【出典 スクウェア・エニックス/衛藤ヒロユキ/魔法陣グルグル 2巻 16章 シュギ村】ここのニケの挙動というか、間の開いた「……そうだな」って台詞と困ったような笑顔の意図が良くわかんなかったんだけど、どうも感想を掘ったら
「ククリが不自然にはしゃいでいて、泣きそうなのを察していた」らしいのだよな……あーなるほどなぁ。
【出典 スクウェア・エニックス/衛藤ヒロユキ/魔法陣グルグル 2巻 16章 シュギ村】泣いた後のニケのセリフもなんかよく考えるとわからんのだが、そういうククリの感情が爆発するのを察してる感じだったとしたらこの「わかってるよ」もちゃんと理解出来る気がする。
しかしみんな漫画を読むのが上手いなぁ。ぼくにはとてもできない。グルグルの感情の機微をちゃんと把握したいのだが全然出来ない。うーん、
この後実際に2ヶ月ほどのんびり強奪まがいの買い物したのはククリちゃんの為なんだろうなぁ&適正職業盗賊の伏線(の、一つ)なんだろうなぁとは自力で気づけたのだが……。
この「わかってるよ」も三期アニメだとニケがめちゃくちゃ大慌てで言う感じに改変されてるんだけど、また解釈が変わりそうな演出だよな。気づいてはいたんだろうけど、アニメ的に映えて、少年の年相応の心理をわかりやすくするに徹したのか。アニメニケ大好きなんだが、原作のニケの落ち着きのある部分とかボケ倒しまくりな部分は敢えて強調しない(或いはそこをピックアップする尺がない)感じだからな。
しかし
ここまで気づかえるような男でもデビルククリ化させちゃった、って思うと本当ミグミグ族って普通に恐ろしいわ。
なお
ニケは2だとあくまでも龍でもなかよくする事で対応したもよう。やっぱコイツ光の狂気じゃん……。
2で小ネタ的にククリが悪魔になった時、ニケは龍状態で駆けつけるっての、構図として美しくもやっぱりずっと核心的なニケの心理が隠されてる感じではがゆいんだよなー。
行動・演出で魅せる点が小憎たらしいほどかく乱が上手い&漫画として上手い。悪魔ククリもう一回見て正気のニケが思うところがないわけがないから、そこんとこの掘り下げを龍ニケをぶつけて上手く回避してるんだな。なんで回避するんだよ!って感じだが。今言った通り、
言葉ではなく行動でアラハビカの答えを示すという意味もあるんだろう。
ニケは
行動で示し過ぎて心理が普段まったくわからん(心理が見える時もあるが、基本レア)ってのがなかなか珍しいキャラよね。いや読み返すと結構ハッキリ言ってんだけどなんか……何故か読んでる時わからない(ギャグとテンポの良さのせいかな)
2でもアラハビカ的な恋が盛り上がる話が見たいよなぁ的にフワッと考えてたけど、ある意味もう描いてあったわけだね。やっぱりアラハビカミュージカルは色んな意味で一回きりのまぼろし劇場なんだなぁ……。いやアレは起きてても見られる夢で、現実なんだけどさ。あんなような事もう一回やれは作者も色んな意味で恥ずかしいだろうし、ニケはもう他の女の子にドキドキとかしないし、ククリも成長したし……。あの時の作者とニケとククリにしか出来ないやつなんだろうな。アラハビカ編大好きなんだけど、今となってはアラハビカは色んな意味で起こりえない事件って感じ。
アラハビカ的な恋の盛り上がりがもう一回見たいってのも、アレの焼き直しとか、また拗れるのが見たいってんじゃなくて、
ラブラブなままアラハビカというか、二人の仲の良さのさらなる表現というか押し上げがあの規模で見たいんだよな。2すごく楽しいんだけど、小粒の良エピソード集的というか……。
2のデビルククリ小ネタは意図に気づくと本当に美しいし味わい深いんだが、もっとデカい規模で見たい気持ちがあるというか……。改めて二人の関係は尊いものだと感じさせる要素だが、やっぱわかりにくすぎるよねコレ。わからない人のが多いと思うのが歯がゆいというか惜しいというか。別にそれでいいって漫画なんだろうけど。
2はニケも作者もとても素直になってる反面、本当に恥ずかしいところは1以上に巧妙な照れ隠しでかなり気づきにくくなっている感じがする。
衛藤先生が漫画家として、ニケが人や男子として、本当に恥ずかしいものを隠すかく乱、隠ぺい工作が上手くなってるっていうか……。そこに私は賞賛も歯がゆさもあるのだと思う。
わざと失礼な言い方をすると、
誰も褒めない感じに上手い漫画だし、誰も褒めない感じにニケはいい男なんだよな。