やーっと全巻読み終わった……面白かったけど読み終わるのに2年かかったぞ。他の本読んでたのもあるが。性癖と下ネタとグロ、純愛からハーレムまで面白い恋愛の宝庫、女子キャラは全員強烈で面白い。エロゲ屋とかエロ作家は一度くらい目を通すべき。でもエロゲーでも千一夜物語題材ってないよなあ……フリゲ化してる夢の坂ってゲーム作った会社のポシャった奴が、タイトル的に多分千一夜物語題材だっと思うんだが……。アリスや童話パロはエロゲでも定番だが、見たことねえな……。聖書題材は見たんだが。
前の巻から続く、バイバルス王と警察隊長達の物語はどれも面白い。ヤスミーン王女の夫婦喧嘩の顛末がケツを掘らせようとする夫だったり。
第六の警察隊長の話、お姫様の頭にシラミついてるの容赦無い描写。しかもそれを、何を思ったか油のツボに突っ込んどいたら薄暗い場所デカくなった、ってのもあり得ないけど妙に生々しい。
第9の警察隊長の話、亜麻の切れ端が指の爪の間に刺さって仮死状態になる姫の話、眠り姫っぽいなあ。
蜂蜜入りの乱れ髪菓子と靴直しの禍いをまき散らす女房との物語も、序盤は鬼嫁にいじめられる普通に靴直しに同情したし、親切な農夫の恩返しに畑仕事をしてたら財宝掘り当てた流れも人柄の良さを感じたが、それはそれとして王族相手にクソデカ詐欺する辺り、実はふてぶてしいのかも。魔法の指輪を新しい嫁が管理するのは、お財布を嫁が管理するって暗喩かな。
フジル王の復讐、ものすごいヤンデレ男だな。可愛がられていたのに、さらわれた部族の男相手に「あんな男よりあなたのおチ○ポいいのぉ!」してた嫁が悪いけど。
そして何巻もまたいで出演し続けたジャーファルの最期ひど過ぎ。晒し首の上死体処理はちょっとしかかからなかったわって帳簿記録に書くってお前。コイツが仲良しの王様にこんなに憎まれた理由は諸説あると作中にあったが、全て多かれ少なかれ理由の一つだった感じがする。多分仲良くしすぎたんだな。可愛がってた妹とやっちゃったのが決定打っぽいが。そして自分で殺しておいて、ジャーファルいなくなった後落ち込んで誰も信頼できなくて弱って死んだアル・ラシード王もめんどくさぁ〜。一つの服に二人でくるまるほど仲良しで大切なら最初からやるなや。まあ前々からしょーもねえことで殺す殺す言ってたからとうとう……。っていえなくもないか。
このジャアファルのむごい最後にはシャハラザードの話を聴いてる王様もショック受けた描写があるが、コレが処女の首刎ね王への最後の薬ってとこかな。
ラストのジャスミン王子とアーモンド姫は普通にいい話。普段と違って、駆け落ちした二人の行方を誰も知らないのが余韻があって良いと思う。
面白かったが疲れた〜。シャハラザードがいつの間にか3人も子ども産んでたのにはビックリ。まあ約2年半毎日一夜を共にしてりゃあそらそうか。最後の巻になると王様もお前なしじゃ眠れないよ〜。とか言って微笑ましかったわ。