※とても頭の悪そうなノリ





ふわふわの雪が舞い落ちる道を、サンタクロースに扮するネコがやって来る。

「ジングルミャー、ジングルミャー、すーずがー鳴るぅー」

 大きな白い袋を抱えてご機嫌で歩いて来るネコの名前はアオイ。今日はクリスマスなので、兄貴分と楽しく過ごすべく色々準備していたのだ。

「にゃにゃーん! 聖夜の日にネコサンタ登場!」

泊まっているホテルの部屋のドアを勢いよく開けて、それから思い直したようにキチンと閉める。それからテーブルに座っているアルジェンに向かって持っていた袋を差し出した。

「ネコサンタにニャーニャー絡まれたあにきはこの中から強制的にプレゼントを選ばなくてはならにゃい! 覚悟するッス!」

 この前のクリスマスは「お前以上のプレゼントが思い浮かばない」と逆に爆弾級のお言葉をプレゼントされてしまったので、今回はアオイも少し考えたのだ。しかしテーブルについたアルジェンは俯いたまま袋の中を見ようともしない。

「あにきー、あにきー、選んで欲しいッスー、しがないにゃんころなりに一生懸命考えたッスー、あにきー」

 何故かテーブルの周りをぐるぐる回りながら、子ネコは兄貴分の気を引こうとする。何周かしてやっとアルジェンがプルプル震えながら顔を上げたのでアオイもキキーッとネコブレーキをかけた。

「……オレが欲しいプレゼントは」
「プレゼントは?」

 青い子ネコが首を傾げる。

「……お前だー!!」
「にゃー!?」

 ぶん捕まえるように抱き上げられたと思ったらベッドに投げ出されていた。あ、ここのベッドふかふかで気持ちいい。なんて言ってる場合ではなく、血走った目をしたアルジェンが覆いかぶさって来た。

「えーい何がネコサンタだ! 帰るのが遅いと思ったら悶絶するような格好と言い方でニャーニャーまとわりついて来おって! 今日という今日は許さん!」
「ん……っ!」

 嬉しいチューが、お酒くさい大人の味だった。そういえばテーブルに酒ビンがあったような。しかも結構強いやつ。

(ニャー……チューがねちっこいよう………)

お酒くさいあにきのチューをもっと味わいたくて、大人しく舌を出したらかぷっと甘噛みされて反射的に舌が引っ込んでしまった。でもアルジェンの舌は逃げたアオイの舌を許さず、自分より小さい舌と口内をベロベロ舐めて隅々まで味わってしまう。コクリ飲み込んだ唾液がお酒っぽくて頭がボーッとする。

「ふにゃ……はあ、ミャー……」
「フーッ……フーッ……オレだけのプレゼントなのに、包装が邪魔だ! 包装が!」

 ギラリと光るナイフを取り出された時は流石のネコも怖かったが、アルジェンに「大人しくしてろ」と頭なでなでされた通りジッとしていたらすぐに服を切られて終わった。刃物はよく切れるものの方が危なくないのだ。アルジェンが一生懸命研ぎ石とかでシャコシャコしてるところをニャーニャーすごーいどんどん綺麗になるーと言いながら見ていた日常の光景がよみがえる。

「こんなにボロボロの服じゃもうプレゼントなんて届けられないな?」
「にゃーん……(他に届ける予定なかったッスけど)酷いッス……」
「グハッ」

 古着屋で300ツナくらいだったのでまあどうでもよかったが。そこは気分というやつだ。ノリノリで目を潤ませながらアオイがボロ切れと化したサンタ服で理不尽を訴えると、酒に酔った青年は可愛い子ネコにもすっかり酔ってしまった。

「酷いとは何事だ! 貴様が魅力的な格好で選べと言ったから選んでやったんだろうが! もうこの包装の中身はオレのなのだ!!」
「ニャーン♪ たすけてー」

 助けてーの部分だけ棒読みでアオイが訴えるが、誰もそんな願いは聞き届けなかった。

「ムフーッ……フフーッ、こ、ここも好きに使うからなー……フーッ……フハハハハ……」
「ん、ふにゃ……」

 トロリとしたローションを塗った指が身体の中に入って来て、予告通り本当に好きにされてしまう。片方の手が開かせた太ももを撫で回しながら、お腹の中も指でグチャグチャかき回されている。レイプでもするみたいに破った服がアルジェンの興奮を高めているようで、余すことなく手をアオイの身体の上で、中で自由にしながら、荒い興奮の息が止まっていな
い。アオイ以上のケダモノ顔でベタベタ触って来るアルジェンに、アオイも幼い性器を触られもしないのに期待勃起させて、興奮が抑えられなかった。

「あ、……にゃっv、あにきー……」
「ムフー、フガーッ、なんだ、オレは今プレゼントの調査で忙しいのだ、フー……」
「もっと……ボクを好きにしないんスか……?」
「もっと……?」
「ふにゃ……う、うん……vv その、あにきのズボンの下で膨らんでるの……ボクにぶつけないの……?」

