アニヲタwikiいわく、最初に出版された時のタイトルは「自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述」らしい。実際にこのクソ長いタイトルで日本語訳されたことはないらしいが(当たり前だよなぁ?)。近年長文タイトル化が激しいラノベでも、これより長いものはないらしい。


刊行時のタイトルに負けず、本文も長い。右上から左下まで文章みっちりで文庫本534p。アニヲタwikiではドラえもんとのび太がいかにして本文読まずに読書感想文を書くか苦心する流れだけど、原作で「十五少年漂流記」を気に入ったのび太なら、同じ漂流もののロビンソン・クルーソーも気に入る可能性はある。ただ、「十五少年漂流記」よか古い作品で、ロビンソン一人でいる期間がかなり長いから、「十五少年漂流記」が気に入ったのび太も、ロビンソンクルーソーは途中で飽きてしまうかも。正直私も、この長さで序盤と終盤以外ロビンソン一人の話ってのは、流石にちょっとダレてしまった。それでもロビンソンの語る無人島生活は結構面白かったけど、やっぱり登場人物一人だけで大長編はちょっと厳しい。序盤早々に子分みたいな奴隷が離脱したのは痛かった。ロビンソン本人も労働力と話相手的な意味で手放したのを後悔してたが。

終盤フライデイとかいう忠実な犬系部下が出て来てからは面白かった。ロビンソンも基本的にはメチャクチャ可愛がってたが。島出てからのエピソードもそこそこ長くて、やっぱり一人でロビンソンがいたときよりそっちのが面白かったり。

楽しめた部分も多いけど、「十五少年漂流記」とか「海底二万里」みたいな冒険ドラマを期待しすぎるとガッカリするかも。思ったよりか淡々と進む話なので。ヴェルヌってやっぱりそこら辺のドラマを作るのが今見ても非常に上手い&私の肌に合うんだなぁって思った。こういう漂流、無人島生活ものの元祖的な作品だけど、やっぱコレに影響を受けた後追いのが色々上手い感じになってしまうのは仕方がないよね。ちなみに「十五少年漂流記」も、ロビンソン・クルーソーを話題に出すくだりがあったりする。もしのび太に勧めるなら、気に入った小説と作者が同じSF冒険ものの「海底二万里」か、日本人の実話「無人島に生きる十六人」をオススメしたいかな……。

しかしロビンソンって思ったよりも長く遭難・無人島生活してたんだな。28年ってお前。仮に享年を70~80歳と仮定しても、人生の半分近く無人島生活じゃねーか。原作で一度遭難しちゃった時ののび太だってそんなに長く無人島生活してねぇぞ。(のび太は10年)。しかも大半、犬猫インコくらいしか話し相手もいないぼっちのターンが続くのまぁまぁキツイだろ。実際ロビンソン本人も作中でツラかったって言ってたけど……。
2023/11/25(土) 01:55 作品感想 PERMALINK COM(0)