有名な「アラジンと魔法のランプ」が収録されてる巻。ヤベーお姫様フランク王女とか、ま〇こ映す鏡とか、全体的にぶっ飛んでて面白い話が多かった。


最初の【目を覚ました永眠の男の物語】は全体的にギャグチックで面白い。自分を王様に仕立て上げるドッキリをかました王様に、奥さんと結託して一世一代のギャグみたいな芝居をかまして大団円を迎える様は大掛かりなコントみたいだった。

次の【ザイン・アル・マワシフの恋】は不倫の恋、なのはともかく、不倫したのは奥さんの方なのに、旦那が不倫にキレてるのを、見事に周囲を味方につけて逆に旦那が虐待旦那という事にしちゃって豚箱送りにして朽ち果てさせるのはひでぇwwwwって笑った。まあ旦那も嫉妬深い上になんかモラハラくさい(不倫にキレたとはいえ、奥さんの手足に蹄鉄つけて馬にしようとする、やりすぎ)わけだが、酷いカップルだなと思ったwwヒロインのザインが恋人アニスのとこに帰る時立ち寄った修道院の男共もキモすぎでワロタ。総大主教(修道院の偉い人)が夜這いするために40人も部下をザインのとこにやったら全員チンポおっ立てては笑われて追い出されるくだりで「しつけぇwww」ってなったし、最終的に主教も同じ風になって追い返されて、「こんなとこいたら貞操の危機だわ」ってザインが逃げちゃったら、全員で「鬱だ死のう(要約)」してポエム唱えて掘った墓穴の中に入って死ぬの全てがキモイ。メインカップルもアレだし面白いけど色々酷いww

次の【若者ヌールと勇ましいフランク王女の物語】はフランク王女が勇ましいでは片づけられないくらいの化け物ヤンデレ級で笑った。最初の奴隷の分際で「コイツらブサイクだからやだ(要約)」って買い手選んでるとことかもそうだが、紆余曲折あって自分の親父と絶交して、軍隊一人でメチャクチャのミンチにするとこで寒気がした。旦那の若者ヌールが千一夜物語ではめっちゃレアな事に一途な男だったから良かったが(フランク王女と出会う前に、昔の風習で合意で娼婦と初体験済ませてた程度)、コイツが浮気症だった日には三枚おろしにされてそうだ。

【処女の鏡の驚くべき物語】は映した女のま〇こを映す(なんか知らんが非処女かどうかもわかるらしい)とかいうエロ作家も筆を折る発想の話で笑った。それでいてラストは感動的なお話に収まっているのもスゴイ。千一夜物語ほんま面白いなあ……と感じた話。

そしてずっとちゃんと読んでみたかった【アラジンと魔法のランプ】は【シンドバッドの冒険】同様、有名なだけあって癖が少ない。チートランプ(よくある三つの願いみたいな制約はない、多少の制限はあるがほぼないようなもん)使って貧しくて怠け者だけど地頭がよくて根っこは優しい少年がバーンと成り上がる話。妙なスケベ要素も少ない。アラジンも結婚ちゃんとするまでは狼にならない男である。しかし当て馬男はボットン便所に頭突っ込んだ状態で身体を固められはするwwあれ、この展開どこかで……?(1巻にもこういうカワイソ―な当て馬男がいた)千一夜物語、メチャクチャ装飾過多な美文な一方で、こういう懲罰や悪口は容赦がない。アラジンもランプを手に入れるまでにボコられたりくらいはある。

千一夜物語を読んでいると、有名作には有名作になれるだけの理由があると感じる。マイナーなやつはなんでマイナーなのかが良くわかる。まあ映した女のま〇こ映す鏡とか大っぴらに広められねーわなぁww(割といい話だったけどさ)
2024/01/21(日) 11:51 作品感想 PERMALINK COM(0)