人間関係や思惑が錯綜しまくって面白え〜!




前巻は準備巻でこれといった感想が言いにくかったが、今回は人間関係も問題も動き出して面白え〜!

元カレと元カノ関係であるダングラール夫人とヴィルフォールが赤ん坊を埋めた(のに掘り返されて生きてるらしい)ってのを相談しあってる時、誰にもあのこと言ってないよな?寝言も言ってないよな?って夫人を問いつめた時「私ぐっすり眠ってしまいます、その事をお忘れになって?」って返して一瞬めっちゃ気まずくなるくだり、上手い。とても元カノ元カレの空気が出てる。

ここら辺の元カレ元カノの空気はモンテ・クリスト伯とメルセデスのくだりも上手い。二人きりで庭の果汁園のあるとこに腕組んでデートしに行ったのに(多分お国柄と時代考えたら紳士が婦人をエスコートすんのは色濃い考えずとも当たり前だろうが、コレは恋人の空気の暗喩だろう)、メルセデスの差し出す果実をモンクリ伯は受け取らない。受け取ってもらえんから、メルセデスも果実をもいでは地べたに捨てるのを繰り返して、しまいには泣きながら戻って来る。

上手いとは言ったがここら辺のモンクリ伯の心情はハッキリとはわからん。自分を置いて結婚した彼女に仕返ししてんだろうな、とか推測は出来るが。ダンテスがモンテ・クリスト伯になってからは全然心情に潜って行かないからなあ。わざとなんだろうけど。

他の男をダングラールが気に入ったから、本来の婚約者のアルベール君にめっちゃ冷たくしてるのに、アルベール君も元々気乗りしない縁談なもんだから、むしろめっちゃ嬉しそうなの見て父親もアレー?ってなってるのとかも笑える。

また別の家庭の縁談で、ヴァレンティーヌとマクシミリアンをくっつけて今起きてるフランツ君との縁談を破談にする為、ノワルティエ老人が一世一代の必殺攻撃の秘密を打ち明けるくだりも熱い。

ヴァレンティーヌとマクシミリアン君はめでたしめでたし……と重いきや、また一波乱あって目が離せない。面白いな〜。

しかし登場人物が増えて頭が混乱するから、メモ取りながら読むべきだったな。
2024/01/30(火) 05:45 作品感想 PERMALINK COM(0)