うんちくと翻訳者のネタバレが多い。



冒頭何十ページも鯨が出てくる書籍の引用が続いたのには若干苦笑いした。いや、ちゃんと読んだらだいぶ鯨というメインテーマに洗脳されていると感じたし、そうやって鯨物語に引き込む意図もわかるんだけど、正直人によっては飛ばしてしまうのも手かもしれない。ぶん投げちゃうよりはね。その後も元捕鯨手だった神父の演説が延々と続いたり、語り手のイシュメールとその相方となる人喰い人種の王子クイークェグがイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ、仲良く同じ布団で抱き合って眠ってあつーい友情をはぐくんだり、クイークェグが「これで俺達は夫婦だ」とか誓ったり(これは俺達は親友、的な意図なんだけども)、なんというか、色んな意味で何を読まされてんだ。って感じた。ぶっちゃけクドいけど上手い文章や人物描写で思ったほどは退屈はしないんだけど、話としてはこの巻の終わりの方でやっと鯨狩りに行くぞ~!って感じで、話はさっぱり進んでいない。大部分は面白いと思ったけども、若干語りのくどさにお腹いっぱいに感じる事はあったかもしれない。あと翻訳者の解説や人物紹介がネタバレ過ぎるように思う。コレは飛ばしちゃってもいいかもしれないなぁ。

この巻だけだと「作者の鯨語りに洗脳されました」「イシュメールとクイークェグの友情萌え」くらいしか特に感想はないな。
2023/07/20(木) 18:58 作品感想 PERMALINK COM(0)