リフレインブルーとか2409回目の初恋みたいな、題材自体はよく見るけど作者独自の視点と掘り下げで唯一無二のオリジナルになってるような作品作りたいなあ。
あくまで個人的にだが、七夕伝説と銀河鉄道の夜題材でこの2作以上に感性が素敵すぎてむせび泣くようなものに出会える気がもうしないまであるんだよな……。
オリジナリティって、自分が提示した題材やモチーフをどれだけ自分なりに掘り下げられるかどうかだと思う。
フラクタルが一番ダメだったとこってそこだと思う。胸糞インパクト、メイン二人の恋愛要素、世界観、キャラクター、ディストピア世界、メカ含めたキャラデザ、どれ一つ突出したところがない。全部60点って感じ。唯一無二になり得る要素で良かったの主人公のクレインの素朴な成長とサブマスコットヒロインのネッサくらいなのに、それすらも尺が足りずオチも設定も底意地が悪い。底意地が悪いものを作ろうとしたわけじゃないのは一応わかるが、そういうふうにしか見えない。
だからボーイミーツガールと気に入った男キャラに甘い私でも「ラピュタとサマウォと狂四郎2030とケムリクサ見たほうがいいよ」って感想が出る。素朴でありきたりでも積み重ねれば唯一無二になりうるのに、そうやって最後までついてきてくれた人も裏切るオチと設定だからね。
ああいうオチ自体は好きで、クレインとネッサが好きなのは本当だし、ああいうので泣いた記憶もあるのになんでこんな冷たい感想出るんだろうな、我ながら。うん、まあ……まほらば(原作)でいいよね、オチすらも。
まほらば(原作)が泣けてフラクタルが泣けないのはどうしてかな、って考えたんだがアレだ。まほらばのラストは作品が提示したテーマと問題に対する最高で最善の結末だからだな。
対するフラクタルのラストって、話の尺というメタ的な意味でも、主人公達の置かれた状況的な意味でも妥協でしかないのよね。フラクタルが目指すべきは3人で掲げたささやかな約束を果たすことだった。だからあのオチは救いでも最高のビターにもならずただの妥協でしかない。
同じオチでもささやかな約束をもっと前面に持ってくれば、夢物語だとしてもそれを提示出来るだけの熱さがあれば印象も変わったと思うが、残念ながらクレインが成長しきる前に物語は終わり、メインスタッフ3人も大揉めしているのであった。
基本土台は単独で作れる漫画や小説、ライター一人のエロゲと違って、アニメが予定通りに運ばないのは想像出来るけど、それにしても嚙めば噛むほどしみったれててしょーもねえと感じる作品も珍しいな。拙い作品でも、気に入った場合は何度も頭の中で転がしてると自分なりに意図に気づける事って結構多いんだけど、フラクタルは考えれば考えるほど何故?しか出ない。