よく怒って、笑って、ワガママを言う素敵に可愛い女の子と沖縄に行こう。そんなロードムービー青春恋愛小説。
リカが可愛い。出会いはクセがあるかも知れんが、同レーベルのかきかけのラブレターよりはヒロインもとっつきやすい。(アレも好きは好きだがやっぱりちょっとな)。何よりワガママとちょいちょい見せる女の子らしいいじらしさや可愛さが絶妙。読んでいて本当にイキイキした可愛い子だと思った。そんな彼女が沖縄に来た理由が、描写はさっぱりしつつも切なくて……「ニライカナイが見えない」というセリフでホロリとしてしまった。基本王道でさわやかなボーイミーツガールだけど、作者さんの叙情センスが好みというか、ちょいちょいホロリとさせられた。終盤、仲が深まった時の二人の「ずっと、ここにいたい」ってセリフとか。ラストシーンとか。
タイトルのニライカナイにリカの語る2つ、語り手で主人公のタクローが語る1つの計3つ意味があるのも良かった。
リカ本当に可愛いな。タクローがロング好きだからイメチェンショートにするの嫌がるとか健気だな。
ずっとここにいたい、のくだりで終わるのが自分も少し惜しくなったが、作者も終盤そんな感じだったらしく、作者とキャラとシンクロしちゃったな……。我ながら肌に合う作品の時本当に素直な読者だと思う。
外国の長い古典小説ばっか読んでたのもあるが、まっすぐな青春小説でさわやかな感動が出来た。良い話だった。
やっぱり私、ちょくちょく読む割に外国の翻訳小説もファンタジー小説もあんま得意じゃないんだな……。久々にラノベ、それも好みのやつ読んだら、乾いてた心に染み渡るようだった。
しかし富士見ミステリー文庫ってどんな作品でも若干のミステリーというか謎解き?入れてくるよな。この作品も主人公関係で一応ある。実際は作風の自由度本家の富士見ファンタジア文庫よか高いくらいだった気がするんだが、律儀なレーベルだったんだな。