ダイとバラン邂逅~竜騎衆ラーハルトVSヒュンケル戦まで。
バランとーちゃんの「今は子どもだから人とあまり変わらないけど、成長するにつれ人間はお前を迫害する」という言葉はある種の予言であり食い止める事は多分無理だったやつだから重い言葉ですね。

その上でポップはおれはそんな事しない! って必死に立ち向かうし、クロコダインのおっちゃんもそのポップの美しい心意気にダイと同じように惚れているし、そんなクロコダインのおっちゃんに死ぬときは一緒と覚悟を決めるポップ。うーんここら辺の熱さ、ダイ大。

しっかしホントこの辺りの絶望感何度見てもやべぇ。バラン強過ぎだしダイは記憶失っちゃうし戦力かなり減ってる状態だしで。どーすんだコレって何度見ても思っちゃうわ。

見返してて思ったんだが、記憶を失くして頭が痛いと訴えるダイに、ポップが自分のトレードマークのバンダナを巻いてあげるくだり。ここって単なる手当てのシーンじゃなくて、多分暗喩が含まれてんだろうな。弱虫だったポップと、いつも勇気があって困難に立ち向かっていたダイ。今はダイが弱くなってしまって、ポップが勇気を出す場面。いつもと立場が逆ってそういう意味なんだと思う。弱虫状態の象徴っていうかさ。

初対面の時さんづけされて「ポップでいいよ」と言ったのからもわかる通り、ポップってお調子者だけどあんま兄貴風吹かすって事はなくて、ダイとも対等なお友達なんだよね。でも記憶を失くしてダイが弱くなっちゃた辺りはやっぱり歳の差を感じるというか、記憶を失くしたダイが呼んだように「お兄ちゃん」なわけだな。

昔の弱虫だった頃を逆手に取るように、わざと心にもない酷い事を言いまくって逃げたふりして足止め役を買って出るくだり、今見ると普通に泣くわ……。まぁガルダンディーに嬲られるくだりがエロ過ぎてすぐニッコニコなんだけどな(クズ)

しかしここら辺の竜騎衆戦のくだりは、男リョナっぷりも、バトルの迫力も原作のが好きかなーって思った。ガルダンディーしとめる時の見開きイオのカッコよさがあんまアニメでは感じられなかった。稲田さん、今見たら画風は懐かしいかもしれないけどやっぱ上手い人よな漫画が。見やすいし。

まあそんな個人的な好みやキモイ性癖はさておき、ポップが首チョンパでコロされかけた時颯爽と助けに入るヒュンケル、本当悔しいくらいカッコイイ。ポップも恋敵に対し、私と全く同じ事を思った事だろう。

なんかやたら何度も映し出される白目向いたガルダンディーさんの死体にジワって笑ってしまってゴメン。どうしても鳥キャラが焼かれると美味そうとか思っちゃっていけないね。ガルダンディーのHPとかMP吸い取る羽ぶっ刺されても文句言えねえわ。

他のピックアップしときたいポイントはポップさんが死んじゃう!とポップが杖でバランぶん殴りに行こうとするのを止めるメルル(ここでばあちゃんはおそらくメルルがポップに惚れてるのに気づいてる?)、出会った時と全く同じ言葉でゴメちゃんに「友達になってよ」というダイかな。

しっかしバランという強敵を前に、「勇気」でもって立ち向かったダイが、記憶を消されると剣や武器を怖がる純な少年になってしまうのは、ダイの魂の力の伏線として機能してるやつだよな。あんまり普段ダイがカッコイイから、完全に彼の魂の力のフェイクに騙されちゃうわけだが。

追い詰められまくるバラン戦で何度も何度も命を放り捨てるほどの「勇気」を見せるポップと反対というか、こうして行動やイベントで何度も何度も彼らの魂の力というのは示されていたんだなぁ。とじっくり見返して気づいてすごく楽しい。今更になって、特にポップがバンダナをダイに巻いてあげた意味(暗喩)に気づけたのは遅いけど嬉しい。まあ私の考察が当たってるかはわからんが、なんか意味はあるよね絶対。三条先生だし。
2023/09/14(木) 20:10 作品感想 PERMALINK COM(0)