衛藤先生とか曽山先生とか渡辺道明先生とか、あの辺見るとギャグってよくわからない感覚的なものってだけでなく多分基本形が大事なんだな。とか思う。前振りがあって、オチがある。単純に絵が上手くて(見やすくて)、見せ場のギャグが絵面だけで笑える。など。
たとえば登場人物の横にバナナの皮があって、それを踏んで盛大にすっころぶことを期待する感覚とか、例が古典的過ぎて我ながらセンスがないが、そういう前振りがあってこそギャグという感じもするよね。
澤井先生はなんというか、感覚的なギャグ以外が本当にないというか……流石にあまりに不条理なギャグは初期だけで、その後はもう少し王道少年誌の型や長期連載らしい伏線とかもあったとは思うが、それでも勢い重視だった感あるし。そもそもこの人ってギャグとか、そうでなくても感覚的なもの、好きな漫画のパロディ以外描きたいものがあんまなかったのかもしれないな……。とすら思う。いや、良い悪いじゃなくて、それってやっぱその後が詰まるだろうなって……。
感覚的な何かが描きたいだけだというなら、それはそれで、汚い長野まゆみや汚い村上春樹って感じに、その雰囲気作家感覚を一生モノに煮詰められたら多分違ったと思うんだが、おそらくその域に行けずに徐々に魔法が解けてしまったんだろうな。
画力問題で一蹴されていたらしいのに、ギャグだけで連載会議突破したらしいのは本当にすごいんだが、でもやっぱりそういう裏技的なもので突破しちゃった場合って後が厳しいんだなって。
いやボーボボ私は普通に好きだったけど、単体で見て絵がそこまで悪いとも当時思わなかったけど、他のギャグ作家と比べるとやっぱ絵柄とかそういうのじゃなくて、漫画が読みづらいなって。その後の読み切りとか特に、すごい読みづらい……。フロントライン・スピリッツとか、絵は可愛くなってるが本当に内容が頭に入って来ない……。多分ボーボボから既にちょっと読みづらい漫画だったんだろうけど、ギャグの勢いがあんまりすごいから、読めちゃったんだろうな。ボーボボ一話読み返したら、ネーム量とかギュウギュウのコマ割自体は別に元からだな。いやでも、ページ数の問題もあるんだろうなとは思うけど、これボーボボより読みづらいな……今読み返したら。多分やりたいのは、ビュティとへっぽこ丸みたいな美形男女をメインに持って来たボーボボのバトルなんだと思うけど。
某カピ氏が、ちょっと読んだ曽山先生とか、グルグルとかは気に入ってくれたのに、ボーボボだけ乗れなかった理由がちょっと読み返しただけでわかった……。元々「乗れなかったらそこまで」な人なんだな……昔は毎週楽しく読んでたけど。
曽山先生とか衛藤先生とか、ご本人が絵下手くそって自虐ってたの見た事もあるけど、やっぱ元から上手だよなぁ、って思う。小ネタは多いけどいらない情報はないというか、読みやすいよね、漫画が。