※ネコのひとやすみのエンド3の暗転部分補完。ノリがアホくさい



  チクチクする下草の匂いと、ぴったりくっついたアルジェンのシャンプーの香り。ドキドキする香りの方に、ペロペロ身体を舐められていた。首元のケープこそ外されているが、下の上着はずり上げる形で、目立つ胸の赤い部分はもちろん、おへその辺りにも唾液の跡があった。今は胸の先端の柔い硬さを味わうのに夢中で、片方の先端さえアルジェンの長い指にいじめられているのだった。森に生えていたキノコの入った料理を食べたら急に押し倒されてこんなことになってしまった。もしかしてあのキノコが原因? 考えようとするが状況が状況なだけにそんな余裕もない。

「あ、アオイ……、ふう……ううっ……ここ! すごく可愛い……」
「にゃあん……」

 何度も触れられて敏感になった胸の先端をいじられて、子ネコの下腹は簡単に反応した。胸を擦られるたび、脚の間が切ない。アルジェンの長い髪を撫でて気を紛らわせても、サラサラした後ろ髪の感触がするだけで苦しい。

「 あ、あにきー、いきなり、どうしたの……?」
「わからん……だが、お前に触れていないと、泣いてしまいそうなんだ……」
 細めた目が本当に潤みそうなので、あにき大好きにゃんころはアルジェンを拒めない。チュッ、と口にキスをして、髪を撫でた。

「にゃー、あにき、泣かないで……」
「うぐっ…………」

 アオイの何気ない言葉や慕って触れて来るスキンシップは、アルジェンにとって成長する薬にもなるが時々毒にもなる。特に今の、所有物を犯せと酷い言い方で命令する脳みそをねじ伏せて優しくちちくりあっている状況では。

「そもそもお前がおとなしく受け入れたら泣かずに済むのだー!」
「にゃー、きゃー!」

 お尻を持ち上げられたと思ったら、パンツとズボン強盗に会って(遭って、ではない)しまった。ついでに靴も。脚を開かされ、整った顔が鼻息荒く中心部に近寄って来るのがすごく恥ずかしい。

「なんだこれは、なんだこれはー! 俺の宝物を探っていたらすごいオブジェを発見してしまったぞー!」
「にゃー、そんな見ないでー!」

 キノコとネコでラリったアルジェンの頭が、ピンと立ち上がったアオイのソレを見て素晴らしい語彙力を発揮する。多分今IQ1くらい。サボテンは2くらい。

「早速鑑定に取りかかる! んー……」
「ひゃっ……な、舐めたら、ぁ……」

 舌がネチネチと勃起したアオイのささやかな部分に触れていく。裏まで含めすぐ一通り舐め終わってしまう面積に物足りなさを感じるように、もっと敏感な玉の部分まで舌が触れた。プルプル揺らすように舌で触れられて、気持ちいいけれど敏感過ぎて少し怖い。

「あ、あにきー……それ、怖いよお……」
「ん? オブジェは立派な反応を示しているぞ……? 健康そのものだ」

 日の差す昼の森の中で、不健全な行動をしながら健康を褒める銀髪の青年は妖しくて現実味がない。ないのに触れられたところは気持ちよくて腰から下がグズグズにとろけていくようだった。

「こんなに反応がいいならここで他のメスネコも孕ませ放題だろうな……」
「……!」
「……もっとも。そんな虫どもに一滴たりともくれてやることはないが」

 ドロッと嫉妬や興奮で濁った目をしながら、アルジェンは未熟な小振りの性器を全て口に含み、吸い取る。独占が溢れ出た表情で全域を一度に吸われて、限界まで追い詰められた性器からピュルピュルッと精液が出たとき、今度こそ本当に身体が溶けたかと子ネコは思った。

「早いな……メスネコのことでも想像したか?」
「にゃー、違うの……」
「弟分なら兄貴以外の者のことを考えてはいけないぞ? でもアオイはオレの飼いネコでもあるからな、オレがキチンとわかるように躾ければ済むことなのだ」

 トロリとした冷たい潤滑剤がアオイの性器からその後ろまで伝った。そこからすくい取って後ろの穴に指を入れて行く。

「ほら、ここがもう、飼い主のオレが欲しいって締め付けて来るぞ……」
「にゃ、ああん……」
「っ、トロトロに鳴いてると本当にネコだな……」

 たまらなくなったように唇を奪うと、

「指だけでこんなに気持ちよくなるようなネコは、もう普通の交尾なんて出来ないな?」
「ニャー……そんな恥ずかしいこと……言ってもいいかもっ……」

 お腹の中をグチャグチャする指と、教え込むような言葉がメロメロ子ネコを更に素直にする。子ネコの素直さにますますラリった兄貴分は限界を突破したという勢いで子ネコを抱き上げた。

