クッソ性格の悪い、ねじ曲がった偏屈老人・大貫はある日入院している病院でパコという純真な少女と出会い……という約束された感動系小説。元になった別作者の舞台脚本があって、それを長編小説に書き下ろしたものらしい(この小説のストーリーのまま映画にもなってる)。




まあこういうどっか憎めない偏屈ジジイ好きだから評価めっちゃ甘くなるやつよね。しかし中盤反省して変わるところがちょっと急な感じするのは惜しい。パコが大貫のじいさんにとってなんとなく特別っぽいのは見えるやつだから、まあ納得だが。大貫のじいさんは前半ガチで性格悪いので、ダメな人はダメかも。私は好きだけど。

「お前が私を知ってるってだけで腹が立つ」だなんて言ってたクソジジイ大貫の口癖が、パコの設定と合わせて切なく輝くのは良い。全体的にちょっと困った人達が力を合わせて少女のために頑張るという王道な良い話になっていて、後半は素直に感動できる。登場人物達のキャラ設定が、劇中劇に合わせてしっかり考えられてる感じ。手堅く感動出来る。

映画もそうだったんだが、各キャラ達のエピローグがないのは惜しい。でも普通に良い話だった。
2023/06/24(土) 14:18 作品感想 PERMALINK COM(0)