下品



貫一は被害者という主張側にいるけどさ、それにしてもアイツもさぁ、満枝がいやならどっかのあとくされのない遊女とかでもいいからどっかで童貞捨てて一度冷静になるべきだったと思う。多分アイツ童貞だろ。いや別に童貞なら童貞でもいいんだけど、アイツの場合は童貞を拗らせすぎて処女厨過ぎてダメなとこがあるからつまらんと捨ててもいいから一度くらいは女遊びでもするべきだった。

女遊びがダメにしても、なんか他に趣味とか見つけるべきだったと思う。復讐譚と言っても具体的に宮カスの家を闇金の人脈とかで落ちぶれさせるとか、「誰を愛そうがどんなに汚れようがかまわぬ最後にこの貫一の横におればよい!!」理論で宮カスが処女を他の男にあげちゃっても気にしない、どんな手段を使っても宮カスを手に入れようするわけでもないし、ただ「ふーんだ僕怒っちゃったもんねー、絶対許さないもんねー」くらいのノリで闇金なんかやってるからなんだかよくわからん。

100歩譲って具体的なプランはなかったにしても、闇金の仕事しててお金あるんだから、クズはクズなりにお金で人生楽しもうとくらい、一度くらいは試みるべき(おいしいもん食うとか旅行とかその程度でもいいから)なのに、それすらないからやっぱりわけがわからない。

とか言ってるうちに貫一もわけがわからなくてすっかり好きじゃなくなってしまったな。愛する女が死んじまったってわけでも女側が嫌だったのにネトラレ展開になったとかでもなく、普通にただ女側が100%クズで俺を捨てちまった、ってだけだから宮カスをなんでそこまで引きずるのかもわからんし。文豪の文章が激ウマ過ぎるからなんか説得力があるかの如く読まされちゃうけど、キャラとキャラがホレたハレたに具体的なエピソードが無さ過ぎて、全く説得力がないよなこの作品。宮カスはまぁ小さい頃からの許嫁幼なじみだったって事で童貞貫一が捨てきれなかったのは推測出来なくもないが、それも状況証拠で察しろと言う感じだし。満枝が本当よくわからん。男もホレてホモい関係持ちかけられるほど貫一は美形だそうだから、「キャッこの人イケメン過ぎぃしゅきぃ♡」からの、ビックリするほど相手にされなくて逆にムキになっちゃった感じなのだろうが、コレも推測に過ぎないし。それで読めちゃうから1000%実力でやってんのになんかずっりぃな~って感じちゃうの、自分が単純な読者かつド下手くそな素人作者だからですかね……。

自分が読者側の時、上手くっても世間で有名作でも(最低ラインとして、アニメ化くらいはしてる)合わない時は怒りと不快が勝つことばかりだったから「自分と肌が合わない時点で作者の技術なんかなんの意味もない」みたいに思ってたとこあるけど、コレに対して怒りと不快がギリギリ勝たなかったのは間違いなく「文豪の文章力」しか勝利要素がないからやっぱり技術って大事だ。今までの作者は私みたいなクソカス読者すらねじ伏せるほどの技術がなかっただけだわ、例え有名作人気作だったとしても。っていうか冷静に、客観的に見ても下手くそな要素あったしな。

私みたいなのでも誰かに見てもらうこと自体は可能な現代と、すさまじい技術がなければ後世に記録が残る事もなく、(例えばネットが発展している現代なら、売れなかったソシャゲでも存在した痕跡くらいは拾えるだろう)そもそもどこかに載せてもらえる、誰かに見てもらえる可能性を作る事すら困難なインターネットのない時代とじゃ全然上手い判定のラインが違うわ本当。まあ現代に残る有名作でも、逆に感覚や発想が古すぎてついていけない、面白くない時もあるけど……。こういうケースもあるんだなって事で本当革命的な読書体験だった。嫌いか好きかなら絶対嫌いって言うけど。
2023/08/28(月) 05:59 作品感想 PERMALINK COM(0)