いつものように長くなるので、真っ先に要点だけ言うと、
すげぇ下手くそなところとすげぇ上手いところが混在してる闇鍋みたいな作品。特にメインカップルの楯舞、っていうか楯と舞衣がカップルとしてもキャラ単体としても不愉快で、
こいつらの不快を他の良いキャラクターとコンビ達でなんとか中和しながら見るような感じの作品だった。
巧晶が萌えるって聞いて視聴したけど、
巧晶が萌えるというよりは、こいつらいなかったらとても完走出来なかったくらい厳しい。他にも脇からメインまで、誰と絡んでも心の優しさが見えるなつき、誰にでも妹みたいになっちゃう存在が可愛いミコト、メチャクチャ泣かせる伏兵のユキノ&ハルカとか良キャラやコンビはいたが、
全体的に男子の魅力に乏しく、男女カップルが壊滅的だったので、
最初の距離がある様子から、DVDのディレクターズカット版エピローグのラブラブエピローグまで巧海と晶のラブストーリーを見届けた時は達成感があった。ていうか、楯に愚痴りっぱなしだったが、最後まで見たら舞衣のが受け付けなかったわ。ちょっと検索しても、借りた身内に話聞いても、
舞衣は楯以上に賛否両論……っていうか直球で当時不人気クサイところのあるヒロインだったそうだが、実際に見て納得……。
舞衣さあ、
流石にツンデレが過ぎる。いや、それどころじゃなかったし、しほがベッタリで、「良い子でいなくてはいけない姉貴」というキャラクターって言ったって、
巧海やミドリが犠牲になった上で、「自分に正直になって欲しい」って言われても楯への気持ちを、本人に言えないにしても心の内ですら認めないのは、流石に呆れた。設定上、想い人に設定されたら楯も危ないって言ったって、
この頑なさは相手を想うんじゃなくてただ逃げてるだけ、良い子でいたいだけだよ。作中でシズルに観察眼の鋭さを指摘される
奈緒に何度も、「悲劇に酔ってるいい子ちゃん」って言われてたが、ホントにその通りだと思った。
汚れ役で腹黒で、楯を絶対に取られたくない!と挙動が終始一貫してるしほのが、嫌われてそうだがよっぽど好きになれたし、マフラーのくだりとか普通に泣いた。
しほが腹黒って言ったって、それはずーっと好きだった事の裏返しだし、
舞衣も最初応援するって言ってグダグダでもでもだってで楯の恋心引きずって最終的にかっさらうんだもん。
舞衣が嫌な子、嫌われる覚悟で楯にアタックして真っ向から三角関係するならわかる。
でも舞衣ってそれをする勇気もないのに何故か楯に謎に好かれてさ。
いいよね、メインヒロイン様は、大した努力もしないで本命に好かれてさ。って終盤は完全に冷めてたわ。
しほはあんなに一生懸命マフラー編んでも、約束すっぽかされて風邪ひいてまで待ってても、そもそも初めて出会った日の事なんか楯に忘れられてたのにね。
舞衣ってさぁ、
いくらいい子って言ったって最後まで汚れ役引き受けなさ過ぎだよ。
楯のがまだ、離脱の時くらいは覚悟が決まってたから、舞衣よりは好感持てたな。ディレクターズカット版最終回エピローグが多少くそでも、舞衣よりは許せるわ。それよりさあ、
楯に討ってほしいって言われたのに、それすら怖気づいて、最終的にミコトに汚れ役押し付ける形になった舞衣のが受け付けなかったな。好きな人に頼まれても討てないなら、こんな世界観で恋をする資格はないと思うね、本当。シズルみたいな鬼になった女や悪女しほのが好感持てる。
マジでしほのがよっぽど愛着わいたよ。ネタ全開の腹黒女でも、その根っこは楯が好きだから、その素直さに尽きるし、
終盤の見せ場も、序盤の見事な伏線の回収でカッコいいとすら思った。
作中でなーんもフォローなかったから、これを舞衣の本心と取るんだけど
、アンタ、シスターに見せられた都合のいい幻覚の世界で、しほの恋心もナチュラルに消して、自分と楯の恋を応援する妹にしてたよね。
舞衣のがしほより腹黒だと思う。
まあ愚痴ばっかもよくないからここら辺で無理矢理やめるけど。ハルカの離脱は思わず涙したし、彼女が一番人間の強さというものを行動で魅せたキャラクターだと思った。奈緒とミコトの序盤で立った友情フラグが、ディレクターズカット版だと回収されている事や、ミコトが死んだかもって時に真っ先に声かけたのが奈緒だったとか、そういう細かい回収はホロリとするほど嬉しかった。
サブキャラは本当に良いんだよなぁ……。メインもなつき、ミコトはスゴイ良かった。
特になつき!彼女ほど最後までキャラの評価も下がらなければ、離脱もしなかったキャラクターっていないんだよなぁ。なつきは百合要員かつ親友のシズルももちろんだが、舞衣にも良き友人として発破かけられるし、ちょい役の情報屋にも「いつもすまない」とかそういう優しい言葉が出る。自分に片恋してる剣道部の男も、満更でもないって感じで、どこか対応が優しかった。犬猿の仲の奈緒にも、情けがかけられる子だった。とにかく誰と絡んでも、終始描写がすごく良かった、唯一(他は株を下げたり、汚れ役させられたり、離脱したりでな……)
っていうか
奈緒、舞衣は「不幸に酔ってる良い子ちゃん」って嫌ってたのに、
同じく良い子って感じのミコトは、序盤ちょっと絡んだだけなのに、何か嫌味を言う事もなければ、挙動から察するにガチの友情感じてたらしいの萌えるしワロス。私も奈緒の態度は当然だと思うけどな……。
良い子ちゃんぶってるのと、ホントの無邪気と嗅ぎ分けが出来る奈緒、マジで観察眼に優れてるよな。
嫌味抜きでも、舞衣の良い子ってのは頑なに「作った」ものだからね。
っていうか舞衣の不評から続編の主人公がまっすぐな王道主人公になったっての、それ、
スタッフが舞衣を失敗って認めたようなものでは?
しかし、
メインカップルがくっつく理由が、「メインカップル補正」以外で何も感じられなかったのほんま草。なんでこんな女にしほが負けなければいけなかったのか?確かにうざい子だったかもしれないが、自分なりに頑張って動いていたしほが報われても、罰は当たらなかったのではないだろうか?