やはりというべきか、小夜子さんのジサツ未遂癖に規制がかかっている。暗いところに隠れる姉ちゃんというキャラ付けの変更がなされている。血とかエログロ方面は一切ないのに規制がかかるまほらばとかいう取扱注意作品ほんま草。
小島あきらさんのほんわかネーム力でそう感じさせないだけで、実はかなりメンヘラな作風だからな……。梢ちゃんはハッキリ精神病ヒロインだし。小夜子さんはヤンデレみたいなもんというかヤンデレだし。実は桃野さんもかなりのメンヘラだし。梢ちゃんは優しくて素敵な女の子だが、精神病とか差し引いても実は結構重い女だよな。ずっと白鳥君の事が大好きだったわけだし。
だからそれを受け止める桃野さんの彼氏も、梢ちゃんの王子様である主人公の白鳥君も割と覚悟ガンギマリのすごい懐の深い男なんだよな。灰原さんも彼氏ではないが、その系譜の律義さだしな。単体キャラクターとしては灰原さんが大好きだったなあ……。というか終盤のようやくの掘り下げで大好きになったというべきか。
まあ小夜子さんの悪癖は、原作でも彼女の成長と共になりを潜めていく要素ではあるんだが。
ゆったり読めるゆるい作風なんだけど、重いメインテーマに関してはかなり真面目に描かれているんだよな。作中作の絵本、「ハル」すらも何気に重いお話である。(アレ一本で作品として成り立つレベルではあるが)
ハルは本筋には関係ない話だけど、あれも主人公の心の持ちようの話、ってことで実はメインテーマ、ヒロインの梢ちゃんの心のお話ともなんか通じるものがあるのかもしれないなあ。
小島あきらさんって作風としてはゆるいんだけど根っこの芯が硬いというか、ただほのぼのともただ暗いとも言い切れない不思議な感覚が小島あきら節としか言いようがない。一見どこにでもありそうな萌え漫画のようで、ガンガンウィングの看板作品だったのも、ファンブックでまず担当編集さんが一番のファンみたいな熱心さだったのもうなずける。
と言うか私も当時アホほど読み返し過ぎて細かい小ネタ含めて大体覚えてるの草だな。ちゃんと細かいアニオリに気づけてしまう。