大長編群像劇。書きたいのが群像劇そのものじゃなくて、二人の男女の話というのが変わっている点だろうか。
メイン二人の心理がわからんのは、まあ解説の通りにわざとだろうな。東野さんって男子は生臭いくらいだけど女子は正直男子に比べると印象に残らないなあ、って思ってたが、雪穂は面白いキャラだと思った。男子ウケめっちゃ良いけど実際は近寄っちゃいけない系の美人が良く書けてると思う。私も雪穂はリアルで見たら苦手なタイプの美人かも。そうなっちゃった理由はまあわかるんだが。被害者の側面もあるとはいえ、普通にバケモノみたいな女だよな。
群像劇苦手だけど、コレは結構面白く読めた。長嶋監督が選手だったりインベーダーゲームだったり昭和の時事ネタも面白かった。
ストーリーも描き方も面白いんだが……敢えてそうしてるのは承知で、普通にメイン二人の心理を含めた解答編が欲しいとは思っちゃったかな……。今のままでも面白くは読めたんだが、正直ここで終わり?ってなっちゃったと言うか。メインディッシュとデザートの抜けたフルコースみたいな感じもした。上手い作家がやってるから、前菜だけでもボリュームもあるし美味しいけどやっぱりメインディッシュとデザート(メイン二人の心情と色んな仕掛けの解答がある最終章)も欲しい、みたいな。
まあないものねだりしてもしょうがないから、いろんな要素の自分用メモを忘れる前に書いておこう。作品の題材が題材だけに胸くそ悪いネタなので折りたたみ&閲覧注意。誤読や時間かけて読んでる間に忘れちゃってる要素とかもだいぶあると思う。
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