「わーっ、にゃー!」
「っはー……、はー……、なら挿れていいな? ここオレの、オレの、オレのだからな……!」

 もう目がすごくギラついて偉いことになってしまっている。鼻息がフーフー顔にかかって、抱き寄せる腕の力が強くて、太ももに当たるズボン越しの性器もガチガチで、アオイから見てもちょっと怖い。

「ひゃ……あにき、逃げないからぁ……落ち着いて……」
「落ち着けるかぁ!」

 ものすごい速さで取り出された完全に勃起した怒張が、理不尽な憤りのまま腕の中の矮躯の中に叩きつけられた。しつこく慣らされていたおかげで痛みはなかったが、激しい求めに子ネコの喉からカフッと息が漏れる。

「こんな可愛いのがっ、大切なのが、オレに、こんな……っ懐いて……、絶対、取られ……逃げないようにしないと……」

 うわ言のようにつぶやく言葉は全て、興奮の息とともにアオイの耳に直接吹きかけられてアオイの胸を締め付けていく。それだけでも兄貴大好きにゃんこには毒なのに、アルジェンは繋がったところからも、膝に乗せた子ネコをいじめ倒して来る。下から突き上げて子ネコが快楽と少しの恐怖で鳴いて喚くのを、頭に焼き付けるようにして見ていた。

「あっ……それ、スゴすぎい……ん、んん、あ、にき……ぃ、ダメ、じゃないけどお腹ひんじゃう、にゃああああ〜」
「ぬおーアオイ好きだ好きだ好きだぁ! わかるまで何十回何百回でも犯して絶対に受け入れさせてやる……っ、う、ぐ……!」
「ひっ!」

 お腹の中に押し入った大人の性器が更に膨張したのを感じ取った瞬間、身体の奥で熱くてヌメッとしたものが弾けた。ドロドロの体液がギッチリ押し込まれた青年のペニスと少年の内壁を伝う。異物が確実にアルジェンに犯されたことを教えて来ることに、アオイはどうしようもないほど身悶えしながら同時に射精した。

「あ、暴れるなっ……今更嫌がったって離さんぞ……!」
「にゃ、にゃ〜、ダメぇ、こんないっぱいあにきの気持ち受け取ったらジッとしてるの無理、にゃーっ!」

 気持ちいいのが全然収まらなくて、どうしていいのかわからないまま、子ネコは大好きな人の中でのたうちまわるように暴れた。半分は味見の時に食べてしまった欲望ダダ漏れキノコのせいだが、もう半分はアルジェンの行為と言葉が怖いほど嬉しくて激しく感じてしまったのだ。

「好きなんだ、オレの大好きなアオイ、頼むからオレを受け入れてくれ……」
「ま、また、お腹の中、硬く……にゃ、にゃああ!」

 反応を見れば(見なくとも)アオイがアルジェンの事をどう思っているのかなんぞ丸わかりなのだが、抱きしめて暴れられたことにショックを受けたらしいアルジェンは、なら暴れる気力がなくなるまでしてやろうと身体を動かし始めた。普段隠しているドス黒くて重たい気持ちが掛け流しになって、それをぶつけるのに夢中で肝心のことが見えていないのだ。

(あにきすごく余裕ないかおしてる……ボクにエッチなことしたくて止まらないんだ……)

 求めて来る勢いは全く変わらないが、元々相手がアルジェンであることと、二回目であることでアオイは行為に身悶えしながらもさっきより交わりを楽しむ余裕が出来ていた。必死に求めて来るアルジェンがすごく愛おしい。ギュッと抱きついて結合を深くしてから、そういえばあんな勢いで襲ってきたのに抱っこするような体勢でしていることに気づいた。

(きっとここじゃ背中が擦れて痛くなるから抱っこしてくれたんだ、あんなに辛そうだったのにのにボクのこと気遣って……)

 刻み込むように突き上げながら、なんども好きだ、好きだと言い続けるアルジェンに、アオイは軽いキスをした。

「……ボクもあにき好きっ……優しくて……あっ、んにゃ、でも、こういう激しくしてくれるあにきも、好き、全部好きっ……」
「……っ、本当、か?」

 汗ばんだ必死な顔に、拾われてホッとした犬みたいな笑顔が浮かぶ。思わず髪を撫でてしまうくらい、アオイにとっては可愛かった。

「う、んっ……にゃ、ひゃー、返事、最後まで言ってから続きしてっ……」
「う、嬉しいぞ……もうダメだ、好きでおかしくなる、首輪つけて閉じ込めてやりたい、アオイ、アオイ、アオイぃ……」

 このキノコを食ったら最後、内に秘めた欲の言葉を隠すことは出来ない。副作用こそないものの、効果が切れるまでずっとそんな調子になる。というばあちゃんの教えを、受け止めきれないほどの愛情をぶつけられ続けているアオイが気づくのはもう少し先のことである。

 まだキノコ料理の残りがあることに気づくのも、もう少し先のことである。