値目当て、お父さんは許しませんよ!など)になってるの上手いな……と、当時気づかなかった事に気づく。

二作とも差別がない絵本みたいな世界としては絶対描かないけど、そこを突っ込んでシリアスにし過ぎない(かといってエッセンスとして存在しないわけでもない)、ってのがやっぱ上手いというか……。まあ重く描かないから軽視される部分も多分あるんだろうけど、何でもかんでも重くすりゃあいいってもんじゃない。

ここら辺シリアスにし過ぎた作品って正直全部同じに見える時あるというか……まーとにかく私が子どもの頃はすごくそういうのが多くて、萌えるというよりおいおい、またかよ……感がすごかった。

なんで異種族、恋愛って最終的にぶっ殺して破局にする事が多かった(今も?)んだろうな、昔は……。異種族じゃなくて対立組織同士みたいな感じ(互いの家が仲悪い)だが、遥か昔のロミジュリからして悲恋なのがいけないのだろうか?

やるにしたって小泉八雲の雪女みたいな、生存・子を残した上での永遠の別離、みたいに書いた方が味わいがあろうに、なんか破局の仕方すら雑つーか、ロミジュリみたいな印象的な殺し方も出来てない事が多いんだよな。

とにかくグルグルと魔王学校を恋物語として好きな理由が読み返すとわかる。この塩梅は誰もが出来る事じゃない。昔のガンガン系作家ってここら辺のシリアスとギャグ塩梅がすごく上手な気がする。両者わざと重く描かないから必要以上に軽視されているような感じもするが、何でもかんでも重く描けばいいってもんじゃない。

プロ・趣味問わず素人クセェ!って思う作品ってそこなんだよな。無駄に重くて感動が押しつけがましいというか……鍵ゲーくらいやってくれたら好き嫌いはさておき素人くさい!とは思わんが。まあ自分でも当てはまりそうだからこの辺でやめとくけど。

学生時代、文芸部で「焼き肉さんの異種族恋愛って死なねーからいいよね」みたいなコメント貰ったのをふと思い出した。うん、読者側の時嫌でしょうがなかったんだろうね、そういうのがね……。

統計取ったわけじゃなくてただの体感なんだけど、グルグルっていうかガンガン系漫画の異種族もののどこかほのぼのした空気って、多分90年代くらいまでは結構珍しいやつで、だから同年代の人も多分フワッと「異種族恋愛ってなんか知らんが最終的にぶっ殺されるな」みたいな前提がどっかにあって、それと比較して私の作品にそういう感想を抱いたんだろうな、って今はわかる。

この雑な異種族恋愛処理現象なんだったんだろうなぁ、って思うけど、ロミジュリだの小泉八雲の雪女だの、それなりに理由付けやオチの悲劇までの構成の工夫がある作品のが多分古典からして珍しいんだろうね。っていうか歴史上のそういう対立組織同士の恋も実際問答無用でぶっ殺されたり問答無用で引きはがされてそれっきりだったりで、ロミジュリみたいな流暢な事してる暇もなかったとかあんまりな話がどこにでも当時転がってそうだな。いつもの憶測だが。

考えてみるとこの多分一番有名な雪女伝説も、日本に完全帰化した外国の人が書いた(っていうか元々あった伝説を纏めた?)奴ってのが何か結構面白い話かも。どこまで小泉八雲さんの創作なのか、元からそういう話だったのを好んで編集したのかは知らんが、どっちにしても小泉八雲さんの雪女伝説が、他の雪女系伝説に比べてどこか希望や未来の余地があるラストなのはそういう帰化した人の視点だからかも、なんて。悲恋は悲恋なんだけどさ。

実際大昔の伝奇でこういう残るものがあるラストって多分珍しいよね。他の雪女系伝説って善意で老夫婦に温められて溶けてそれっきり、とか散々な話だったりするし。それとも意外と成就あったりすんの?何の話だったか忘れたが、蛇の子無理矢理孕まされたから酒飲んで堕胎、とか他の伝奇って大抵そんな話ばっかだったような……。

