ドラえもんの出木杉のオススメかつ、最終的に本嫌いののび太が夢中になって夜更かししてまで自発的に読んだ本。




多分主人公でお兄ちゃん気質でリーダー的存在のブリアンがイケメンすぎる。冒頭から冒険もののお手本というか、引き込まれる出だし。ブリアンが終始慕われてるわけではなく、ライバルポジションのドニファンとドニファン派の男の子達には嫌われていたりする派閥があるのも面白い。そういう感じで、楽しく漂流生活をしつつも子どもしかいない舞台設定を生かした緊張感があった。ので、若干終盤のエヴァンスとケイトの登場が唐突かつややチートな感じ。リアル寄りの冒険だし、他に纏めようがないとは思うけど。終盤のドニファンと、ブリアンの弟のジャックがメッチャカッコ良かったなあ。終盤のキャラでもフォーブズはベタとは思いつつも良い味出してたし少し切なかった。さっぱりしてるけどヴェルヌはやっぱりドラマティックを書くのが上手い。ちょっとだれてボヤーっと読んでても、不意に前のめりになって読みふけっちゃう。

締めの文章がカッコイイ。でも私が刺さったのはSFかつ幻想的な海底二万里の方かなぁ。メイン男子四人の関係萌えとか邪な感想置いといても、第一部の幻想的な死生観漂う終わりとか大好き!

ヴェルヌはこの小説の訳者解説通り、SF冒険物と比較的リアルな冒険物と大まかに分けて2種類の作風があるんだけど、やっぱり私が読みたいし刺さるのはSF寄りのを含めファンタジーなのだなぁ。

逆に、出木杉とのび太が夢中になるのはこっちの十五少年漂流記の方だろうなとも。出木杉は海底二万里も読んでそうだが、その上で好きなのはこっちじゃないかなあ? 男子が純粋な子どものうちに読ませておきたいし、体験させときたい小説だなと思った。
2023/08/12(土) 18:53 作品感想 PERMALINK COM(0)