期間限定無料リンク筒井康隆原作の小説のアニメ化。筒井康隆×今敏、多分鬼に金棒みたいな組み合わせ。
面白い。押井守以上に虚構と現実を擦り続けた監督の一つの完成体って感じ。っていうか押井と合作してたのね、未完だけど。実際気が合いそうではあるな……作風似てるし。私もこの二者が擦り続けているような作風って好きなんだが、なんかこの二人ってなにかがちょっとだけ合わないかもな……って思う時がしばしば。今敏のが安定して上手いと思うがなんか気持ち悪くて受け入れがたい部分がある、押井さんはなんかわけのわからん哲学だの雑学だのぶち込んできてわけわからん時がある。両者とも私はちょっと信者になり切れないとこがある。
個人的期間限定無料公開作品のオススメ度はパプリカ&千年女優かな。妄想代理人は個人的にはあんま面白くなかった。この人は好きな狂気と虚構を描き切った方が面白い物描くんじゃないかなって……。妄想代理人はなんか思ってもない事無理して言ってる感じ。虚構をガッツリ書くよりウソくせーな、って感想を抱いたのはなんか皮肉だな。
ってのはさておき追記から感想。ちょっと千年女優と妄想代理人の内容にも触れてる。
千葉と時田が両想い関係ってなんか予測できなかった……。言われてみるとあーそうだな?ってなったんだけど。なるほど、時田に当たりがきつかったのも愛の裏返しで、小山内君がやたら時田に嫉妬してたのも二人がほとんどデキてるような関係だったからと。勝手に時田は同僚の氷室とBLな関係だと思ってた。でも氷室もアレ、ゲイ雑誌の表紙に書いてあったのが普通に王道な美形だったから、性的に好みだったのは多分小山内の方で、時田は純粋な友情関係で、こっちは嫉妬って言っても完全に才能の方で恋愛のこじれではないっぽい。
小山内君、多分氷室だけでなく理事長にも色々させられてそう。下半身不随だけど、なんか別の方向で色々。完全なる哀れ掘られ(タチをさせられてる可能性もあるが……)要員であった。これに当て馬までつくのだから小山内君にはちょっと同情した。コイツだけ本当におこぼれもない感じがあるしな……。敦子が一番気がなかったのもコイツだと思う。刑事さん、島さんはそれぞれ虚構側、現実側の相棒枠として活躍処もあれば、敦子も恋愛ではないが信頼を寄せている感じがったが、一番美形の小山内だけホントに脈がない。心肺停止状態だと思う(ボロッカス)。まあなんか……ツラが良くてもゴメンだ、ってのはちょっとわかるかもしれんが……。直球でレイプ寸前っぽい暗喩があるのコイツだけだしな、刑事さんも夢の中で唇頂きに来たりしてるが。小山内君はおケツ掘られてるか、掘らされてるかしらんがそういう感じの人生を感じるのでそういう愛情表現しか出来ないのかな、って思うとなんもかも哀れ。
刑事さんの物語の仕掛けには感心したし、感動もした。メインストーリーより好きかも。ラストの友人の幻覚の言葉とか素敵だなって思う。夢も現実も大切にする、コレは直球かつ今敏さんのとても素直な気持ちが刑事さんとシンクロして出ている感じ。千年女優のような虚構でもなく、妄想代理人の否定でもない。ひたすら夢か虚構か騙される構成だったから、最後もちゃんと現実なのかって疑いたくなっちゃうけど、ここは最後の刑事さんと友人の台詞を素直に信じたいところ。
しっかしパプリカ(敦子)はモッテモテだなぁ。わかるけど。パプリカの魅力がすごい作品なので。夢の中の自由自在の衣装チェンジとか最高に可愛い。つまりコレは敦子(パプリカ)の乙女ゲーみたいな構図だったわけだな。いうてメインヒーローが最初から不動感あるけど。謎の女性っぽく見せかけて、大体皆パプリカの正体を見破ってるのはちょっと笑ってしまう奴だが、まあ好きな女の事ならわかるよな、うん。時田君も、敦子を食べちゃった時風味が足りない、って言ってパプリカを食おうとした辺りやっぱ無意識に気づいているわけだよな、これ?
全体的に夢でメチャクチャだけど統合性がある感覚がよく出てると思うな。絵の中にはいってそこから変身したりとか。まあそこに下ネタの暗喩が入るのがちょっとアレなんだけど。ロボットの時田くんに食われるのも、最後乾をパプリカ(敦子)が食っちゃうのも、多分スケベの暗喩やろ。小山内君のターンとかモロにエロいしな……。
刑事さんのサブストーリーと、黒幕を倒すというメインストーリーが綺麗に絡み合った構成で、視聴後の後味も良かった。原作小説も読んでみたい。