グリムノーツ、なんか他とふんいきちゃうなぁ、って思ったけどそうか。主人公が無言容姿なし主人公じゃなくて普通に個性があるのか。というか全体的に、物語ごとに世界が区切られた想区の設定とか、第二部で主人公達が変わる事とか、群像劇に近いなコレは。
名前通りグリムとかの有名童話オンリーだと思ってたけど、宝島や千一夜物語、ドン・キホーテ、ロミジュリと、有名なやつが中心だが、思ってたより持って来るネタの範囲は広いな。
両親の勇者物語に付き合わされていたニケと、一族の運命通りに旅立たないといけないククリが、人が運命の書通りに動くグリムノーツの世界とコラボったのは適材適所なのかもしれんな。とか思ったり。
基本的には大きな型通りに進む話だが、ドン・キホーテの話だけ少し切ない。まあ原作からして滑稽で哀れな男の話だからなぁ……。
でもドン・キホーテとホントの英雄、そんなに変わらないような気がするんだよな。結末も心意気も、キチ〇イ度も。悲しい事にドン・キホーテ世界には打ち破るべき化け物も、お姫様をさらう魔王も、なにもおらんかったわけだが。英雄なんてもんは生まれる世界とか時代とか、タイミングが良かっただけのような気がする。キチ〇イと紙一重。
まあ読んだのがもう十年以上前だからあんま覚えてないんだが、それでも原作の寂しいラストは思い出せるな。まーあんなイカレじーさん、近くにいたらたまったもんじゃないんだが、それでもあの終わりは悲しいもんだね。作者が基本Sとか、ろくでもない話を作るのは当然なんだが、最初からそんなもんない、妄言だと言い切ってあんなものを書いたドン・キホーテの作者はいっちゃん残酷かもしれん。