王子様とお姫様のラブロマンスが素敵な児童文学。



序盤は正直、普通のファンタジーだなーって普通に読んだ。そんな中でも地下の国のお姫様・ヒヤシンタ姫は可愛かったが。虫に変化しては王子様達を手助けするサポート女子。

地下の国の王様の無理難題をお姫様のサポートで切り抜けて帰るまでは普通に面白いかな、くらいだったが、その後の一波乱からファンタジー恋愛ドラマとしてグンと良くなった印象。お留守番組だったヤンとフリーチェのターンになって、王子たちやヨーストのために奔走したり、ヤンとフリーチェとヨーストでちょっと三角関係っぽくなったり、ヒヤシンタ姫とイアン王子に一波乱あったり。

ヒヤシンタ姫はこの作品のMVP的魅力のあるヒロインだけど、物語後半の切ない彼女と最後の大団円には素直にホロリ。

タイトルの青い月の石は正直あんまり話に関係ないというか、のっぴきならない事情とはいえ即手放されて笑ったが、最後にキレイな回収があった。やっぱりファンタジー、特に外国のはじっくり付き合っての後半が良い。

地下世界の王様、意地悪だけどなんか憎めなかったから救いが欲しい気もした。別に退治されたとかじゃなくて、王様の親戚の海の王の言うように残酷なまま、今も一人で地下世界にいるというだけだが。

王様が退治されるという流れではないとことか、なんとなく優しい感じがするファンタジーだった。
2024/01/15(月) 17:59 作品感想 PERMALINK COM(0)