 もっといっぱいアルジェンに構って触られたかったが、思いっきり迫られたせいで身体が抑えられなかった。紗幕のように降りるアルジェンの長髪にじゃれつきながら、ゴロゴロ喉を鳴らして思いっきり甘えて見せた。

「今日のボク、あにきのプレゼントだから、好きに使って欲しいッス♪」
「ブッ!」

 日常的によく研がれたマメなナイフで切られた、強姦後みたいなボロを着た子ネコの甘えはネコ大好き兄貴分の股間と鼻の血管にクリティカルヒットした。ブツッと理性か何かが切れた音さえ聞こえた気がする。

「うるさい! オレのプレゼントだオレの好きにさせろお!!」
「ひゃにゃっ!?」

 指を出し入れする動きがすさまじく乱暴になり、破けた服から覗く素肌をジロジロ見る粘っこい視線がますます露骨になった。溜めている精液そのものみたいなベタベタした動き。
やってることは変わらないのに全身が精液まみれにされたような粘っこさだった。おそらくアルジェンも頭の中でアオイをそうして汚す想像をしているのだろう。それが触れる手つきや視線に今や全部丸出しになっているのだ。

「最高にスケベな弟分ネコだ、セクハラモフモフしてハアハアするヒマもない!」

 挑発され過ぎて完全に変態になってしまった青年が迷言を残しながら、指を引き抜き自身の欲望をおぼつかない手つきで取り出す。青くスジがぴっちり浮いたそれをフウフウ押し付けながら狙いを定めて一気に押し進めた!

「何が聖夜の日だ! メチャクチャに弟分ネコレイプしまくって性夜の日にしてやる……! ウウーッ!!」
「う、にゃーん……vv、あ、もう、ボク出ちゃう、無理やりされて出ちゃう……! あ、ひゃ、ニャー!!」

 グチョ! ヌチャ! ビュル!
 ガチガチに勃起したペニスの一突きで、期待に震えていた子ネコの性器が暴発した。可愛い赤っぽい性器からドロドロ生々しい精液が出るのを見て、アルジェンの上がりっ放しの興奮が更に加速する。

「ムハーッ! 即レイプで即射精とはケモノらしい淫乱さだ! 続けて強姦して淫らな本性を暴いてやるのだ! フンッ! フンッ!」
「あっ! にゃっ! い、イッたばっかだからぁ……も、もうちょっとだけゆっく、り、あ、アアッ!!」

 言ってる方も完全なるエロ脳ケモノ状態で、動物のように腰を押し進めては引き抜き、また狭い肉洞へ根元までねじ込む。犯しては引き抜き、犯しては引き抜きの勢いにアオイの中のケモノも身体の奥から無理やり引き出され、また性器が立ち上がって来てしまう。

「またちんちん膨らませおって! オレはまだ一回も出してないのに!」
「……あぐっ! あ、にゃ、が、頑張って、あにき、ボクのネコ穴、いっぱい使って……いい、からぁ」
「言われなくても強姦射精してやる……! お、お、うおおおおっ!!」

 ペニスへ抱きつくように締め付けて来るアオイの内部に向かって、サンタ服でじゃれてきた時から噴き上がっていた性的欲望を亀頭を押し付けながら爆発させる。

 グビュル! ビュル! ビビュ!

「〜〜ニャーッッ!!!」

 中からにおいが立ち上って来そうなほどの濁流を噴出されて、アオイは動物らしい声をを上げながら二度目の射精をした。

「くぅ……エロネコの射精声聞きながら射精! ハーッ、ハーッ、可愛い、かわいい、フー……」
「か、身体今触るのダメ、にゃ、にゃっ、あ〜〜ッ!!!」

 精液を吐き出しながらスベスベの肌に手を這わされ、アオイが悶える。射精が終わって柔肌の蹂躙も終わったとホッとしたのもつかの間、

「ニャッ! あ、ひゃ〜〜!」

 ズルズルニュプッと名残を惜しむように引き抜かれトドメを刺された。脚の間から精をこぼしながら痙攣しっぱなしの少年に追い打ちをかけるように、アルジェンは囁いた。

「ッく、フーッ、フーッ……これだけ誘っといて、まさかこれで終わりだと思ってないだろうな………」

 荒い息のまま手を伸ばして来るアルジェンに、子ネコはまだこの獣の性行が終わらない事を知った。
 


 懸命に逸物をしゃぶるアオイを急かすように、ジャラジャラ鎖が引っ張られる。アルジェンの手に握られた鎖はアオイにつけられた首輪へと繋がっており、前に引っ張られるたびに小さい口内の奥へ亀頭が押し付けられてアオイは辛い思いをする。しかしすっかりアルジェンとの体格差セックスに慣れた身体は、たくましい剛棒を咥えているだけで先ほどまでのまぐわいを思い出し、未だ精の残る後ろの窪まりも前の愛らしい性器もヒクつかせてしまう。

「うまそうに舐めるな……これじゃネコサンタじゃなくてただの淫乱ネコだ」
「ん、むっ……」

 酷い言葉にも身体が反応して火照ってしまう。それだけでなく戯れに頭を撫でられるだけでも嬉しい。髪の毛がクシャクシャになるやり方が特に好きだ。言われた通りの淫乱な舌の動きで、尿道の先端を舌でつつくようにしたり、どこまで口に入るか試すように口いっぱいに入れたり。

