文芸部の眠り姫編。ライター買いしたがラストシーンで思わずリアルに手を叩いてしまったほど雰囲気が良い! 流石!!!
歌穂の裁縫→針→眠り姫を刺した糸紡ぎの針→しょっちゅう居眠りをする後輩、杏子の登場
この一連の流れがいかにも小説が好きな人が書いた文芸部舞台のお話という感じで華麗ですらある。
先輩大好き後輩ちゃん、って感じだけど小柄な小動物系ではなくて、主人公と同じくらい(それ以上?)背が高くてそれを気にしている、ってのが珍しい感じかな。先輩である主人公が卒業間近、って事で、結構積極的に、恥じらいつつもアタックしかけてくるのが素敵。告白後、保留にされつつも家に挙がっていってほしいって言ったり、割かし大胆なのも良い。(いうてだいぶ後まで何もないんだけど)
卒業間近の高校生が主人公、ってことで、主人公に全ヒロイン思い入れがある感じで、誰とくっついてもおかしくない空気から始まるのもまた新鮮だし、美しく簡潔な文章と時折入る回想によって、そこに違和感なく読み手側も入っていける。
杏子ちゃんと文化祭で一緒に焼きそば食べるくだりが大好き。意識しちゃう女の子と、ちょっと無神経なくらいいつも通りで自然体な先輩主人公。ただ一緒にご飯食べてるだけなのに青春らしさがすごい!
後半は歌穂との関係も混じって主人公は選択を迫られるわけですが……こういう時最初に告白した方に迷いなく行ける選択できるの気持ちいいしマルチエンディングの醍醐味だな。
今まで気づかなかったけど、杏子ちゃんみたいな背の高いスタイルのいい女子キャラ結構好みかもしれん。(リフレインブルーの雫ちゃんもとにかくデザインが好みだった)。
女の子にしては背が高い、ってのがちょっとした描写に生かされていて、それがラストの美しい青春的ラブシーンにまで活用されてるのが見事!最後の杏子ちゃんの台詞も主人公の台詞も良かった!
いい話だったし、作中で登場人物が読んでる小説が気になって読みたい小説メモも増えた。
かけがえのない、もうすぐ終わる日常の空気が、飾らないのに度々ホロリとさせられてしまう。
エロゲーっていうか……文芸部の本棚でホコリ被ってる部誌をパラパラめくって見つけたOBの素敵な作品、みたいな趣のある話だな。