きりなしの塔攻略辺りの話、結構ギリギリの進行で緊張感もあるし、カヤがククリと対決するくだりとか、4人とも全員バラバラな事考えてて面白い。

っていうかカヤがククリと対決する時、トマがなんとなく観戦モードには絶対にならず、「どうやったら分断された状態でククリを助けられるか」に思考を集中しててなかなか切れ者感がある。

ニケの方も、スケベに一時思考が逸れていたりはするが、トマ同様、黙ってククリ単独でのバトルを見守る気は一切なくて、トマの指示の元、魔雷砲で外野から攻撃したり(ギャグっぽく失敗はしちゃうけど)、カヤみたいなやつが堂々と戦いたがるわけない、って態度は崩してないのもまた面白い。

やっぱニケクク+トマのパーティはすごくキャラもバトルもバランスが良くて面白い。衛藤先生が三人パーティのドラクエ2が一番好きなゲームとファンブックのグルグルランド+で語っていたのが良くわかるほど、この三人組パーティは安定感がある。トマが純粋に、ニケをひっくるめてククリを大切に思ってるから、いざとなったら男子二人でククリを守るぞ!みたいな流れになって、そこが真にレディーファーストな流れになるというか。個人的にも、一番見てて気持ちが良い組み合わせだなと思う。

きりなしの塔は、背を向けた状態のニケのキラキラでの奇襲がメチャクチャカッコよく決まってて、その無言の号令から一気に全員反撃に移る流れが超カッコ良かったり、とにかく見てて面白いバトルイベントが多い。

というかアラハビカもだが、衛藤先生のバトルの神髄は防衛戦じゃなかろうか?と思う。きりなしの塔防衛も、コーダイ王が世界中の冒険者に命じた、魔王軍対策だし。花の国編も、やってる事が要は「妻が誘拐されてるのに子どもが病気で動けない旦那が粉ミルクで必死に育児と看病してるような感じ」で重すぎるからギャグっぽく薄めてるっぽいが、要は男でも授乳が出来る粉ミルク代わりに、カッコイイポーズの光でプラナノの成長を助ける辺りとか、メチャクチャ必死こいててあのくだりは面白い。アラハビカ終盤でも、ニケとトマが楽しそうに戦争防衛ごっこをしてるけれど、アレはそのまんま、楽しく防衛戦を描く衛藤先生の心境が出ている感じがする。

というかプラナノに水をあげるくだりで、ニケが「母乳(で育てるん)じゃないのか」って言うけど、あれもデリカシーのないギャグと思わせて多分伏線なんだな。普通の子どもみたいに母乳で育てるわけじゃねぇから、↑の通りお父さん役のニケが、太陽の光代わりになって授乳的な事が出来るって感じの。

トマが地味キャラ、活躍を省略されるギャグをされがちなの、多分正攻法で書いたらニケククを食っちゃうくらいキャラとして強すぎるからじゃないかな……って思う。実際上記の通り、きりなしの塔辺りのトマは、良く読むと切れ者過ぎてちょっと怖い部分がある(もちろんそれは、トマが仲間の事を想ってなのもわかるが)

多分トマを直球で書くと、便利な博士キャラのが主人公状態になってたナイトゥルース状態になりかねないというか……。再登場時も、そもそもレベル10でニケククよりレベル高かったしね。今更私が言うまでもないが、衛藤先生ってやっぱバランス配分が上手いんだなぁ。

衛藤先生が多分一番得意で本人も描くのが楽しいと思われる防衛戦的な物がないのが、グルグル2のバトルがなんかこじんまりしてる印象の理由な気もする。いや弱体化の代わりにギャグヒーロー的にピンチを切り抜けるニケとか、面白いグルグルを使うククリとか、相変わらず楽しいは楽しいんだけどね。

2は敢えて「魔王」の定義を曖昧にしているのが、無印みたいに魔王軍の侵攻から勇者たちが土地を守るみたいな防衛戦にイマイチ繋げにくくて、衛藤先生の十八番が出来なかった感あるのが惜しいよな。

2は1より好きな部分も多いんだが、色々な制約が多すぎて、常に90%くらいっていうか、無印みたいに時々120、150%くらいぶっ飛んだ楽しさみたいなものはあんまない感覚がある。それでも十分楽しいんだけど。
2024/07/24(水) 18:24 グルグル考察 PERMALINK COM(0)