グルグル2、第9巻のククリちゃんいわく、2の魔王ちゃんは「自分の力が大きすぎたばっかりに友達も恋も上手くいかなかった、可哀想な女の子」であるらしい。
逆に言えば、ククリちゃんは未熟で、ニケから見たら守ってあげたい女の子、読者としても応援したくなる女の子だから色々上手くいったわけか。
というかニケも無印第一章で、失敗グルグルに打ち上げられた事でグルグルへの潜在的恐怖を植え付けられてしまったわけだから、ククリちゃんごと恐れて逃げてしまってもおかしくなかったよな。
そこでなんでニケは、上手くククリとグルグルを切り離して考える事が出来たのか……。事前に想像してたような怪物じゃなかったからか、ニケのメンタルがタフ過ぎたのか、ククリへの愛が一目惚れに近く運命的すぎたのか、はたまた全部か。
まあここでククリとグルグルを切り離して考えた、っていうのはあくまでその場の最適解。グルグルとはククリの心そのものだから、グルグルに潜在的恐怖を抱いて壁を作ってしまっていたってのが、アラハビカで問題として浮かび上がってくるわけだけど。
あんなにたくさんニケと冒険したのに、ククリの一番の思い出は、今も昔も、初めて出会ったあの日、ニケが初めてグルグルに興味をもってくれた事。なのにそれがニケの潜在的グルグルへの恐怖の原因って、衛藤創造神、ずいぶん残酷な構成力見せつけてくるじゃん。ってずっと思っていたが、あの時ニケが無意識に、怖い不気味な魔法と自分を慕う女の子を切り離して考えたから、破綻せずに済んだのかも。と、2の魔王ちゃんの過去を見てちょっと考え直し始めている。
考えてみると、2の魔王ちゃんだけでなく、バトーハの塔のカップルとか、追い立てられたネコジタ谷のミグミグ族とか、2のほとんど廃村状態の場所でミグミグ族の思い出を守り続けていたおじいさんとか。本編で描かれている事で、末永くミグミグ族と人間が末永く上手くいった事例ってなくね?
魔王ちゃんやバトーハの塔のカップルみたいに、人間関係で事故るか、追い立てられて悲しい別れをするか、そんなんばっかだな。末永く続く交流の事例を、ニケとククリがこれから作っていくのかもしれんが……。
ギリの封印の魔法が300年しか持たないのは、ハッキリそう時限を定めた魔法を使って、その上でまた次の封印に備えるため、ミグミグ族が平和に暮らせるように約束を定めたらしい(ファンブックのグルグルランドより)が、ぜーんぜん上手くいってないし、思いっきりミグミグ族って追い立てられてるよね。(割と隠れ住んでる人らもいるって言っても、隠れ住むのに代わりはないし……)
300年ってなると3代代替わりして、当時の人々誰も残ってないくらいの時間だしなあ……。
ニケとククリって、作中でも言われてるけど本当に異端な光のカップルなんだね。