ディズニー映画・ノートルダムの鐘の原作小説。ネズミー映画も気になるけど、近年小説読むのに凝ってることだし、せっかくだから原作小説から読んでみようかなあって思って手に取った。




悲惨なバッドエンドの話と聞いていたんでやや身構えていたけど、読んでみるとオシャレな比喩とユーモアに飛んだ文章、舞台劇のように軽快な台詞回しで楽しく読める。冒頭のイキイキした民衆の時点で結構笑いに富んでる。ただ、うんちくのターンもだいぶ長くて、上手い文章でも時々ちょっとダルかった。多分本筋に絡んでいる、ロランの塔の籠もり部屋みたいな話はうんちくのターンでも面白かったけど。地理系のうんちくはほんま眠かった。

カジモドの「ピッタリなセックスするがごとく、大聖堂と結婚したような人間嫌いの醜い怪力男」という人物像は、過去〜現在にかけて上手く書かれてるなって思った。

エスメラルダは、可愛いヒロインだとは思うが、好きでもないグランゴワールをかばって結婚するフリをしたり、さらって多分レイプでもしようとしたクロードの協力者のカジモドに水をくれてやったり、なんというかジプシーって生まれ育ち鑑みるとちょっと迂闊な女のようにも思えた。まあ両方見捨ててたら死んでるようなレベルの目に遭ってはいるんだが……。グランゴワールが勘違いするのリアルだし、そら勘違いするよーって感じ。全く気がないけど。

ハズレてたらゴメンだが、ロランの塔の、ジプシーに赤ん坊さらわれて狂った、元はそこそこ小金持ちのお嬢さんの元娼婦・シャントフルーリさんの子ども=エスメラルダだとしたら、血筋でどっか世間知らずの天真爛漫っぷりも納得ではあるが。何にしても本命1人とそれ以外3人、4人もの男を無自覚で惚れさせてしまうの、天然の魔性の女って感じ。

エスメラルダは他の民衆より人情味のある良い子かもしれないが、育ちを考えると「こんな男いらん、ぶっ殺して私らの娯楽にしろ!」とかグランゴワールを見捨てた奇跡御殿の女達のがまともな反応な気がする。わざとそう書いてんだろうけど。

思ってたより笑いもあって面白いけど、うんちくも多いしものすごく長い……返却期限内に読みきれるかな……。コレでくじけてたらレ・ミゼラブルとか読めんぞ(こっちも読んでみたいやつ)
2023/12/10(日) 18:19 作品感想 PERMALINK COM(0)