買ってから気づいたけど「ファルタモルガーナの館」の作者じゃん。やったことないが。

読み進めて行って「本っ当に胸糞悪い話だな!!」と思ったしかなり終盤までそういう印象だった。視点の違いを上手く使った巧みな構成の物語。本当に読んでいて嫌な気分だったのに、読み終わった後の安堵がすごい&顔が怖くてキモくてロマンティストで無力で、でも好感が持てる人柄の青年、ドゥドゥの萌え萌えっぷりがすごい。読んだ自分も、おそらく作者も。

彼は良い人だけどスーパーヒーローじゃないし損な役割と思ったけど、その不器用ながら優しい人柄がまさに「生きた」流れになったのはここまで読みながらずっとゲェーッってなってたぶん、本当に良かったなあ……って思った。

無力で一途で苦しい、青年と少女の愛の物語だった。でもやっぱ道中はキツすぎた……ラストまで読んだら評価が変わったが、ヒロインに1度ならともかく2度もあんな描写入れちまうのは流石にどうかと思うよ。黒幕みたいな黒さなら大歓迎だけどさ。

とても面白いしとても良く出来た話だけど、胸糞悪いのは確かだし人に手放しで勧めたい作品じゃねぇなあ……ドゥドゥは萌えるしラストは素晴らしいが、それだけで道中のお釣りが帰ってくるかというと……。胸糞のターンのが多すぎるからなあ。(コレ以外やりようがないのもわかるが……)続刊も買ってあるから読むけど、ちょっと後回しにしとくかな……。やっぱり今はちょっと胸糞を踏まえて作品楽しめる気分じゃないみたい……。児童書辺りを読むべきかなあ。

しかし気分わりぃのは確かだが、やっぱ技術があると多少軽減されるなあと思う今日この頃。
2023/08/30(水) 03:07 作品感想 PERMALINK COM(0)