やきにく亭
～キャベツを添えて～

原作だと「控えめに言って死ね」としか思わなかった女のまんこだけ好きそうなフェビュスは、出だしからヒロインをカッコよく助け、アフターケアも万全ないい男・フィーバスに生まれ変わりました！ カジモドも原作の性格の悪い部分は消され、根っから心美しい男に。カジモドの、大聖堂の像が友達みたいな描写も、実際にカジモドの前では動ける、心あるファンタジーな友達に。

美しいディズニーアレンジの犠牲になったのは、クロード。原作だと根っからのクズってわけではないのだが、こっちはそもそもカジモドが孤児になった元凶だし、弟の存在も消えてるし、完全な悪役って感じ。

エスメラルダも、カジモドとくっつきこそしないけれど、友人としてはフィーバスよりカジモドを尊重するし、勇ましさをピックアップされたカッコイイ女に。

全体的にスーパーディズニーマジック！！！ って感じ。フィーバスは民のために反逆も、火のついた家の中に入って救助もいとわないイケメンになってるし、婚約者もいないフリーだし、実際カジモドより勇気が勝ってる部分もあるので、ツラだけでなくコイツとくっつくのも納得な感じに。フィーバスとエスメラルダが、カジモドの前でチューしちゃうのはちょっといたたまれないが、ちゃんとダブルヒーロー的な扱い(物語ヒーローがカジモド、くっつくヒーローがフィーバスって感じ)なので気持ちよく見れる。

原作の、カジモドがエスメラルダを助ける為のカッコいいアクションも、ハッピーエンドに向かって上手い再構成パーツとなっている。

文句のない、これが見たかった！って感じのディズニーアレンジハッピーエンドですな。原作クロードの事割と好きだったから、完全な憎まれ役になってしまったのはやや寂しいが、二時間の映画なのでそこら辺思い切ったのは良かったと思う。

あくまでもディズニー版ノートルダムとはわかっているけれど、やっぱりエスメラルダがちゃんとカジモドを受け入れているのを見るだけで嬉しくはあるな。原作は友達にすらなれなかったからね……。最後めでたしめでたしの時、フィーバスじゃなくてカジモドを真っ先に抱きしめてくれるのは嬉しかったね。

しかし天下のハッピーエンドエンターティナー会社・ディズニーでもノートルダムでカジモドとエスメラルダがくっつくのは違うって結論なんだな。そらそうか……。そこら辺の、カジモドの失恋からの新しい恋は２でやるらしいので、期待して次行くか。まあカジモドの恋に関してはやっぱ原作のあのラストが好きな部分もあったりするが……。