前評判以上にすげーーーーーくだらないギャグコメSF。(褒めてる)



SF世界の宇宙船なのに、何故か上司は沖田と土方と近藤で3人でホモギャグってるし(多分土方×沖田と土方×近藤?)ギャグも突拍子もないパロか脱力系のダジャレばっか。

例を挙げると「君はどこに落ちたい?」やら、パタリロや諸星あたるやら、「うおー!さおー!(右往左往)とかけてる」って叫びながら右に左に行くモブ、掃除係の沖田掃除(前述のホモってる上司沖田とは関係ない)など。終盤の土方さんと主人公ルーク。の雑俳句合戦とかも読めば読むほど気が抜けていく。SF系コメディ小説で君はどこに落ちたい?ってやるの見るの、コレで2回目だなあ。サイボーグ009知らんけど一度は見るべきなのかも。石ノ森さんもBL系のパイセンに近いとこある気がするし。

土方さんがパロまみれの雑俳句を詠みながら「はて、どこかで見たような」と首を傾げるように、アホみたいなパロキャラパロギャグまみれ。作中に諸星あたるの名が出ているように、BLとSFとミステリーが好きなお姉さんが、るーみっく風ノリで描いた昭和のパロギャグ作品って感じ。あまりに楽しそうに好きなものを並べて描いているせいで、脱力系ギャグ郡も時々本気で笑ってしまうし、今だと怒られそうな、私から見ても古いなあと思う同性愛ギャグも微笑ましく見れてしまう。終盤はくだらないけど意外な流れにもなるし、昭和のギャグSFコメディとして良い作品だと思う。

栗本薫さん、いろんな逸話のある人だが、根っこがとても楽しいお姉さんだったんだろうなあ。私はこの作者の世代でも知り合いでもなんでもないし、出てくる登場人物みんな性格悪いし、流石に古いなーって感じる描写もあるのに、何故か子どもの頃から知っている身近な作家の作品のように、あるいは近所に住んでるよく遊んでくれるお姉さんのように、すんなりと入って来るとこが不思議な作家だな。

事件の発端がチンチンの形をしたエイリアンというのが本当にくだらないし、ちゃんと最後のちょっと意外な流れとも繋がった構成なのもすごい。どこかで見たようなもの、低俗なもまみれなのに、コレは栗本薫さんにしか書けない。食って出てきたものがそのまんまなのに、オリジナルと思う謎。混ぜ物創作の天才という評価の通りといyか。
2023/11/14(火) 04:11 作品感想 PERMALINK COM(0)