ベンガーナ死守~テラン王国行くまで。ここら辺になると作品のシリアスな部分が浮き彫りになって来る。



ポップがドラゴン片づけ切れなかかったとこ、ギャグチックだけど5体中3体一人で片づけたの本来は偉いしすごいんだよな。ちょっとここだとレオナダイポップしかいないから手が回らないやつだが。

いつも通りダイが力を発揮してめでたしめでたし……と思いきや、その人間離れした力で初めて子供に「あのお兄ちゃん怖い!」と差別されてしまうシーンが入る辛いターンでもある。当時はここですげぇムカついたが、今なら正直この子どもを始めとする、ダイを恐れる人らの気持ちもわからなくもないから辛いわなぁ。

メルルが「この静かな国が好き」と故郷を褒めるくだりでちょっとポップが見惚れたくだり、原作にもあったっけか。今手元にないからなぁ。原作も読み返してぇわ。

ダイの「モンスター達はおれがモンスターじゃないからって仲間外れにしなかった、でも人間は、おれが人間じゃないと仲良くしてくれないんだよね……」「おれ、ポップやレオナに嫌われたくないもん」ってくだり、年相応の子供らしいシンプルな言葉だからこそ辛く刺さるよね~;;;;;カッコイイ、美しい台詞回しが光る作品だが、こういう訴えかけるとこの言葉がシンプル過ぎるのがまた突き刺さるんだよなぁ……。この後の「馬鹿野郎、くっだらねえこと気にしやがって」とブチ切れるポップがまた良い友人してるわ。

でも実際モンスターとか魔王軍のが実力主義なぶん、人間よりそこら辺の差別は少ない(見下しは当然あるけど、強ければ問題ない)とこあるよな。もちろんここまででクロコダインを全く気にせず一緒に飲みたがるバダックさんとかもいたし、レオナやポップみたいに、ダイが何者だろうと仲間(レオナは好きな男って側面もあるな)って言う人もいるけど、やっぱ人間のがそういう差別意識は共通事項としてあるだろうな……。

ヒュンケルやダイが魔族に育てられたように、人が魔族を育てた、みたいな話がそもそもダイ大だとないのもミソだろうか(チウが当てはまるといえばそうかな?)ここら辺は作品を通して「そういうヤな奴もいるし、差別しないいい奴もいるよー」って語られていて、どっちが正しいみたいな話でもねぇから私の脳みそじゃ上手く文章纏めるのが難しいな(そこが私にとっても色あせない名作たるゆえんなんだが)

人とそうでないものの差別、普遍的なテーマとしてあるけど自分で描くぶんには基本皆仲良しメルヘンのが好きかな(頭が悪くてさばききれないってのもあるが)。読むぶんにもどっちかといえばそういうののが好きかも。ダイ大くらい真っ向から難しいテーマにぶつかって感動とかくれるなら良いが、そこまではやらんことも多くて後味悪いからなぁ。もっともコレは大長編だから出来た事で、大抵尺が足りないよな。ダイ大だって、人が人でない強いものを迫害するって問題に、大団円な解決方法って結局なかったわけでさ……。
2023/09/10(日) 10:38 作品感想 PERMALINK COM(0)