感想ググるとグルグル(無印)ってやっぱ後半あんま面白くない扱いが多いよなぁ……。とかいって私も読み返すまでアラハビカ以降がゲソックの森とかの小ネタ以外記憶曖昧気味だったからあんま人の事言えないけど……。でもレフ島は子どもの頃から大好きだったなぁ……。あの雰囲気が。(なんならコレが一番後半で評価低い感じでショックだったかも)

今見るとラカンの日記の回収がある地の剣の話とか、恋物語として色々考えさせられる台詞やくだりが多い花の国編とか、カオスなゲームの嫌なあるあるまみれのゲソックの森とか、後半も面白いんだけどな。でも最終決戦はアニメ一期で色々やりすぎてしまったのか、何かしくじったような感じはする。レイドとかレイドとかレイドとかな。

アラハビカ以降が失速する的な扱い、正直ある程度しょうがねぇ感じはある。大きな元ネタの一つであると思われるラピュタで言うと、なぜか天空の城から脱出した後も話が続いてしまった、みたいな構成してるから……。ラピュタ下敷き作品ってなんか知らんが笑えるほど失敗率高いのを鑑みるとグルグルはかなり上手い方だとは思うが……。

あとやっぱり、恋物語としてもアラハビカが実質最終回級だからな……。

最終回辺りの告白もアラハビカほど盛り上がる感じじゃないの、やっぱアラハビカで最高の告白(プリンセスククリのお嫁さんにしてください!)と最高の返事(今度は自分の意志で迎えに行って、ククリのハートを持ってほっぺに目覚めのキスをする)ってのやっちゃったのもあるよな。

このブログで、最後の恋するハートは↑のような王子様とお姫様じゃなくてウンコ我慢も含めて締まらない、本当の二人じゃないといけないみたいな考察もしたが。ここら辺はニケの心理が基本細かく掘り下げられないという構成も欠点になってしまっていると思う。アラハビカで既に告白されたニケが、もう一度、ホントのククリに告白されて嬉しいみたいな心理とかがわからんというか……。流石に返事のくだりでは色々自分の考え語ってるんだが、当時としてもニケって呼んでの細かい心理ってつかめなかったような記憶がある。っていうか今読んでも推測以上の事が全く分からん……。

まぁ最終回の告白にギャグ漫画とはいえウンコ我慢混ぜ込んでくる照れ屋兄ちゃん作家にそこら辺求めるのもアレかもしれんが……。

もう一個言うと、アラハビカまでは多分構成がボーイミーツガールとしても冒険ものとしてもかなり王道というか、冒険はドラクエを下敷きに、ボーイミーツガールとルーツの旅としては多分ラピュタを下敷きにしてる事で、濃ゆい元ネタにもない別の濃さが大筋の時点で出ていること、そこにギャグをぶち込んだことでみんな大好きな王道二つ贅沢に使った上での別の濃さが発生してるってのはあると思う。

アラハビカ以降も読み返すとメインストーリーもギャグも結構面白いんだけど、コレ以降はドラクエもラピュタも要素として薄れて、衛藤先生の本来の作風が出始めている感じがある。というか多分、代表作のグルグルこそ衛藤先生作としては異端というか、ウサギテレビとかがじぇっとが好きな人は好きで留まるのもそこなんだよな。

衛藤先生といえばグルグルのRPGあるあるイメージだが、他の作品を読むとそんなもんはないというか、グルグルほどドラクエ以外もパロまみれ、みたいな作品ってないんだよな。ほとんど1からファンタジー世界が作れる人なんだけど、パロのが大筋が王道になってウケやすいというか、グルグルって本当色々奇跡的に何もかも噛み合っているというか……。何かが一つでも噛み合わなければこんなに愛される事はなかった、みたいなギリギリの芸術観がある。代表作グルグルこそが異端で本来の作風じゃないのに、これがもうほとんど作家としての代表作になったギャップにそれ以降葛藤している感じすらあるというか……。

