やきにく亭
～キャベツを添えて～

ニケほど「君が望むのなら」って言葉が似合う男なかなかいないような気がする。君が望むのなら勇者になってあげる。君が望むのなら王子様にだってなろう。君が望むのならお菓子を食べに行こう。君が望むのなら……。「君」はもちろんククリちゃんな。

✕　ニケきゅんが欲しい
△　ニケククがセットで欲しい
○　ニケククの友人になってアラハビカやクエストにスポット参戦したい
◎　ニケクク級の美しいカップル物語読みまくりたい

ニケきゅんが欲しいって言うより、◎のがククリちゃん以上のワガママになるくさいのはどうして？

勇者様が欲しい、って一瞬だけ魔王ちゃんがニケを寝取ろうと試みたけど、勇者アバン寝取ろうとしたオトギリ姫より、勇者ヒロを手に入れようとちょっかい出し続けた魔王学校のサブヒロイン勢より、虚しい試みだった気がする。

勇者アバンにとってフローラ姫が、勇者ヒロにとってリュウナ姫が、替えの効かない心の一部である事は大前提で、お姫様がいないとしてもアバンとヒロは勇者だろうとは思うが、ニケってククリいなかったら勇者なんかしないと思うしな。アイツはククリから引っ剥がしたら本当に無だと思う。

っていうか魔王ちゃんがホントに欲しかったのって、ニケじゃなくて失恋したシエロちゃんだよな。って言うと何倍も虚しくなっちゃうね……。

勇者の寝取りに成功したけど、盗んだ結果、ニケの様子を見て大失敗を悟って絶望する魔王ちゃんの二次創作見たい。っていうか書きたい。下手なエロ同人より原作汚してる気がするが。（優しき衛藤創造神が避けたルートだと思うので）

バトーハの塔のカップルとか魔王ちゃんの失恋とか、まあ同情する気持ちも当然あるんだが、あるんだが、一方的な気持ちの押し付けや思い込みが激しかった彼女達が悲劇的な結末を迎えたのは必然だったかも……。と意地の悪い事考える自分もいるんだよねぇ。ああいう結末を迎えた女達にそんな事言うの、死体蹴りで酷いとは思うけど……。

悪い子じゃねえのはわかるんだが、魔王ちゃんってやっぱちょっとワガママだしさぁ。ククリちゃんはワガママ抑えられるから私も「もっと言っていいんやで……」ってなるけど。

シトラスちゃんって読者とか魔王ちゃん目線だと横から男をかっさらったヤな女に見えるけど、別に普通に良い子なんだろうとは思うしな。

グルグル２読み返してるとニケって他人に言われてククリ励ましてる時はいつも失敗してるな……って気づいた。２でも相変わらず、自然体で励ました時はビビるくらいのイケメンなのにな……。

ニケがククリを励ますのは「そういう生き物の習性」だからやらせようとしちゃいけないんや、あくまで自然体でやらせないと……。今更だけどコイツマジで意味わかんねぇな。

【出典　スクウェア・エニックス/衛藤ヒロユキ/魔法陣グルグル １巻　９章　ノコギリ山の洞窟・３】

よく考えたら１巻でカセギゴールドが問いかける形で「グルグルとは何か？」ってやってるのすごいな。

カセギゴールドの問いかけに答えるとしたら、「ジミナ村で祀られる神でもあり、魔王ギリに対抗しうる武器、兵器でもあり、ニケの恐れた魔物、怪物でもある」みたいな。

偶然か計算か、カセギゴールドの問いかけ全部に該当する描写が原作内に全部あるんだな……。他にも「グルグルは闇魔法結社で神のように祀られるし、相手を傷つけるバトルハートでもあり、悪魔にも天使にもなる怪物」なんて解答も出来ちゃうかも。

もっと核心に迫った、「心の魔法」というヒントは、この後ベームベームをプレゼントを壊された怒りの勢いで呼び出せたり、２巻外伝、「ククリルク」でオババが助言の形で触れていたりする。


【出典　スクウェア・エニックス/衛藤ヒロユキ/魔法陣グルグル １巻　１１章　ノコギリ山の洞窟・５】


【出典　スクウェア・エニックス/衛藤ヒロユキ/魔法陣グルグル ２巻　魔法陣グルグル外伝　ククリルク】


【出典　スクウェア・エニックス/衛藤ヒロユキ/魔法陣グルグル ４巻　３１章　勇者のひみつ】

あと読み返すと妖精村の長老も「要はハート」って言ってんだよな。ハッキリとグルグルとは何かというニケの問いかけに答えたのは１０巻のデリダだけど、つまりオババとか長老クラスだったらグルグルとは何か？という問いかけに答えられる程度に正体を知っていた、或いは察していたのかな。

