グルグル2軸。原作無印でアッチ村出る時ニケが三つ編みクイッてやってククリちゃんが嬉しそうだったシーン好きだったけど、2の恐怖の館編で「オレ髪引っ張ってないぞ」って言ったニケを見て、もう引っ張る発想ないんだな。と感じてしまい、感慨深くもあるが少しさびしい。2のニケはガチでククリ関連で冗談を許さん空気あるよなー。元々ククリちゃんには甘々な勇者だったけど……。
村に着いたから宿の予約をして、旅に必要な足りないものを手分けして買いに行った。何やら気を回しまくっているらしいジュジュが、自然にオレとククリを二人きりにしてくれたわけだが……。
ケガした時の薬草とか、分担したものを手に入れたら、する事もないから、村のハズレの森の方に足を運んだ。ここには時々妖精が来るらしい、とは道具屋のおっさんが言ってた事だけど……。ここの妖精はイタズラ好きなのか、それでいて恥ずかしがりなのか、姿を見せる事がない。
それでいてクスクス笑い声だの、人のバンダナを面白半分に引っ張る感触だのはするんだから始末が悪い。
「ククリは大丈夫か? 変な事されてないか?」
「うん、耳元で王様の耳はロバの耳とか聴こえて来るけど……」
ククリには懐いてるのかな、ここの妖精。とか思ってたら、ポン! ってククリの頭上がはじけて、花の冠が乗っけられた。
「わあ、綺麗!」
「妖精のプレゼントかな?」
花冠にはしゃぐククリの三つ編みがくるくる揺れるのは、風の遊び心か妖精のイタズラか。お花よりもククリの三つ編みの方が気になる。
「勇者様も引っ張ってみる?」
そのよこしまな目線にククリも気が付いてしまったのか、魅力的な提案をされた。昔、久しぶりにククリが三つ編みにした時、ふざけてちょっと引っ張った事があった。一番似合う髪型だと思ってたから、嬉しくてつい。あの時もククリは笑って許してくれたけれど。
「やめとくよ、風を渡る龍に噛みつかれたら怖いからな」
「噛みつかないよ?」
自分の髪で遊んでいるらしい風や見えない妖精達を、ククリはなんでも許す天使みたいにしたいがままにさせてやっている。
本当は龍に噛まれるのが怖いんじゃなくて。あの時みたいに何気なく触るのも、ひょっとしたら傷つけるかもしれない意地悪も怖かったんだ。なんて、カッコ悪くて言えなかった。