「構想〇年」とか「人生をかけた超大作」とか、別段向こうに惚れられてもいないのに「うっそりと」した感じの笑いでヒロインに迫るヤンデレ君でもまぁなんでもいいんだが、
そういう重さって、作品なりキャラなりに惚れ始めて後で出て来てキャー♡ってなるもんで、最初からの売りにするもんじゃないのでは?と訝しみ始めた。
狂気が売りの作品だと尺とか構成の問題もあるんだろうが、ヤンデレや狂気が売りみたいなのって多分いきなり狂気が来る構成が変なんだろうなぁ。グルグルのデビルククリが物語中盤、単行本で言うと9巻辺りで来るのって、狂気が売りの作品じゃ、そこまで悠長な事してられないのはわかるけど、やっぱり惚れられているニケにしろ、読んでる読者にしろ、
狂気にはあれくらいの愛着が湧く尺が必要というか……。まあ
ニケが最初から献身っぷりがおかしい(おそらく、一目ぼれに近いから)ってのは散々言ってることなんだが、流石に最初にデビルククリが来たらニケでも耐えられないのではなかろうか?
ククリ→ニケの話になるが、
ニケの適正能力が盗賊でも幻滅せずに好きなのは、それまでの話で惚れているから、という考察を見たことがあるし、実際当たってると思う。アラハビカで二人を引っ掻き回した運命の女神も「好きになればなるほど~」という表現をしているし、暗に最初から好感度マックスみたいなククリにも、段取りがあった事を示している。
思い込みと刷り込みのような勇者の憧れだけでなく、ニケの優しさに触れていたから、正体が盗賊でも幻滅しなかったわけだな。
ニケがデビルククリに引かなかったのは、アイツがイカレ級の光というものもあるが、それまでに相互の信頼関係があって、ニケ側からも「彼女の為にギリを倒してもいい」「ククリを守りたい」という気持ちが既にあったから、というのはあるだろう。逆に、グルグル2の魔王にシエロちゃんが引いたのは、幼すぎたし、他に惚れた女がいるし、そこまでする理由がなかった。残酷な話ではあるが……。
で、
ヤンデレコンテンツとか構想〇年系の創作って、グルグルで言うといきなりデビルククリ(ヤンデレ)が来てしまう。それじゃあ読者も作中で惚れられた側も引くに決まってるんだよなぁ……。
普通、そんなの「うわ、やっべ、近寄らんとこ……」ってならねえか?私はなるけど……。
付き合って即ペアリング兄ちゃん(実在するらしい……)も、悪い人じゃないんだろうだがやっぱ順番がおかしいんだな。せめて最低でも一年くらい付き合ってからやるべきというか……。某カピ氏ですら旦那の重さに触れたのは付き合ってしばらく後だったらしいし……。
付き合って即ペアリング兄ちゃん程度で読み手も彼女もドン引きなのに、ヤンデレコンテンツはもっと上の狂気と重さな上出オチに近い(そりゃ多少は狂気までに間はあるけど、人となりの一つというより猫かぶりに近かったり、尺が足りない)から、はぁ?ってなる。本当にそういうの好きな人以外ついていけない。
まあ入り口で合わない人追い出すって意味だと合ってるんだろうけど……。私みたいな読者こそいらんのだと思うし。(※ヤンデレコンテンツ好きな側から見ると)私みたいな半端に狂気が好きみたいな読者にとって、
ヤンデレコンテンツに足りないのは「読者も惚れられたキャラも愛着が湧くまでの尺」なんだろうな……。
この記事書きながら気づいたんだが、自分が作ったMFに投稿した童話パロ小説も、へっぽこアルジェンも、最近書いたなんちゃって悪役令嬢も、
無意識にこの「尺」を表現しようとしている事に気づいた。童話パロ小説の方はいわゆる幼なじみで開始直後で惚れてるから、ヤバいけど踏み込む文脈が一応あるし、へっぽこアルジェンでアルジェンが糞重い野郎って発覚するのは2作目だし、なんちゃって悪役令嬢は乙女ゲープレイヤー転生だから、最初から魔王に惚れている(っていうか一人称マジックでそこの表現が出来なかったが、ヒロインの方もかなり変)。出オチでもう両想いみたいなのばっか書いてると思っていたが、上手くないからあまりそこを表現出来てるとも思えないが、私の中では無意識に「狂気を受け入れるまでの尺」が存在していたらしい。
いやでも、出オチでヤンデレや狂気を持って来る構成にしないとダメにしても、もうちょっとなんかないのかな……
これとか、
エロ漫画だけど男側が「この女、むしろ欲しい!」ってなるまでに尺があったのが、短いページ数で割と違和感なく表現されてたし……。どうでもいいけどコレ、作者も多分半分天然でそこまで考えてないんだろうけど、最終的に被害者側が犯罪行為に手を染めるのが、異常者女への愛情表現として良いよね。
「特に変わったところがない一般男性」とかいう名無し主人公君の紹介ページ見るたび「嘘つけ!」って思う。まあ相変わらず隙自語だし長くなったが、
一番言いたいのは、重さって出オチの単体じゃあ作品の売りでも作家性でもキャラ性でもなんでもないなあって話。リアル恋人だろうと、推し作家だろうと、推しキャラだろうと全部そうだと思う。
おそらく
付き合って即ペアリング兄ちゃんも、本当の愛だというのなら、最低一年は記念品を待つべきだったのだ……。ソシャゲもアニバ前倒しが基本になって、最近は半年ごととか、酷いと一ヶ月、一週間単位とかになってるが、昔は一年単位アニバだったと思うし(ソシャゲと一緒にすんな)。まあ噛み合うまで恋人相性ガチャしてもいいんだろうけど、やっぱりこういう失敗を生かしたアップデートは必要だよね、この人が束縛系ではなく、単にナチュラルに重いだけのいい人だったとしても……。
昔好きだった二次創作小説サイトでも、
指輪を与えるというのは犬に首輪をかけるのと同等だと暗に表現されていたのだが、実際ほとんどそういう印のようなもんで、いきなり首輪をかけられるのは人間重いんや。信頼関係があったらむしろそれが安心につながるわけだがな。食堂かたつむりでも、預かったウサギに対してそういう表現があったと思うが。やっぱり重さは沼らせのトドメとして使うもんなんだ。