なんかこうグルグルって感じみたいなテキトーさが作者の自作語りでは印象に残るけど、やっぱりここら辺の魔法の正体に関してはずっと構想があったんだろうな……。１巻の時点でもう問いかけと解答になりうるヒントがあったの結構すごいな……。

リコの花も、ニケの素敵なプレゼントがククリを守った事で思考停止していたが、こうしてまとめてみると、ニケのリコの花のプレゼントはタイトルにもあるグルグルの核心に触れるキーワードでもあったわけなんだなぁ。この、流れるような構成めちゃくちゃ綺麗だな、この漫画……。全く矛盾がないとか、そこまでガチガチというわけじゃないんだが、こういう一番大事なところの流れが綺麗なんだよな……。

何気にミグちゃんが「グルグルってなーに？」って言ってるのも見逃してはならないポイントだったりするのかな。普通の魔法とグルグルの区別とか特についてない描写。アッチ村の排他的なな感じとキタの町の親切さ、対比的だけどグルグルが広まっていないのも理由の一つなんだろうか？魔法オババはキタの町でも有名らしい(２のミグ参照)けど。

アッチ村は黒い絵本を村長のひいばあさんの時代から預かっていたから、グルグルの認識はあったんだろうなぁ。先にこっち行かなくて良かったよな、ここでうっすらと差別なんかいきなり受けたら流石の鉄メンタルニケもきつかったろうし、ククリちゃんも心が折れたかもしれん。今読むとアッチ村、村長の像より不穏な空気が気になってしょうがない……。

衛藤先生が優しいからトラウマ的な描き方の一切を排除してたんだろうが、大人になって読み返すとなんでホント幼女の時不穏さの一切をスルー出来たのかな……。

セブンズストーリーのグルグルコラボシナリオを読んでみた。こっちもレイズ同様、アラハビカネタなんだな。やっぱりこのネタには弱いというか、王道ネタをもう一回、って感じでもホロリとしてしまうやつ。「何度だってククリを守る！」というニケのセリフはとてもニケらしいと思った。そうなんだよなぁ……ニケもククリも、何度も失敗するし何度もピンチに陥るけど、何度だってニケはククリを助けに行くんだよなぁ……。セブンズストーリーのコラボシナリオは軽めだけど、この台詞はすごくニケの解像度が高いと思った。

でもレイズのが、一回アラハビカやった先輩目線でロイコレを見守る感じで好みかもしれない。メインストーリーとして、ド直球に差別が存在するシンフォニアと、物語の若干奥まった背景に差別が存在するグルグルをかけ合わせてアラハビカやったの上手いよな。お話はほのぼのアラハビカをシンフォニアで、って感じで優しい感じだけど。

一緒に女の子にデレデレしたり、ククリの事でレイドより軽くケンカが出来るテイルズのゼロス、ククリがみんなに心配かけているのをぶつくさ言うニケに「でも一番ククリを心配してるのはニケだ」と指摘できるセブンズストーリーのアルフ君、この二人が原作にいたら、ニケの同年代友人の少なさとか、表に出ないなんやかやとかのカバーが出来たろうなぁ……となんともいえない気持ちになった。

世界中のイケメンを集めても、やっぱりお姫様だけの勇者様はニケ君くらいしかおらんのだよなぁ……。少なくとも、私の知ってる勇者様ってのは、流石にヒロインだけの勇者様じゃなくて世界の勇者様でもあるから……。世界の勇者様の上で、ヒロインが一番大事って文脈だから……。いやそんなの当たり前なんだけどさ……。ニケきゅんを見た後だと「他に……おらんのか！お姫様だけの勇者様！！」ってムチャクチャな注文をしてしまう自分がいる……。

変な安っぽいヤンデレ男じゃなくて、ニケきゅんみたいなメチャクチャ素敵な男が素でお姫様だけの王子様勇者してるのが浴びるほど見たい。女子の恋愛物好きでこんなような男嫌いな男いないだろって勢いなのに、なんでこんな激レアなんだろう……。

まずお前がニケ級の勇者作れるのかよ？って言われたら作れないからまあそういう事なんですけどね。私の最高傑作の恋愛的王子様は多分アルジェンなんだと思うが、多分無意識にニケの何かは入ったはずなんだが、まあアレは勇者様とは真逆よねぇ。最初から冒険も目的も全部ミニマムというか……。

なんつーか私はお姫様を救う男が描けないんだなぁ。いっつも王子様は運命の姫に心とか生命とか救われるみたいな話になっちゃうんだよなぁ。私が描きたいのはニケきゅんみたいな光なんだ……。