やきにく亭
～キャベツを添えて～

基本的には落ちモノヒロインと守銭奴主人公とその他周囲キャラのドタバタコメディでまともなラブの気配もない作品だが、根本の設定が割と恋愛的にガチな感じ。なかなか運命的。全然そんな空気はないが、チヅちゃんにデートに誘われた時、極々自然にシアンも来るとか言っちゃった事、終盤シアンを助けてやりたいと思った事、ここら辺が八幡の答えなんだな……。普段なんでこんなやつがモテるのか不可解過ぎたが、なんだかんだと面倒見がよく、シアンがどんな子かもよく理解している彼が人モテするのは当然であるかもしれない。

ギリギリ読み終わった……妖精作戦どうしようかな……おとなしくこっちは買おうかな……。

プロメテウスの想区読み終わった辺りで「最高！グリムノーツ完！」ってなった。一番読みたいところがココに詰まっていたから……。この後もずっと面白いんだけど。しっかしやっぱ少女性、少女の感性に意味がある部分と王子様うんぬんがやっぱりグルグルに感性が近い作品だな……スクエニ系列とか当時アニメやってたとかそれ以上の引き合う運命性を感じる……。実際グリムノーツには同じ（或いは、性質が近い）ストーリーの世界やキャラクターは引き合う性質(スタンド使いは引かれ合うみたいなやつ)があるしな。衛藤先生がシニカルで良い人でギャグ作家で熱血が苦手じゃなかったら（そっち方面では四重区状態で草）、多分グリムノーツみたいな熱血恥ずかしい系になっていたのだろうな。しかし機械仕掛けの神の解釈とか死ぬほど好きな奴だなコレ……。良い意味で恥ずかしい～！よくこんな素敵で恥ずかしいテキスト書けるな……。ほんまもんのロマンティストの本気を見せつけられたわ……。グルグルや覚悟にも負けない。

エクスは第二部のが断然好きだなぁ……。まさかここまでレイナに対して答えてくれるとは思いもしなかったし。ぶっちゃけシナリオもこなれてなかったような序盤のドン・キホーテの話が騎士道物語の話でめちゃくちゃいい話として生きて、その絡みでエクスがカッコイイ台詞吐くのは心底惚れたし泣いたわ。キャラの今までを踏まえた言葉と行動を取らせるのが上手過ぎる。

あと全体的にこの作品って女子のがモテるよな……。恋愛絡みじゃないの含めても。「好き」とは死んでも言わないが、言動で絶対ヨハネがカーリーの事好きなのがわかって切なかった。恥ずかしい台詞を本気の言葉で言える男いいわぁ……。理事長「代理」にこだわるのって、カーリーの事好きで一生リスペクトしてるからだよな、コレ……。そしてそのカーリーは多分エクスの事好きってのが……（彼女も墓まで持って行ったやつだったが）カーリーがエクスと再会して話す時、傍らのロキが複雑な顔で視線反らしてるの上手いよな……。

エクス君はレイナ一筋を貫きつつ真っ当にモテるのに、何故かレヴォル君はモテないよな……（少なくともメインストーリーでは）なんでだろ、私はレヴォル君のがより一層好みなとこあるんだけどな。第一部は群像劇しつつも割とエクス主人公っぽかったけど、第二部はもうほとんど完全に群像劇ってのもあるのかな……。エレナと真っ当に絡ませるのに忙しくて、あんまりレヴォル君のモテ描写とかやる暇が多分ない。

でもそういうメタ考察置いといても、エクス君よりレヴォル君がモテないのはなんとなくわかるような……。レヴォル、真っ当にいい男ではあるのだが、エクスほど人懐っこくない。エクスのような一般人脇役の素朴さはなくて、ガチの王族で第二王子だから、結構堅物で頑固な側面がある。(いうて頑固ってのも、国が荒れてて人が不幸だと王族視点で目に余るとか真っ当な理由なんだけど)。ドン・キホーテさんみたいな困った人を、なりゆきではなく心から気に入ってたエクスほど、誰にでも人懐っこくて人好きじゃないよね。故郷にも恋愛ではない大切な女の子が二人いるけど、どっちかと言うとエスケイプスピイドの九曜寄り。

そんなレヴォルが、急にティムに対して男の友情方面で熱くぶつかり合い出したのは不意打ち過ぎて萌え散らかしちゃったよな……。おいおい、男女カプ厨＆男子の秘めたる切ない失恋大好きグリムノーツに男同士とか全然期待してなかったのに……。どしたんグリムノーツ君？話きこうか？

