なんか話題になってたから原作小説読んでみた。素直に面白いと思ったんだけど、純粋に惜しい。
トラぺジウムってのはオリオン座の中にある四重星の名前らしい。まあそのまんま、メインの女子高生四人って事だな。アイドルに憧れる主人公の東ゆうちゃんが、西南北の学校に通ってる女子を打算で集めてアイドルになる話。ここの仲間集めのくだりはそこら辺の打算と葛藤とか、ヒロイン勢のキャラの達っぷりとか、ちょっと面白いイベントとかあって普通に面白い。
ただ惜しいのが、この仲間集めパートに尺使い過ぎて、肝心のアイドルパートがすげーーーーー短い。本文259p中たったの50pちょっと。仲間集めパートは素直に面白かったんだが、これは流石に構成が惜しいとしかいいようがない。だからといって仲間集めパートが長過ぎとは特に思わなかったので、これ多分上下巻くらいの尺が必要な話だったんだと思う。そこが惜しい。人気アイドルの姉ちゃんの連載小説だったみたいだし、そこら辺の話題性使って、もっと長い尺でのびのびと書けたら良かったんじゃないかなと思った。長編小説初挑戦とか、本業との兼ね合いとかもあったんだろうけど。
文章読みやすいし、感性も後書きまで瑞々しいし、小説の才能あると思う。けど、大槻ケンヂとか、新海誠とか、あの辺の人らもそうだけど、本業が忙しいだろうからそんなにガンガン小説は書けないよな……。
個人的に、陰で東ちゃんを支えてくれたシンジさんが好き。途中で自ら物語から離脱してしまったが、ちゃんと最後出て来てくれて嬉しかった。
作中で「スペイン人に「あの」と「加賀まりこ」って言っちゃダメ」ってくだりがあるのだが、理由は、
あの→スペイン語でケツの穴
加賀まりこ→スペイン語だとその発音は「オカマのウンコ」
だかららしい。(作中だと何故なのかは秘密だったのでググった)