12話前後のアニメほど、いらん話で話数を消化してしまい、必要なところに尺がなく、尻切れトンボ率高いのなんでだろ。妄想代理人でもなんかそういうアレを感じた。いやもちろん12話前後じゃそもそも厳しいのはすごくわかるんだが、その割にいらん話多い気がするんだよな、アレ。全然本筋の結論じゃない8話とかがやたら上手い。というか、8〜10話面白いは面白いけどあのオチなら丸ごと邪魔っていうか……。
今敏さんの今見れる映像作品はコレでコンプリートしたと思うけど、妄想代理人は一番合わなかった。テーマ性は多分一番好きなはずだが、多分今敏さんが虚構を愛しすぎて、狂気と空想を描くのが上手過ぎて、このテーマに合ってない。やっぱ思ってもなさそうなこと描かれたって刺さりきらんなぁ……例えネタが好みでも。
12話前後アニメ、尺がないのはわかるが、その割にいらん事で尺消化してて首傾げることが多い気がするのでこの話数は私にとっての鬼門かしら。まほらばとか魔法陣グルグルみたいな、24話前後でほとんど無駄なくやりきってる感じのアニメが理想かも。
グルグルアニメみたいに、最初から無理ゲーの尺を承知で使える尺演出全部で最大限やりたい事ただ一つ(少年少女のコメディ交えた恋物語)をやりきってる感じのはいくらでも好意的になれるんだけど、本筋がダメで脇道だけ上手なタイプの作品って一番反応に困るし一番モヤモヤするし、多分一番嫌いなタイプ。だから大体人と評価がズレまくる。
それはそれとして、妄想代理人とパプリカと千年女優で虚構との距離感が見事に三分割してる感じなのは面白いかも。今敏監督自身も、大好きな虚構の距離感をこうして色々測っていたんじゃないかしら。パプリカが一番綺麗だけど、多分今敏さんの結論は千年女優じゃないかなって。気持ちはわかる。やっぱり全部一回は見とくべきアニメ。
多分もっと長生きしてくださったら、更なる発展型が見れたんだとは思うけど、パーフェクトブルー、パプリカ、妄想代理人、千年女優でやりたい事の一区切りはしっかりついているような気はするな、今敏さん。
東京ゴッドファーザーズは、個人的には好きだけど一番やりたい事じゃないと思うので除外。なんかクリエイターの著作としては番外編、外伝って印象がある。見返して深く考察したらまた違う感想が出るかもしれないけど。