ビターハッピーエンドのグランドエンドハッピーエンドみたいな……。
カジモドに、対比的かつどこか近しい育ちの恋人マデリンが出来る話。マデリンのサーカス団長からの蔑称は吹き替えのお嬢さんより字幕の「お飾りちゃん」のがラストの見せ場も相まって上手いと思う。
ブサイクカジモドに作るオリジナルの恋人として、舞台で突っ立ってるだけのお飾り美少女、ファンタジックな存在のカジモドの石像の友人達も見れる根っこが純な女ってのは良く考えられていると思う。
エスメラルダもちゃんと良い友人のままだしね。言うてイケメンぐう聖とくっついた初恋の女が、人は見かけじゃない、いつか素敵な人が……っていうのはやや残酷な気がするが。でもネズミー世界線のエスメラルダはそもそもカジモドが自分にホレてた事さえ多分知らんからな。
前作がぐう聖のイケメンだったぶん、フィーバスが今作はやや不遇か。言うて多分この人は身分というか、この窃盗サーカス団といううさん臭い個体に反応してた感じがするが……。前作もジプシーに対する偏見はなかったはずだし(そもそもエスメラルダ嫁にしてるし)
キラッキラのディズニー恋愛ハッピーエンドだが、こんなノートルダムがあってもいいだろう。原作の終わり方も好きだけどやっぱり悲惨過ぎるし……。安心安定のハッピーエンド老舗ブランドの優しい世界線はあって良い。
しかしいくらネズミーカップリング祭りとはいえ、ジャリと石像のカップルは予想外だったわ。
フロローが悪役な分、カジモドの親ポジションはこの石像達に引き継がれてんだなと2の子が巣立つ悲しみのくだりで今更気付いた。巣立ったら石像と話せなくなる、などということもなく、これからはマデリンも含めた家族生活になるのだろう。と感じるのがディズニーの優しさだな。
激鬱原作小説読んだ後ディズニー版ノートルダムの鐘見るの、原作しっかり読んだ後二次創作見るみたいなオタク作法だな。いつもここまでやるのはダルいけど(別にその時々によって映画だけで終わったり、原作は後で見たって良い)、たまにはこのくらい丁寧に作品をチェックするのも良い。
カジモドがエスメラルダとフィーバスの息子と仲良しなの微笑ましい。やっぱりコイツは原作から良いパッパ、良い旦那になる素質があると思う。