「っ、くぅ……! 毛糸玉でなくちんちんで遊んで……! このエロネコめ!」
「んみぃー……」

 遊んでるんじゃなくて頑張って咥えきれないモノを奉仕しているのに、頭まで押さえつけて酷い事を言われる。一生懸命なのが通じて欲しくて、アオイは中にダマのように固まっいるであろうドロドロの精液を組み上げるように吸った。

「うおおおっ! 出る!出す! エロネコの口穴汚す! 飲め! 飲めえ!」
「んん〜〜っvv」

 ドピュドピュドピュ!
 一度射精済なのを感じさせない量と粘度の精液がアオイの口内に注がれて、口の中がパンパンで突き抜けるにおいもすごくて一瞬で脳みそがピンクに沸騰した。命令通りに飲み込んでいくと胃の奥まで犯されているみたいで臓器から身体が発情していくようだった。

「フウーッ、フー……エロネコまだまだ犯すぞ! こっちからももう一回飲めぇ!」
「ニャーッ、うん、あにきの、飲むぅ……もっと、欲しいっ……」

 ベッドの柱に鎖の持ち手をくくりつけての拘束セックス。押し込む時の動きが所有物を扱うものすごく乱暴な動きでアオイの息が詰まったが、それにも構わずアルジェンは子ネコの身体を割り開いて自分を擦りつけるように腰を押し、揺りうごかす。

「目の中に入れても痛くない弟分ネコっ………無理矢理監禁拘束レイプしてっ! ああ……、最高のクリスマスプレゼントだ、ううっ、フーッ、フーッ、フーッ」
「あ、あぐっ! ひゃあああああっvv にゃあああv あーにきぃ、ボクもう繋がれてるからもっとゆっくりしても平気、にゃあああんっ」
「そうやってオレを悶絶させて油断させる気だろう! 逃げても忘れられないレイプしてやるっ、うーっ!」

 正確に言えばアオイがしっぽを振って喜んでいるので強姦は成立していないのだが、テクニックも何もない貪り貪欲セックスは一周回って弟分ネコには毒だった。

「ああ、アオイ、すまん、な……でももこうしないと、もう頭がどうにかなりそうで、ああ、アオイ……好きだ……」
「んっvvニャ、いいんスよ、ボクあにきの飼いネコでプレゼントなんだから……v」

 ある種の毒だというのに、それが甘くて、気持ちよくて、アオイにとっては優しくもあって──。酔っ払いのの変態奇行を止める気も起きないのだった。

「ボクもあにきのこと……だーいすき♪」
「……! アオイ……オレもだ、アオイ……」
「にゃあ、あ、お腹でいっぱい、出て、……ミャーvv」

 身体の奥の奥まで犯されながら、子ネコは幸福に満ちた顔で射精しながら悶え狂った。



「あにきとイチャイチャにゃんにゃんしすぎてだるくて立てにゃい」
「……ああ、当たり前なのだ、返す言葉も合わせる顔もないのだ」
「そこであにきにそっぽ向かれると主にネコが寂しい」
「ええーい人の気も知らずに背中をツンツンしおって」

 ほっぺプイプイプニプニの刑にしてから部屋に備え付けのお風呂に一緒に入って服を着せて、愛用の魚の骨柄毛布をくるくる巻けばネコカイロの完成だ。カイロ自身も暖かい利点あり。

 ネコカイロを持ってアルジェンはベランダに出た。地上四階、部屋ごとに区切られたそこは街一帯が見渡せて、夜が更けた今は空の星がいっぱい見える。

「そろそろだな」
「?」

 アルジェンの言葉を合図にするように、うすぼんやりとした街灯や家庭の灯りが散らばるばかりだった街に、一つ、二つ、三つ。ポツポツと光が生まれていく。赤や黄色、青や白の色をした光達は仲間を呼ぶように街全体に広がっていった。まるで空の星を鏡写しにして、いたずらっ子が無邪気に色をつけたみたい。

「わー! お星さまが街に落っこちたみたいッス!」
「このカジキシティは、クリスマスの時期になると名産のヒカリゴケを魔法で品種改良して作った灯りで街をライトアップするそうなのだ。出店なんかも出て盛り上がるとか」
「だからクリスマスにはここに行こうって言ってたんスねあにき! 流石あにき!」
「弟分を祭りに連れていけない身体にしなければなお良かったのだがな!」
「でもみんなお祭りに出かけちゃうから、今高いところからの眺めは多分ボクとあにきとで二人じめッスよ! お宝独占ッスね!」
「……フフッ、そうだな。二日続けてやるそうだから、今日はお宝を独占して、明日は二人で行くのだ」

 綺麗な景色と、髪を撫でる大きな手。みんなが行くお祭りよりも二つのお宝を味わう方が、子ネコには楽しいクリスマスなのだった。

「あにきといっぱいにゃんにゃんもしたし満足!」
「ゴフッ!?」