タイトルに惹かれて手にとって見たが、短い掌編の詰まったイタリアの作家の短編集だった。どれも軽快で、皮肉やユーモア、楽しい発想に富んでるかんじ。講談社文庫で出てるけど、元々童話、子ども向けなんで各話挿し絵付きで読みたいとも思った。もちろん大人が読んでも面白い。
最初に載ってる「宿題片付けマシン」が初っ端からグロくて好き。ほのぼのとして好きなのは「ドロボウたちのための玄関ブザー」、発想が綺麗で好きなのは「月の思い出」かな。
「パオリーノの木(短編集タイトルと少し違っているが、原文に近い翻訳はこっちのようだ)」はタイトルに抜擢されるだけあって、特に美しくて優しい。とても短いのだけれど、終わりの台詞といい、ほんのり優しい読後感がある。素直な感想として、コレが一番気に入ったかなぁ。