メチャクチャグロイのに最後は結構平和的だった。でもよく考えたら
ずっと暴力はいけない文脈で何故かグロイ(最終手段を取るしかないという文脈で)みたいな不思議な漫画だったのでこの流れは自然なのかも。白馬の王子してる覚悟君のくだりと、終盤大活躍する罪子ちゃんのくだりが好きだわ。
感想が難しいな……
グロいけど平和的でもあり少女漫画でもあり……山口的とでも言うしかない……。
もっと重いかと思ったら爽やかな大団円な感じだった。第一話冒頭で引いたのが嘘のようというか、山口先生いい人なんだろうなぁ……。
結局数日で全巻読んじまった……。正直なところを言うと、最終決戦はなんか穏やか過ぎる感じもしたんだけど、全編ずっと愛の物語で暴力も死も実は否定の話ではあったから、これしかないな……とは。
好きな子の歌になりたい男の話だものな……。なんというかヒーローだから、というより最終的には零も含め、その献身的な善性が人のまま世界を救ったような感じがするな。
っていうかヒーローものというよりは、もっと突き詰めてどこまでも献身的な男の愛の物語なのかなとも。好きな女へはもちろん、世界へも、誰にでも。
この
難儀で誰に勧めていいのかわからんセンス、嫌いじゃない、嫌いじゃないぞ……!!なんというか(見た目より)普通に良い話文脈というか……。
全ての元凶とも言える葉隠四郎絡みでもう一声長めの山場欲しい気もするんだけど、この感想も多分野暮なんだよな、作者と覚悟くんが一番言いたい事考えるとな……。(全9巻のつもりだったらしいの考えると、むしろ伸びちゃった方だしな)
私の正直な感想(最終決戦の穏やかさ)も含め、正義とは、ヒーローとは……と考えてしまう。でもダイ大のダイだって独りぼっちでバーンと殴り合いながらこんなものが正義であってたまるか!って泣いてたもんな……。ボコボコ殴ってこっちのストレス解消してくるようなやつじゃなくて、全ての者に献身的な愛を捧げられる覚悟君、彼こそがきっと本当のヒーローなんだと思う。ちょっと難儀に思うところも含めて。
そんな難儀な覚悟くんだから、きっと最終回後も人離れせず、大切な女の歌になれる。そんな感じするよ。実際比較として出したダイは人でいられず、ああいう最終回だしな……。
ダイと覚悟、どっちのルートにしろ私のフラストレーションを雑に満たすような安っぽいヒーローじゃ、ホントのヒーローにはなれんのだと思う。
ヒーローだの勇者だのが最終的にどっか行っちゃう、みたいな命題にグルグルも無印最終回で反抗してたけど、
もっと深刻な話だと、グルグルみたいな事前準備だけじゃなくて、覚悟君くらいの覚悟キメ過ぎな思いやりがないと、ヒーローって、戦いの後人の中に戻れないのかもなぁなんて。素直に感動しつつも、色々読後考えてしまった。最近勇者ものとヒーローものばっか読み返したり、こうして新規に読み始めたりしてるから、尚更。
なんというか、
わかりやすいヒーローエンタメを求めてしまう、もどかしい自分の感覚も含めて気持ちいいような、不思議な漫画だった。