今5月6日までサイカノが無料公開中らしいんだが、身内にも言ったんだが、狂四郎2030ってパッと見の話に反して文脈がサイカノ、セカイ系なんだよな。話の規模は国とか世界でデケェんだけど、世界より愛する人的なとこが。
徳弘正也先生的には狂四郎2030はロミオとジュリエットらしいし、実際オマージュ元はロミジュリだろうなあって両方読んだ私も納得なのだが、多分他人に言う時は「世界より好きな人が大切なセカイ系文脈」と言ったほうが伝わりやすい。
高橋しん先生が後書きで言ってたように、ラブストーリーを描くため世界情勢とか軍とかの描写をわざと全部投げたのに対して、徳弘正也先生は世界情勢とか軍とか書いた上でないと成立しないラブストーリーをなのでちょっとそこがわかりにくい。こっちは単にラブストーリーを楽しむには生々しくて悲惨だし。
でも一見全然違う話のようで、両者何が一番言いたいかに絞ると、実はそんなに違わないのではなかろうか。
まあ多分ラブストーリーとしてはちょっと狂四郎のが不器用なんだろうな。いやレベルは高いんだが、ラブストーリー以外にも革命とかラスボスを倒す英雄譚があると誤読されやすい構成って意味で。狂四郎はラブストーリー的にもああいう風に描かないと成立しない話なので難しいんだが。