ロカ父ちゃん本っ当にカッケェなぁ……そして、三条陸先生(と、作画担当の芝田優作先生)の描く人間は本っ当に泥臭くて美しいなぁ……。
ロカ父ちゃん、最後の戦いがとうとう描かれてしまう巻。一人で残るって言い出したところでもう「ロカ父ちゃん、死なないでくれ~;;;」って涙目よ。また親友一人残してくのに戸惑うのはアバンの方で、奥さんのレイラは旦那の決意を理解して、何も言わずアバン先生と一緒に先に進むのがさあ……。娘のマァムも、バルジ塔でヒュンケルがヤバイって時、彼の決意を無駄にしない為、率先して先に行こう言ってたが、似てるねえ……。
なんかもう、ロカ父ちゃんがどうなっちゃうかわかってるから読んでて切なかった。だからこそ彼の台詞一つ一つが沁みるっていうかさ……。
呪いを受けながら、血まみれ泥まみれで「オレは初めて勝てると信じて立ち上がった!」って言い切るとこメチャクチャカッコイイんだわ。
「オレの勝ちは変わらない、村まで生命がもって娘をこの手に抱いてやれれば…それだけで十分だ」
切ない……そして本当にカッコイイ父ちゃんだな……。
うん、わかってたんだ、もうダイの大冒険本編じゃ死んじゃってるわけで、過去の補完をしようとこの結末は避けられないって。その制約の中、三条陸先生は出来うる限りの救いと、最高にカッコイイ見せ場を作ってくれたと思う。感謝しかない。
「アイツの友だと、少しは胸を張れる戦いが出来た気がする、だからこの後コロッとくたばっちまったとしても、今日のオレは勝者だ!」
この言い切り具合……戦いに入る前と同じ構図での1p丸々使った名シーンやで……。
この後も幼女にアバン先生との仲はやしたてられて恥ずかしがるフローラ様とか、かっちょいいレイラ母ちゃんとフレイザードのプロトタイプみたいな敵とか、色々面白い部分はあるんだけど……。前半のロカVSキギロ戦で、ヘッタクソな文章書く気力を根こそぎ奪われてしまったよ……。
夫を一人残して行って不安じゃないわけないのに、夫のロカやマトリフさんと同じように、勇者を進ませる道を作ったレイラさんもカッコイイんだけど……(倒し方のえげつなさというか執拗さ本当に好き)今回の巻はやっぱり、ロカ父ちゃんお疲れ様回だよな……。
はあ……切ないが過ぎる……オマケのダイ大軸ハドラー&親衛隊四コマと、芝田先生のカバー裏描きおろし差分が癒し。
勇者アバンのラブロマンス、本家ダイ大より好きな部分あったりするんだが、本家ダイ大以上に切ないものばかりだよなあ、本当……。
良い意味でダイ大本編と何も変わっていない。美しきかな、三条陸先生の人間賛歌物語。
やっぱりさあ、物語で読む人間は美しいのが一番だよ。ロカ父ちゃんとかこんなに切ないのに爽やかでしかないんだもの。最高だよ本当。