この辺の堕胎だの溶けて消えるだのもなんらかの暗喩なんかな、とか考え出すと重すぎるので、このくらいにしとこうか。
2024/08/31(土) 01:59 作品感想 PERMALINK COM(0)
再読。冒頭のヒロの母と織田の、お互い丁寧なのに何も噛み合わない会話を見て理解したよな。ああ、魔王と勇者ってホント相容れないんだなって。今回の話と2巻の話と合わせても、魔王にも同情するほど優しい勇者のヒロ、優しすぎて魔王として劣等生のリュウナがどれだけ異端で、運命的に噛み合った出会いなのかがよくわかる。

夏緑先生は基本コメディ作家でコレもコメディだから、あまりに重く踏み込んだりとかはしないんだが、周りが敵だらけの中、応援できる異端であるヒロとリュウナの恋がどれだけ美しいのかを今巻ので思い知らされた。作者公認のバカらしい話でそんな感想抱く私もバカなのかもしれないが……。やっぱ読んでて結構コメディながら怖い部分がある。

そしてやっぱりこの、コメディに惑わされずよく見ると結構切なさ切実さのある美しい異種族(異民族?)恋愛だなぁと感じる恋と勇者物語はグルグルに近いものがある。流石同期というか。両者ともそこを敢えて深く切り込まないで、ギャグと少年少女の微笑ましさに留めるから、ホントそこわかりにくいんだよな。あと、1巻再読時ドン引きしたペルチェの心の成長が愛おしい。


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2024/08/30(金) 17:04 作品感想 PERMALINK COM(0)
グルグルのゲソックの森読み返してたが普通に怖い。普通、幻想世界からの帰還が難しい、という流れは幻想世界が現実より楽しい文脈だけど、ゲソックの森は誰が見てもクソゲーだから、ここから出られないのは誰の視点でも普通にホラーだ。っていうかこの話、地の王の娘のクルジェが助けてくれなかったら詰みだったよな……レイドも、あのキタキタおやじすらも取り込まれてるしやっぱり半分ホラーだわコレ。衛藤先生はサラッとやる怖さのが怖さのフォローないから怖いわ。無印1絶望的なドンカマー戦も、アレはギップルいるからまだ怖くない。ニケが一人でクソゲーに突っ込まれるゲソックの森と、2のはよ終われグルグルが個人的2大ホラー。

真面目にゲソックの森は子どもの時も、読んでて笑うより怖かった気がする(こんなクソゲーから出れないって……)

考えてみると衛藤先生は誰よりもファンタジーを愛しつつ、幻想の方が現実よりも良いよ、とはならないんだなぁ。

楽しかったアラハビカミュージカルもクソゲーのゲソックの森も、ククリいわく「時々どっちが夢か分からなくなるほど」楽しい現実の冒険に帰っていく。とても優しい文脈過ぎて、ギャグに隠れすぎてわかりにくいのだが、やっぱり大人にも通じるような童話文脈になっていると思う。普通は現実のが辛いけど、それでもいつか回帰しなきゃいけない文脈だが、心から現実のが楽しいと帰っていくのがネアカ作家の美しさよなぁ。コレを素直に信じたくなる感覚は、グルグルでしか味わえないな……。

まあそりゃ現実はニケククの大冒険みたいに楽しいとはいかないだろうが、そういう事ではなくてね。
2024/08/30(金) 08:36 グルグル考察 PERMALINK COM(0)
献身的な男キャラが好きって言ったけどさー、そういう文脈でシリアスも、「こんなヒロイン(受)なら人生捧げるよな……」が出てないとむしろクソ嫌いって最近気づいた。BLのこういう主従的な愛ってどうもそこまで受に魅力感じねえんだよな。多分私が、そこまで頑なな男の心をほどくみたいな文脈に女子のケースみたいに萌えられないってのがデカいんだろうが(BLのがデフォ型で辛い……)

