グリム童話の想区、ネズの木が小ネタでなくバッチリ最高に使われてるやん。えっあのグリム童話の中でも最悪グロテスクな話を素敵なスパイスに!?センス良いなあ〜。まあ青ひげとジャンヌ・ダルクが重くも良い話に出来てる作品だしな……。グリム童話完走しようとして半分くらいで力尽きたけど、グリムノーツのお話の理解度が底上げ出来ただけでも読んだ甲斐があったなー。もう一回完走まで頑張ってみようかな……。マジでこのライター、読書量半端ないし、まず一読者としてネタにした作品群が好きなんだろうな……。
ヘンゼルとグレーテルとネズの木をかけ合わせたセンスもだが、ヘンゼル〜のハッピーエンドに疑問を持った切り込み方も良いと思う。物語展開に反して、「起こったことはなかったことにならない(誰かの心の中には生きている)」というテーマを持った、グリムノーツらしいセンス。
グリムノーツの登場人物って、自分の過去を踏まえた上で能動的に動くよね。正義側にしろ悪側にしろ。クロヴィスがふとした時に「この青薔薇に誓って」とか言い出すだけでホロリ。エクスがレイナの王子様だっていうのも、レイナがエクスのお姫様だっていうのも、二人のキャラ背景鑑みるとそれだけで泣ける。
改めて、不幸な設定はそれをエンタメにするのではなく、キャラの次に、生き方に活かすことが肝要なんだなって思う。胸糞インパクトだけで終わってる作品って、すっごい多いよね……。お前の悪趣味露出狂癖を読者で満たすなっつーの。
しかしまっすぐなキャラクター達で中和されてるけど、結構悲しい話ではあるし、第二部で主人公達変わっちゃうし、終わり方がどうなるのかは心配だ……。