レヴォル「このクソシニカル野郎！バーカ！(要約)」
ティム「この綺麗ごとお坊ちゃん野郎！バーカ！(要約)」

みたいな小学生のケンカを殴り合い付きで始めたのは流石に笑うがな。

やっぱ私、ゴリッゴリの男女カプものに不意打ちでちょっと男同士の萌える関係入る方が好みなのかもなぁ。やっぱり本気で愛した女がいる男って魅力的だからなぁ……ガチＢＬ萌えまでいかないのが逆にいい。

グリムノーツ君は確実に魂が女性向けなのだが、腐女子や夢女子が単体でゴリッゴリ萌えするような意味の女性向けじゃないから難しいとこだな。私はこのラインが一番好きだが、このラインは一番ウケないのだ。グリムノーツの女性向け感覚ってのは、出て来る男子が全員女子に紳士で、この物語も女の子の為に語られる童話的側面があるって、そういう感覚だからね。いうなればアリスと同じ。実際作品本編でも、アリスとルイスキャロルが引用されているけれど。

グルグルが女子に人気があるのって、やっぱここら辺の感覚だよな。ボツ設定みたいな感じで、ククリが勇者と冒険する物語の為に魔王を作っちゃった、なんて話が無印の終盤に出て来るけど、アレってやっぱりメタ的には正しいんだよな。アレは少女ククリの為の物語だから。

アリスが友人の少女の為に作られ、語られた話であるのを筆頭に、同人ゲーのPetit Fleur ～風吹く街のメロディとか、グリムノーツとか、乙女ゲーラインでもなく、男子が女の人を喜ばせる為に作ったような感覚の話が好きなんだけど、探すの難しいな……。っていうかまた読まないとわからないやつかよ……。

風吹く街のメロディ、同人サークル内の女性スタッフの要望を取り入れて作った話って裏話を読んで、本編だけじゃなく経緯まで萌え散らかしたんだけど、これを今更中古で掘ってプレイするような人は、ほぼほぼエロゲ系男子しかいない事が悔やまれるな……。スタッフもエロゲ系だし、同人ノベルって乙女とかＢＬ系以外は大ざっぱに男性向け的な感じだし。経緯からしても、美しく素朴な少女漫画メルヘン的本編も、女子に読まれるべき作品なのに……。こういう空気が一番好きだけど一番自分で書くのが厳しいのが悲しいな……。男子の天然すぎてド三流には再現が厳しすぎる。

なんかよく雄みのある男出て来るよ、とかバリッバリのスパダリ出て来るよ、みたいな布教の仕方見るけど正直あんまりピンと来なかったのはこれか……って記事をまとめながら気づく。物語が醸し出すほんのり女性向けの空気が好きだから、そういうキャラだけぶつ切りバラ売りを求めていない。というかなんでもスケベな男、スパダリでくくるのもなんか面白みがないし……。キャラビジュアル見ただけの私でも適当に言えそうなやつだし……。まあそっちのがわかりやすいしそういう風に言われて食いつく方が大多数なんだろうけど。

そもそもこの「乙女でもＢＬでもない女性向け空気」あるんだけど抽象的過ぎるし、人口も少なすぎるから言語化してる人を見かけない。今だと外で言ったら乙女向けとかＢＬとかをバカにしてんのかみたいな、中傷的に繋がる面倒くささもある。いや乙女もＢＬも見るけど、具体的に検索を絞る時には邪魔な時はやっぱりあるんだ……。

アニメのsolaを検索しようとするとソラトロボが出て、ソラトロボもプレイしててむしろ好きな作品なのに今は邪魔に感じる、そういうことはあるんだ……。（どっちの作品もマイナー過ぎて、例えがわかりにくいよ……）

後で気づいたやつ




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すごく素敵な癒し系ファンタジーだった。キャラクターがみんな好きだなぁ……。主人公きりん君が等身大に、不器用に大切な女の子のなるみちゃんを想う心理が美しくてホロリとした。遊園地デート回好きだな～。レナとなるみちゃんの女子同士の友情も良い。

ほぼ全キャラ優しい心理が独自の癒しと穏やかな空気を醸し出してて、すごく……作者の優しい人柄を感じます……。ななかは多分描いてて辛かった部分ありそう。個人的にはこれが一番好きかな……。ままならない時もあるが、みんなが優しさでもって行動をする辺りが穏やかな人間＆異種族交流賛歌って感じ。セリフ回しも時にファンタジーらしく詩的でホロリとする。全三巻で綺麗にまとまっていて、派手さはないけどとてもいい話だった。最推しが素直にきりん、主人公と言える作品はやっぱり良い。

そんなにハーレムが好きってわけじゃないけど、魔ロキのロキがモッテモテなのは当時から気にならなかったし、今読み返してもどの女子もカワイイ。

なんかやっぱハーレムは女性作家が、逆ハーレムは男性作家が描く方が好みなんだよな……。なんでだろ。

面白かったんだけど、ちょっと終盤は残念かな……。




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