個人的なド偏見感想だが、舞勇伝キタキタが作家としての葛藤の一番の象徴というか、一読以降開く気がしないのは一番描いてて楽しそうな感じがしなかったせいもあると思う。ドラクエ四コマ時代くらいのギャグ作風に戻そうとしたのはわかるが、ファンブックであんなにキラキラと語っていた大好きな少女漫画もファンタジーも哲学も全部捨てて無理をしている事、この時衛藤先生に色々辛い事が重なりまくっている事が本当に見ていられない。

っていうかもうハッキリ言うが、キタキタから先読んじゃってたらグルグル2手に取ったかすら怪しいレベル。マジでキタキタ路線の方を捨ててくれて良かったわ……。っていうかよくコレ通ってから恋愛物語として前作より素直に穏やかになっている(当社比)グルグル2が描けたな……。いや通ったからこそ?


例によって長くなったが、グルグルのアラハビカ以降が賛否両論なのは、

・恋物語として最終回の前にわかりやすく感動的なアラハビカをやっちった
・アラハビカ以降、王道冒険パロではない衛藤先生の本来の作風が出始めている
・最終決戦がなんか惜しい感じがある(尺のない3期アニメのが色々と上手い)
・ここで何度も言ってる通り、アラハビカ以降はバトルが割と深刻気味で衛藤先生の優しい人柄と多分合っておらず、そこがわかりにくさに繋がっている(アニメ2017と原作の深刻なシーン改変を見比べると、熱血と深刻苦手な作家の美点と欠点がわかりやすいと思う)

辺りだろうか。

しかしほぼ誰も読まんような引きこもりブログを良い事に、舞勇伝キタキタホンマ酷評だな私……いや……楽しそうに描いてるかどうかくらいは読んでりゃわかるんだよな……邪推かもしれないけどさ。ドラクエ4コマは私も好きだが、舞勇伝キタキタ読んでドラクエ4コマとかグルグル初期みたくギャグだから楽しい言える人とは多分同じファンでも合わねーな、って思う。アレ読んで多少なりとも違和感がない人は合わねえ。ギャグならなんでもええんか?とすら思う。度重なる自虐ギャグにすげぇ違和感あったなキタキタは……心優しい作家が誰も傷つけることなくギャグ特化するには、あれしかなかったのかもしれないが……。アレを笑えるタイプの人もいると思うが、私は好きな作家の自傷行為を見てるようで辛かったわ。終盤のキタキタおやじへの容赦ない悪口は流石に笑ったがそこくらいかな……。

っていうか作者&読者念願?のキタキタおやじ主役という点も、キタキタおやじ、ここまで嫌な奴だったっけ?ってキャラの性格の時点で違和感あるというかな……これも一度ギャグ特化に戻すため、衛藤先生得意のいい話を一度捨ててしまってる弊害なんだろうけど。おやじ、グルグル無印本編だと、アラハビカでもネコジタ谷でも結構いい事言ってたのにな……。おやじ主役なら、アラハビカの「人も魔族もご一緒に」だの、ミグミグ族がいなくなった場所でたった一人踊るククリちゃん見て泣いてる人情だの、ああいうのを基本ベースに見たかったな……。この辺も男性作家なら普通にある感じの、主人公男子ドリ的なアレがむしろ苦手くさい、という美点と欠点が出ている感ある。親父を中年人情ヒーローみたく描く発想がそもそもなさそう。(だから本編でおやじがたまに良い事言うくだりが刺さるのかもしれんが)

もう何億回ビビってるかわかんねぇけど、衛藤先生少年漫画家と思えんくらい主人公ドリも熱血バトルもみんな苦手だよな……私より少女漫画で育った女子そのものだと思う。純粋培養って感じ。ご兄弟いらっしゃるらしいのになぁ、漫画交換して読んだりしなかったのかなぁ?私なんかは家族の影響で少年誌よく読んでたけど……。衛藤先生の読書歴がグルグル以上に謎だ。多感な時期に食ってたもんが、そもそも少年誌読んで育ってる感じの読者と合わなくて、そこら辺の感性の問題でグルグル以外が苦戦してる感じはある。っていうか少年漫画を読んだことがないのに少年漫画家としてデビューしてヒットした作家とか、私は衛藤先生以外知らん。
2024/08/13(火) 03:01 グルグル考察 PERMALINK COM(0)