グルグルのククリちゃんとか2409回目の彼女の詩音ちゃんみたいなのはいいんだよ、彼女らなら私が王子様ポジションにいたって救ってやりたいって思うさ。なんかアレくらいの魅力が足らんというか、まず尽くされる側の態度が悪いんだよなあ、大抵。

なんでそんな性格ブスなのに尽くされたりヤンデレ執着されんの?彼氏君も異常者だからいけないんだが、まず物件探しからコケてねえか?ヤベー男なの知らず優しさを見せて執着される、みたいな描写出てるとおおっ!ってなるがそこも描けてないのが多いから、大抵萌える前に疑問が出て困る。ライブ会場で自分だけ盛り上がれないような疎外感だ。みんな「その献身、キチ○イです!?」が説明不足なのがいかんのや(どっかの賞を思い出す言い回し)

ほんっとーに一方的に尽くす愛、二次元でも普通に異常者なのに「彼氏側がすごい変な人」って描写、女性向けだと説明が大体欠如しがちだからキツいんだよな。

スレイヤーズすぺしゃるの使用人×お嬢様もマゾ男とS女のSM変態カップルでほとんどギャグ版春琴抄の域だし、引き合いに出した春琴抄も当然、変態のSMだし、きのう何食べた?のジルベールと彼氏も筧さん達に笑われる変なカップルだし……。感動文脈でも狂四郎の親友みたいな、ディストピア世界の異常者やろあんなん。

クソッやっぱり天然物の作者を探すしかないっ!

自分で作れって?なんか毎回やろうとして失敗してるというか……。全部救うのが無意識にヒロインの方になるというか……。悩む時点で向いてないんだろうなぁ。というか思いついた時点の構想からしてそういう、受、ヒロインが救う構成になってしまっている事がほとんどで、彼氏側が彼女を救うみたいなネタはエターなるか失敗している事に気づいた……。本当に無意識の話作りの癖って気付けないなあ。多分重い男はそいつが気圧されるくらいの彼女か受じゃないとダメだと思っているな?

それはそれでいいんだがやっぱり彼氏側が毒にも薬にもならんようなやつになりやすいのが……ニケククカップルみたいな、どっちも両率で好きになる濃いのが作りたいんじゃ。
2024/08/30(金) 07:55 雑記 PERMALINK COM(0)
好きな作家を結婚相手ごと推すみたいな推し方、最高かと思いきや夫婦には色々あって破局とかもあるのでむしろ結婚で発狂よりデリケートかもなと最近思う。夫婦エッセイは特に、価値観がモロに出て来るからなんでも楽しいかというとそうでもないという……。

破局して行った夫婦エッセイ系を思い返すと、やっぱり傲慢さが見える。愛されて当然などという事は決してないのに、そんな感じに寄りかかって最終的に潰してしまうようなアレが見える。っていうか二次元ですらよっぽどの献身文脈じゃないとギブアンドテイクでないとカップリングとして歪なのにどうしてそういう事になるのか?喪女から見ても不思議である。

曽山先生の妻の好きなところ50挙げるやつも、Kindle版だけかどうかは確認してないが、とにかくKindleで読んでないぶん纏めて読んだ時「コレ、離婚したら黒歴史です!」って言ってるが多分それを言えてるなら大丈夫じゃない?と思う。(そもそも既に熟年夫婦の領域だしなぁ)というか福満しげゆきも仕事が軌道に乗るまでちゃんと「妻のヒモをしてるクソ野郎」文脈で描いてるからなんかそういう謙虚さって大事だな。

やっぱりどう見ても愛妻家くさいのに一生それが見れなさそう、くらいでちょうどいいのかもしれないな。夫婦エッセイとして切り売りは相当な何かがないと最終的に破綻するような気がする。それをエサの一つにしてるオタクがいうのもなんだけど、正直破局されてまで見たかないよなって。

なんつーか「売れるんだけどそもそも売っちゃいけないようなジャンル」な気がして来たな?感覚として内臓を売るのと変わらないような気がして来た。物騒な例えだが。
2024/08/30(金) 06:28 雑記 PERMALINK COM(0)