エロゲのクレッシェンド〜永遠だと思っていたあの頃〜で、主人公が後輩女子にプレゼントされてた小説。気になって読んでみた。




児童書なんだな、これ。そしてタイトル的にファンタジーっぽいけど、どっちかと言うと得体のしれないホラーだな。時代も多分、昭和。電話を借りたり、火をかけたまま出かけて大家の人に火の番を頼んだり、昔の気安さの描写がある。実際書かれたのもだいぶ昔みたいだし。

巻き起こる現象にはいちいち説明がされることはなくて、ひたすらに不気味、そして難解。

物語的にも終わった感じがあんまりしなくて、スッキリしない。光車は全部で4つあるということだが、結局三つまでしか集められないし、最後も不吉に終わっちゃう。何度も絶版になっては復刊されてるみたいだけど、続編はないのかな、これ。

挿絵も上手いけど不気味。想像を助けるどころがますます分からなくなりそう。

不気味な異世界?でヒロインのルミちゃんを助けてくれた、謎の土色の人達は好き。ルミちゃんはこの人達を懐かしく感じていたが、ここも特に回収されないんだよな……。死んだお父さんが助けてくれたのかな?とか考えたけど、結局なんだったんだろう。

面白い部分もあるけど、個人的には少し取っつきづらい感じがしたかな。大人が読んでも難しい気がする。児童向けとしてもちょっと癖がある感じ。正直に言うと未完っぽい感じがしたけど、多分ジャンルとしてはホラーだからな……。作中のわからなさも終わってない感じも、多分わざと&仕様と考えたほうが正しいと思う。
2024/01/13(土) 15:15 UNARRANGEMENT PERMALINK COM(0)