竜の大規模レースをする話。新キャラもいっぱいいるよ。
ヒュンフが結婚とか飛ばしていきなり一児のパパになっていて驚いた。全四巻、元々長く続けるつもりはなかったのかもしれないが、ここら辺の思い切りの良さにはビビるよなぁ。ファンタジー世界の田舎の牧場の跡継ぎって事で、結婚メチャクチャ早い世界だから１９歳くらいで一児のパパだし、おじさんぶりたくて自分でおじさんをからかうなよ、とか孤児に言ってたりするのが面白い。逆に孤児のゲゲボ改めゲランに「いいとこ兄ちゃん」とか言われるとムッと来たりしてね。現代との価値観の違いが良く出てるよな。
フュンフの不器用さと程よいカッコよさ優しさのバランスはやっぱり良いな。ゲゲボにそんな名前(下痢止めの薬からの蔑称)って名前つけて、今日から僕の息子だっていうくだりとか、彼の優しさが泣ける。あっという間に二児のパパになっちゃってびっくりだよ。
色恋沙汰だとゲランのが結構察しも良ければ気もきくくだりが面白すぎる。いいとこのお嬢ちゃんが噛みついてくるのはお前が好きだからだ、と丁寧に解説されても「まあ好きなのに意地悪するのはわかるけど、こんなパッとしない奴好きになる理由がないだろ」とか納得しなかったり。まあそもそももう可愛い嫁も息子もいるからってのもかなりあるとは思うけどさ。シュミヤってちょっとフュンフの嫁さんでヒロインのディーディーに似てる気がするんだよな。ディーディーはもうちょっと最初から素直な子だったと思うけど。ディーディーとは相変わらずラブラブだしなぁ。
フュンフがゲランを息子にするくだりとか、行く先々での不器用なおもてなしとか、優しさと重さが絶妙だなぁと思う。ヴェラの過去話は面白いけどかなり重いなぁ……。
メチャクチャいっぱいキャラ出て来るのに、なんとなくフィーリングで読めてしまうのがすごい。これが文章力か。
旅景色みたいなのも絵が浮かぶ鮮やかさで、次で終わりなのが寂しいなあ。ゲランがとにかく可愛くて、もっとじっくりコイツとフュンフの仲良し親子？年の離れた悪友？疑似兄弟？そんな感じの絡みを見ていたかった。
