フライデイ可愛い。





フライデイ可愛い。お父さん大好き過ぎて、久々に故郷に帰って来たけど、お父さん高齢でもう亡くなってるかもって安否確かめられないし、普通に生きててメチャクチャ喜んでたのも可愛い。

それだけに下巻の彼の扱いにはガッカリだよ……。あんまりだと思ったし、読むの投げようかとすら思ったよ。結局全部読んだけど。一応ロビンソンは落ち込んでたが、その後思い出しもしないしフライデイ父の描写がないのも気になるし、なんか扱いが……昔の作品らしく、あっさりな気がする。

今読んでもなかなか生々しい、女中の体験した飢餓体験の語りとか、僻地に流された罪人貴族との友情とか、この後も面白いシーンは結構あるんだけど、正直流石になっがいなあ……と感じる時が多かった。どんくらい長いかと言うと、そもそも本の前書きに「長いと思っても削ったバージョン出そうとか思うなよ」的な事書いてあるくらい長い。

宗教的なターンになると、どうもついていけないところがあるし。異教徒、異民族の嫁をもらって、優しく説き伏せながら一緒にないがしろにしてた自分の宗教に目覚める元悪党の男とかは普通にいい話だと思う。が、旅の途中見かけた異民族の異教の儀式を見て、「異教徒キメェ!(要約)」ってだけで、そこの人らが大事にしてる偶像ぶっ壊してるくだりは普通に「ロビンソンの方がクソ過ぎやろ」としか思えんかった。そら異民族も切れて上にチクるし、万単位の軍勢で追っかけてくるわ、アホか。同行者も「ロビンソンに同意だわー(要約)」でぶっ壊すの協力すんな、そっとしとけ。このシーンの前に、自分から見て異教徒だろうと蛮族だろうと、自分の宗派隠して結婚式も挙げさせてあげるし、相手の尊重が先に来るぐう聖神父が出て来たので、尚更である。古い作品なので仕方がないが、ナチュラルな異教徒異民族差別(それも超理不尽)も多く、読んでてついていけないターンがしばしば。

暴力的な部分も含め、ついていけない宗教のターンは、何らかの宗教の信者のする冒険要素みたいなもんなんだと思うが……。聖職者じゃなくても、布教行為は旅する信者は当たり前の日常みたいな? 多分そんな感じなんだと思うけど……。何にしても読んでて反応に困った。

しっかし70過ぎまで楽しく冒険し続けたロビンソンは根っからの冒険家なんだろうね。自分でも制御出来ない言ってたし。そんなロビンソンが、奥さんの健気さに彼女が生きてる間は冒険心も収まっていた、という冒頭のシーンはちょっと萌えた。結局彼女が亡くなったら平凡な日常にうんざりして冒険に行っちゃったけど。ロビンソンの冒険家っぷりは、「千一夜物語」のシンドバッド以上だな。シンドバッドは最後の方になると冒険に出るのが嫌になってたからね……ww
2023/11/29(水) 19:33 作品感想 PERMALINK COM(0)